各社8K市場から撤退へ
要約
どうやら8Kは3Dテレビと同じ道をたどりつつあり、LGが撤退したことで、市場は事実上の縮小局面に入っているようだ。TCLやソニーはすでに撤退している。
LGは世界で唯一の8K OLEDテレビを販売していたメーカーだったが、Z3 OLEDは昨年販売終了となり、今年のラインナップには後継機がない。パネルメーカーのLG Displayも「市場環境が改善しない限り、8Kパネルの開発は当面停止する」と認めている。
LGの撤退、ハイセンスの8K計画停止、TCLとソニーの離脱により、8Kテレビを実質的に支えているのはサムスンだけになった。しかし、そのサムスンの姿勢も積極的とは言えない。
我々は8Kテレビを「2025年の敗者技術」の1つに挙げた。その理由の大きな部分は、8Kが「解決すべき問題を解決していない」ことにある。
「人間の目が識別できる情報量には限界があり、現在の最高峰4Kテレビがすでに圧倒的に美しい世界では、ネイティブ8K(7680×4320ピクセル)は過剰仕様だ」。通常の視聴距離では、「現行の最高クラスの55インチ4Kテレビと8Kテレビの違いを見分けるのはほぼ不可能だろう」。
もう1つの重大な問題は、継続的かつ致命的とも言えるコンテンツ不足だ。Blu-rayは4Kまでが上限で、主要な動画配信サービスの最上位プランも4K止まり。8Kディスクフォーマットが登場する予定もない。
8K技術にも居場所はある。サムスンの「The Wall」は圧巻ですし、高解像度が必要なモニター用途では非常に有効だ。
しかし、機器の価格、コンテンツ不足、そして現在の4Kテレビの圧倒的な完成度を考えると、その居場所が一般家庭のリビングルームにあるとは思えない。そして、メーカー側もますます同じ結論に達しつつあるようだ。
8K録画環境は残るも視聴環境は4K止まりか
8Kテレビは3Dテレビと同様に衰退する技術になるのではないかとTechRadarが伝えています。上記は一部を要約したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
記事では、LGが8Kテレビから撤退したこと、TCLとソニーはすでに撤退済みであること、唯一8Kテレビを提供しているサムスンも実際には消極的であることを指摘し、8Kテレビ市場は縮小局面に入っていると指摘しています。
8Kテレビの市場が縮小している背景については、業界関係者のあいだで「そもそも8Kという規格が一般ユーザーにとって早すぎたのではないか」と語られることが多いようです。最大の理由として挙げられているのが、視聴できる8Kコンテンツがほとんど存在しないという点で、放送・配信ともに4Kすら十分に普及していない状況では、8K向けの制作投資が進まなかったとされています。
価格面のハードルも依然として高く、8Kテレビは大型・高価格帯に集中していたため、一般ユーザーが手を伸ばしにくかったといわれています。その一方で、4Kテレビは年々画質が向上し、輝度・コントラスト・色再現性などの面で“最上位4Kのほうが実際の画質が良い”と指摘されるケースもあったそうです。こうした状況から、8Kを選ぶ明確な理由が見出しにくかったと分析されています。
こうした様々な事情から、主要メーカーが次々と8Kテレビの新製品投入を見送るようになり、市場全体が縮小傾向に入ったと見られています。
カメラで動画を撮影しいる方に向けて補足すると、撮影機材の世界では8K動画対応が増えているものの、「最終的な視聴環境が8Kでないため、編集の余裕度として使われることが多い」という話もよく耳にします。また撮影においては“8Kで撮る=8Kで見せる”という発想よりも、8K素材を4Kに落とすことで画質的な余裕を確保するという使い方が主流になっていることのほうが多いようです。
その一方で、最終的な視聴環境が4K止まりである以上、完成した映像を8Kで鑑賞できるユーザーがほとんどいないため、制作側としては投資に見合うリターンが得られないと考える人も多いようですね。
結果として、撮影者にとって8Kは「画質の余裕を生むための手段」としては有効であるため、ミラーレスカメラで8K動画を撮影する機能を望む声はあっても、視聴環境は4K止まりで8Kまでは必要がないという状況になっているのかもしれません。




コメント
コメント一覧 (2件)
画質が良くなることがメリットか?といえば、そうじゃないのは以前から言われてて、例えば、かの増村保三がその世界観を作り上げた “大映ドラマ” がフィルム撮影からビデオ撮影に切り替わった『プロゴルファー祈子』は「フィルムだから吸収できる、過剰な世界観」も「ビデオにしたら “コント” になった」との評価がもっぱらでした。
もうひとつ。
新田五郎という、同人誌の世界で割と有名な人がいて、自身のXで「地デジ化でカネが掛かったので、その後やってるテレビは東大生がクイズに答えたり、タレントが商店街をブラブラしたり」「そういうものをクッキリ画像で観るハメに」ってなことをつぶやいておりましたw
35MP超の高画素機とそれに耐え得る高級レンズ、8K60p高画質なら1時間あたり約3TBのメモリーカード、編集用の超高速・大容量ストレージ、最新・最高のCPUにグラボに大容量メモリを積んだPCに、高精細な8Kモニター。
思いつくだけでもこれほどの機材を揃えた挙句、得られるのが一般人には見分けのつかない微差かトリミング耐性、となればコンテンツが増えないのも道理です。半導体危機からのDRAM高騰、と時期も悪かったですし。
画質やfps落とせばマシになるでしょうけど、なら最初からオーバーサンプリング4Kで撮ればいいよね、となり。トリミング目的なら最終出力は4Kとかになるでしょうしねぇ……
人間の目がボトルネックなら、4Kには当てはまった「未来のために最高画素で撮っとく」も意義が薄そうです。