交換レンズのシェア争い
BCNが交換レンズのメーカ別、マウント別のシェアを公開しています。興味深いので紹介したいと思います。どのようなシェアになっているのでしょうか?
それでは記事をみてみましょう。
- 2023年2月の交換レンズ販売本数シェア
- メーカ別
- 1位 キヤノン 17.1%
- 2位 シグマ 16.0%
- 3位 タムロン 15.1%
- 4位 ソニー 14.2%
- 5位 ニコン 13.8%
- マウント別
- 1位 Eマウント 32.6%
- 2位 マイクロフォーサーズ 13.8%
- 3位 EFマウント 11.4%
- 4位 Fマウント 9.3%
- 5位 Xマウント 8.8%
記事では交換レンズのシェアに関して詳細な解説があります。全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
さて、記事によれば交換レンズの販売本数シェアにおいて、メーカ別では1位のキャノンの17.1%から始まって、5位のニコンの13.8%までの差はごくわずかで、かなり拮抗している様子がわかります。むしろ逆に考えるとソニーのミラーレスカメラはランキング上位に入っているのに、メーカ別ランキングで4位、ニコンのわずか上でしかないことに驚きます。
しかし、マウント別のランキングをみると納得です。1位はEマウントで、2位のマイクロフォーサーズを圧倒し、ダブルスコア以上で1位を獲得しています。このことから、シグマ、タムロンのシェアの多くがソニーのEマウント用レンズであることがわかります。つまり、ソニーのレンズ販売数、シグマのレンズの販売数の一部、タムロンのレンズの販売数の一部を足し算すると、Eマウント用レンズのシェアになるということになります。マウント別では圧倒的にEマウントレンズが売れているということは、それだけソニーのカメラが売れているということと同じことになりますね。
マウント別2位のマイクロフォーサーズ
ここまで記事を読んでいただければわかると思いますが、マウント別でマイクロフォーサーズが2位に入っているのも理解できるところです。マイクロフォーサーズマウントは規格に賛同すれば誰でも発売することが可能です。現在、OMデジタル(旧オリンパス)、パナソニックの他、その他のメーカのレンズの合計ということになるので、2位になるのも理解できますよね。
そして驚くのは、キヤノンのRFマウント、ニコンのZマウントは、マウント別にランキング上位TOP5にも入っていないことです。現在のランキングでは、RFマウントより一眼レフのEFマウントのほうが上位にランクインし、Zマウントより一眼レフのFマウントのほうが上位にランクインしていることになります。
統計からはRFマウントとZマウントのシェアは富士フイルムのXマウントよりも下になっているということになりますので、ちょっと驚きますね。
ただ、このあたりにもちょっと考慮しなければならない事情もあると思います。
まず、Xマウントについては、先日から、マウントの規格が公開されたようでシグマなどからXマウント用のレンズが多く発売されています。これがXマウントのシェアを押し上げた可能性が高いと思います。
さらに、ZマウントやRFマウントは、いまは基本的に他社のレンズ販売を認めていません。Zマウント用レンズはいくつかライセンス契約のもとに発売されていますが、そのレンズの数はまだ少ないです。
このことから考えると、RFマウント、Zマウント用レンズが現在はマウント別でシェアが少ないのは仕方がない側面があるのかなと思いますね。
ユーザとしてはサードパーティー製のレンズが増えることは良いことだと思います。しかしメーカ目線では自社レンズの販売が減ることによるデメリットも考えられます。この統計からもわかるように、ソニー用のレンズはかなり売れているのに、ソニーの交換レンズシェアは下位になってしまっています。それだけレンズ販売で得られる利益を他社に奪われている状況になっているので、ソニーとしては痛し痒しという状況なのかなと思いますね。
逆に、シェアは少ないですが他社のレンズ販売(特にAFレンズ)を認めていない、もしくはライセンス契約が必要と思われるキヤノンやニコンはミラーレス用のレンズ販売による利益を最大化しているのだと思います。
ソニーにとっては、かつてはキヤノン、ニコンに続くメーカだったため、レンズラインナップを揃えようとサードパーティー製レンズの発売を許容したのだと思います。しかしシェアをとったいま、レンズ販売で得られる利益が目減りしてしまう状況になってしまっています。このあたりは難しい判断だと思います。
逆にいま劣勢の、特にニコンなどは他社の参入を促してでもレンズラインナップを拡充し、巻き返したいと考えていると思います。しかしこれが、今のソニーのように将来のニコンのレンズ販売に影響を与えるかもしれません。
このあたりをどうコントロールしていくのかというのはかなり難しい判断になるのではないのかなと思いますね。
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/4045e77ff68992de0d5e08e3e776c6654ab2e398
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コメント
コメント一覧 (5件)
“BCNランキング”であることは十分考慮しなければならないでしょう。
カメラ系の集計対象店はビック・ナニワ・三星くらいで、ヨドバシ・キタムラ・マップなど中高級機主体の専門店は対象外です。
そちらでもEマウント優勢は変わらずとして、2位以下は結構変わる気が……個々の話は基本避けますが、流石に専門店ではEF/FよりRF/Zの方が売れているのでは?
だからBCNに意味は無い、とはもちろん言いません。全店舗をまとめたデータだとそれはそれでメーカーごとの特徴が埋もれそうですし。各所の結果を多角的に分析……なんて一消費者のや(れ)ることではないですね。
マウント別
1位 Eマウント 32.6%
2位 マイクロフォーサーズ 13.8%
3位 EFマウント 11.4%
4位 Fマウント 9.3%
5位 Xマウント 8.8%
キヤノン RF+EOS Mマウント 5.7%
ニコン Zマウント 4.5%
こういうことですかね。
Lマウント陣営が心配ですね……。
Eマウントのボディは結局SONYしかないからレンズが売れればそれに付随してボディが売れるからいいという図式でやってるのかな
あとはそもそもセンサーを他社向けに生産してるからマウント自体にそこまで興味はないのか……
ソニーはその分ボディが売れれば良しという考えなのでは?
メイカー別では4位ですが1位のキヤノンとは2.9%の差しかなく、マウント別では2位以下とは圧倒的な差の32.6%で1位なわけですから、差し引き考えてもメイカー別でも十分ソニー純正レンズは売れてるといえそうです。
低いとは思っていましたが、Lマウントがどうでしょうね。2月の残りはシェアは5.5%で、ここにKマウント、Gマウント、Aマウント、645マウント他?が入っていると言えば入っていそうですし。上位順で示されていて、キャノンEF-Mの2.4%以下が確実なのでしょうか? フルサイズカメラのシェアも低そうなので、2.4%未満でも納得ですけれども。
BCNさんには、ミラーレス一眼の10位まで(20位までの方がうれしい)のカメラの機種別シェアの数字を久しぶりに教えてほしいですが。