ロシアをハイテク全般から切り離す?
米国のシンクタンクAtlantic Councilによると、米国が取り得る経済制裁の1つとしては、ロシアを対象とした「外国直接製品ルール」(FDPR)が考えられるとのこと。このルールは2019年、米商務省が中国のファーウェイに対して発動したものです。これによりファーウェイは米国の技術を使ったチップや、Android OSなどの使用を断たれ、スマートフォン市場でのシェアが急落することになりました。
こうした禁輸措置にはケース毎に範囲や広さに幅があり、ロシアの経済全体に及ぼす影響は一概には言えません。しかし米The Washington Postは、米国製の技術を使わずに作られたチップや半導体は地球上に存在しないと指摘。つまり、その気になれば米国は、ロシアをハイテク一般から切り離せるというわけです。
-エンガジェッド日本語版
今回のウクライナ危機で、恐らくキューバ危機以来の、これまでで最大の戦争の危機が起こりつつあります。ロシアはウクライナの一部地域のロシア人によって作られた臨時政府(反政府勢力)の主張を認めて独立を承認し、その地域の安定を目的に軍隊をすでにウクライナに侵入させたとみられています。
ロシアはNATO各国との緩衝地域が欲しいのでウクライナのNATO加盟に反対していました。中国にとっての韓国との緩衝地帯である北朝鮮と考えるとわかりやすいかもしれません。確かに国境が接する地域がNATO加盟国になるのは脅威になるのはわかりますが、いまは高性能な兵器があるので、緩衝地帯を設定してもあまり軍事的には意味がないとも見られていて、今回の侵攻がなぜ、国際関係的にロシアにとって明らかに不利になるにも関わらず行われたのか不思議に感じている専門家も多いようです。
それはさておき、アメリカは今回の行為の制裁として、以前、ファーウェイに対して行ったように米国の技術やテクノロジをロシアに使わせないという方法を再度利用しようとしているようです。ご存知の通り、Androidを利用できなくなったファーウェイのシェアは激減し、壊滅状態になってしまいました。
もしアメリカが同じ手法を採用すれば、ロシア国内でiOSやAndroidの利用が不可能になる可能性があったり、米国企業が所有する特許を利用した製品をロシアで利用、販売することができなくなる可能性があることになります。
カメラメーカにも影響が?
米国特許や技術を利用した製品を完全にロシアから切り離すことができるとしたら、カメラ本体の内部にも当然アメリカの技術や特許を利用した製品がかならずあるわけで、米国が日本企業に対しても米国企業の特許や製品をロシアには販売するなというような要請が行われる可能性もあるのかもしれません。
実は以前にも似たような状況がありました。
ところが、米商務省がSMICに対する米製の装置の輸出申請を義務づけた9月末以降、TEL、SCREEN、Nikonなど日本の装置メーカーがSMICへの装置輸出にブレーキをかけ始めた気配がある。これは、米政府が日本政府に対して何らかの圧力をかけたのかもしれないし、または、日本の装置メーカーが米政府に睨まれたくないために忖度しているのかもしれない。
それを記事にしたのが上記の記事です。中国の半導体製造大手の企業が軍事企業認定されたことで、ニコンなどが装置輸出にブレーキをかけ始めた気配があるとしています。
同様に、ロシアには何も売るなという暗黙的な圧力があれば、カメラ、半導体製造装置などの機器に関してもそれを求められる可能性はあるのかなと思います。
日本からみて地球の裏側で発生しているようなウクライナ危機ですが、これだけ世界が密接になったいま、各国に大きな影響がでることが予想されます。恐らく日本企業にも多くの影響がでてくると思いますので、今後の動向がかなり心配になりますね。
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