ニコンの2019年3月期の通期決算について、前年比増収増益ですが、カメラ関連事業は残念ながら減収減益が続いているようです。
当第3四半期連結累計期間は、映像事業においては、レンズ交換式デジタルカメラ市場及びコンパクトデジタルカメラ市場は縮小傾向が続きました。精機事業においては、FPD関連分野及び半導体関連分野ともに設備投資は堅調に推移しました。ヘルスケア事業においては、バイオサイエンス分野及び眼科診断分野ともに海外を中心に市況が堅調に推移しました。
このような状況の下、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益は5,262億70百万円、前年同期比10億7百万円(0.2%)の増収、営業利益は525億54百万円、前年同期比110億63百万円(26.7%)の増益、税引前四半期利益は570億14百万円、前年同期比166億77百万円(41.3%)の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は407億80百万円、前年同期比184億72百万円(82.8%)の増益となりました。
セグメント情報は次のとおりです。
映像事業では、デジタル一眼レフカメラ「D850」の販売が好調に推移するとともに、新製品のフルサイズミラーレスカメラ「Z 7」「Z 6」が高級機の売上げ増加に貢献しました。しかしながら、レンズ交換式デジタルカメラ、コンパクトデジタルカメラとも全体の販売台数が減少した結果、減収減益となりました。
精機事業では、FPD露光装置分野では、中小型パネル用装置は販売台数が減少しましたが、大型パネル用装置が販売台数を伸ばし、大幅な増収増益となりました。また、半導体露光装置分野においても、ArF液浸スキャナーやArFスキャナーの販売が堅調に推移し、事業全体として大幅な増収増益となりました。
ヘルスケア事業では、バイオサイエンス分野では、生物顕微鏡の販売が海外を中心に増加したことで増収となり、眼科診断分野も、超広角走査型レーザー検眼鏡の販売が増加し、増収となりました。これらの結果、事業全体としては増収となりましたが、眼科診断分野や再生医療関連への戦略投資を計画通り行ったため営業損失が継続しました。(記事を一部引用しています)
ニコンが今期の通期決算予想を公表しています。
ニコンは半導体露光装置の特許により、190億円ほどの和解金を手に入れていますが、これにより業績は前期比で増収増益となっています。この和解金がなくても増収増益の予想ですので、それなりに好調ということは言えるのかもしれません。
決算説明資料によれば、上記にように一眼レフのD850やフルサイズミラーレスのZ7、Z6の発売が好調で売上げに貢献しているものの、廉価な一眼レフやコンデジの販売台数が全体的に減少しているため、映像事業は減収減益になってしまったようです。
やはりコンデジとAPS-Cのエントリー機が売れないとカメラメーカは厳しいのだということが改めてわかりますね。コンデジに関してはスマホがありますのでどうしようもないと思いますが、APS-Cの一眼レフも縮小しているということでは、数多く販売することができなくなってしまいますので困ってしまいます。
このあたりの理由は、やはりAPS-C一眼レフもほぼカメラとして完成の域に達してしまい、買い替え需要を喚起するような新しい機能が搭載されないと、なかなか買い換えてもらうことは難しいのだと思いますね。
しかし、今はセンサーの画質に関する進化がほとんど変化がないような状況になっており、画質だけ考えればカメラを買い換える必要性が少なくなってしまっていますので、これだけキレイに撮影できるのだから新製品を買うまでもないと考えている人は多いと思います。
そのAPS-Cもソニーやキヤノンがミラーレスを発売していますし、もう少し小さなサイズのカメラが欲しければマイクロフォーサーズという選択肢もあるなか、ニコンには廉価ミラーレスが存在しないので、そのあたりもどうするのか興味深いところですね。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
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