AI機能は写真家を怠け者にする?
最近のスマホカメラや現像ソフト、画像処理ソフトなどにはAI機能が搭載され、被写体の切り取り、削除、移動などが簡単にできるようになっています。この機能は便利なものですが、この機能を利用することは写真家を怠け者にするという主張があります。
例えば最近では、アップルがiOS 18にクリーンアップツールを追加した。これは写真の背景にある邪魔なものを特定し、被写体を間違って変更することなく取り除くことができる。これはGoogleのMagicEraserツールに続くもので、AIを使用して空を編集、置換し、邪魔な物を取り除き、移動させ、他の設定を調整することができる。
また空の簡単な置き換えや邪魔な物体を取り除くことは、AIを搭載した写真編集ソフトの主要な機能でもある。
それはそれで結構な機能だが、私はこのようなお任せの技術が実際に私たちを「より良い」写真家にしているとは思えない。むしろ、それは私たちをより怠け者にしているのではないかと心配している。
(中略)
特に懸念していることは、最近のこれらのAIアシスタント機能の増加が、私たちの多くを単に自己満足にするだけだということだ。どんなに風景、スポーツ、ニュースの真剣な写真家でも、良い写真を撮影することは非常に難しいという。
(中略)
別の例を挙げると、確かにAIで人物の写真を生成するのは難しくないが、あなたはそこにいなかったし、彼らもそこにいなかったし、どの人との間にもつながりはない。AIで生成された画像に多く見られるような死んだような目は無意識のうちにこれを反映しているものだ。
ボケはまた別の例だ。私はスマホでフェイクのボケ効果を試すことが楽しいが、それはヴィンテージレンズで作られたより本物のボケから得られる楽しみとは異なる。
(後略)
記事ではAI機能は便利なものだが、人を怠け者にするのではないかと主張しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事では簡単な空の色を変更したり、背景に写る邪魔な被写体を取り除くことができ、これはこれで便利だが、それよりも構図を変えたり、空の色が良くなる時間まで待つなど、写真家側が努力をするべきだというような主張となっていますね。青い空が背景の被写体を撮影したくてブルーモーメント待ちをした人も多いと思います。
しかし色調を変えたりするのはAI時代ではなくともデジタルになったときから行われていましたし、その頃から極端な色の変更はしてもいいのかといったことが論議されていました。今では当たり前となっていますが、同様にAIの技術の進歩もあるため、自然と受け入れられていくのかもしれません。
個人的に思うのは、どうしても構図を変更することができずに、それでも邪魔なものがあるとき、それが例えば、花、木、草、枝、看板などで、撮影のために花や木を取り除いたり、看板を倒したりするぐらいならAIにお任せで処理してもらったほうがはるかにいいのではないかと思います。
ところでiPhoneにクリーンアップツールなるものが導入されていたのは知りませんでした。基本的にスマホでの撮影はMicrosoft Pixで撮影しています。面白そうなのでちょっと試してみようと思いました。
(記事元)AmateurPhotographer
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コメント
コメント一覧 (7件)
「邪魔な物体を取り除く」機能はAIが声高に騒がれる前からありましたよね。技術の進歩が高度化・一般化させたのは事実ですが。
実体験として、ブライダルフォトで夕暮れを撮るのにWBをガッツリ暖色に降ったり後ろの建造物を消したりするのも見ています。空の色が理想でないからと日を変えるわけにはいきませんし、建造物を画角外にした結果他が微妙になっては無意味です。
プロは顧客の反応が全てですし、趣味人は自己満足が全てでしょう。そこにAIが寄与するならそれはそれ、怠けるのが嫌ならお一人でフルマニュアルをどうぞ、としか。
写真とCGの境界が曖昧になってるのでしょうね。
フィルムの頃からある話ですが、オートフォーカスやオート露光が普及し定着しましたがそれで写真のクオリティが下がったということはありません。
写真は記録と芸術で価値や見方が変わるので適切な手法を用いればいいでしょう。
昔文章や手紙を書く人は限られていましたが
PC やスマホによって誰もが書くようになりました。
写真家だけが持っていた技術が民主化して誰にでも使えるようになるということなので
写真家はより高位の別の技術を磨く必要があるでしょう。
考えようによっては若者達が旧型コンデジやフィルムカメラが
ブームになっているように表現の自由を謳歌するためにAi技術も
面白いかも知れません。
実際の所はAiによる画像が色々と出回ってはいますが表現の
多様性には欠けますね。
自由に表現できるように見えてそうでもないと言った所です。
要は願望が似た方向に向く傾向があるので仕方の無いところです。
創造性を磨くにはどう判断するか難しい所です。
AI使うのはいいのですが、最後の仕上げが似たような感じになる気がします。
不機嫌な顔だって写真としてはおもしろいのに、AIで強制的に笑顔に変えたり、横向いている顔を正面向きに補正したり・・・
ポジティブな側面ばかり評価され、ネガティブな側面はみんな避けたがる。
コンプライアンス優先の世の中と似ていて、多様性のない似たような結果になり、創造性が失われていく気がしています。
そんな時代の中で、写真で何を表現するのか、AIも活用して何が表現できるか、なのかもしれませんね。
AIに文句言うのはiPhoneやApple社に対して言う筋の話であり、使い方がナンセンス妥当抗議してやれよ使い方が間違ってると
写真を冒涜する様な使い方はカメラメーカーはしてないと抗議してやれよ
こんなきれいな所があった、という写真を見て実際に行ってみたら、例えば電線他いっぱいあって現実はこんなものか、、、というのは避けたいというのはありますが。程度の差はあれ、そういう写真は昔からあったと言えばそうですが。構図を工夫をしてそういう邪魔なもの避けた、ではなく消せるんですよね。。。