電源をオフにしたときにシャッターを閉じる設定
先日、電源をオフしたときにシャッターを閉じることに関する記事を掲載しました。それが以下の記事です。
いろいろ調べてみたり、いただいたコメントをみると賛否両論あることが非常に興味深く思えました。そのため、電源をオフしたときにシャッターを閉じる機能について調べてみました。
まずは採用メーカです。いまのところ、確認できているのは、キヤノンとソニーです。
キヤノンのEOS R7には「電源オフ時のシャッター状態」として、電源をOFFしたときに、シャッターを閉じるかどうかを選択することができます。キヤノンの場合は、デフォルトでこの設定が「閉じる」になっていて電源をオフにしたときにシャッターを閉じる設定になっています。
また、EOS R7のマニュアルには「レンズ交換時、センサーへのゴミの付着を防止するため通常は閉じるに設定します」という記述があります。従って、キヤノンとしてはゴミ付着の防止のため、電源をOFFにしたときにはシャッターを閉じることに積極的であることがうかがえます。
次はソニーです。ソニーのα7R Vではアンチダスト機能の一部に、「電源OFF時のシャッター」という項目があり、そこで電源をOFFしたときにシャッターを閉じるかどうかを選択することが可能です。α7R Vでは、デフォルトでこの設定は「切」、つまりシャッターを閉じない設定になっています。
そして、α7R Vのマニュアルには「また、ゴミやほこりがイメージセンサーに付着しにくくなるように、カメラの電源を切ったときにシャッターを閉じるかどうかを設定できます」という記述があり、ソニーも電源をOFFしたときにシャッターを閉じる設定があることは、センサーへのほこりの付着を防止する目的で用意されていることが示唆されています。
ニコンではNikon Z 6/Z 7シリーズにはどうやら電源をオフしたときにシャッターを降ろすという項目はないようで、これは富士フイルムのX-T5、オリンパスのOM-1でも見つけることができなかったため、恐らくこの3メーカでは電源をオフしたときに、シャッターを閉じるという設定はできないようになっているようです(Z 8、Z 9にはセンサーシールドがありますが、メカシャッターではないため、ここでは触れません)。
このように電源をオフしたときにシャッターを閉じるかどうか設定できるメーカや機種は結構様々で、デフォルトで有効になっているかどうかということも各社で違うようです。
しかし、キヤノン、ソニーの場合はいずれにせよ設定を無効にすることができるので、個人の考え方によって設定を変更することが可能です。なので機能としては、あってもいい機能ではあるのかなと思います。
賛否両論ある電源オフ時のシャッターを閉じる機能
この電源をオフにしたときにシャッターを閉じる機能は結構、人によって意見がわかれる機能のようです。
まず反対意見として多いのは、シャッターを閉じるのはいいが、結果的にシャッター幕にホコリやゴミが付着し、そして可動するのでシャッターが壊れるのでは?という意見です。シャッターはとても精密な部分ですので、特に大きなゴミなどが付着してしまったときには問題になりそうです。細かなホコリでもメカシャッターは非常にデリケートな部品ですので気にはなりますよね。
また、基本、レンズを交換するときはカメラを下向きにするわけですが、絞りがないレンズやサードパーティー製のマウントアダプター利用時などで、カメラを上向きにしてレンズ交換したときに太陽がシャッター幕に合焦してしまい焦げたり燃えてしまうのでは?という意見もありました。ただ、逆にセンサーが燃えるよりシャッター幕が燃えたほうがマシという、センサー焼けの防止にもなるという意見もあったりします。まあこのあたりは、特殊なレンズで撮影する場合には、とにかくカメラは太陽に向けない=下を向けてレンズを交換するということを徹底しなければならないのだなと思います。
一方で、イメージセンサーはかなりホコリがつきやすいような気がするということで、電源をオフにしたときにシャッターを閉じることができないカメラで、シャッターを閉じてレンズ交換をしたいという人も一定数いるようです。ニコンの場合、Z 6、Z 7シリーズでは電源をオフしたときにシャッター幕を閉じることはできないようですが、特殊な方法で実現をしている人がいるようです。
それは、シャッター幕が閉じている時に、バッテリーを外して、それからレンズを交換するという手法です。電源がないので、シャッターが閉じたままになるというのを利用しているのでしょうね。しかし、メーカー推奨の方法ではないので、とてもおすすめできる方法ではありません。
というわけで、結構、様々な考え方があるのだなと思いました。本来なら、シャッターとは別に、センサーを覆うシールドみたいなものが別途あれば、本当はそれがベストなのでしょうね。ただ、メカシャッターとともにセンサーシールドのようなものを設置するのは難しいのかもしれません。
(本記事は筆者が無知であるために間違った記述がある可能性があります。もし間違いがありましたらご指摘いただけるとありがたく思います)
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コメント
コメント一覧 (8件)
キヤノンは将来、メカシャッターがない電子シャッター機を出すときのことも考えてシャッターシールドの特許もとったりしてます。
OMDSはセンサーダスト除去機能が強力なので、必要性は感じてない可能性もあります。
また、昨今は、センサー前のフィルター部のフッ素コーティング技術によりセンサーにホコリがつきにくくなってますので、APS-C機以下のカメラメーカーはあまり神経質になってない気がします。
メカシャッターの耐久性問題もあり、各メーカーの哲学も関係してくると思います。
あまり、神経質なユーザーはレンズ交換時にブロワーでシュシュしてからレンズ交換することもありますし…。
個人的には電源off時に気づかずに光源にカメラを向けてしまいセンサーを焦がすのは嫌なので、センサーシールドやメカシャッターが閉じる設計に賛成ではあります。
シャッター幕は電源オフ時にホコリ、汚れ防止のために下りてくれた方が良い。←これは認識として間違っていますね。結局はセンサーを盾にしているかシャッター幕を盾にしているかの違いで、本質的に本体を犠牲にして守っていますから。
どういった機構かどうかは置いといて、センサーシールドなる物があればそれが、本来のホコリ、汚れ防止になるものだと思います。
シャッターが破損するくらいなら、センサー汚れてくれた方がマシという意見もありましたが、センサー部分をクリーニングするとなると、結局はメーカー送りになって料金は大した事ないにしても、その間は入院になりますから、センサーにホコリが付くたびにそんなことをしていたら機会損失が半端ないです。あまり現実的ではないでしょう。
話題はそれますが、SNSでレンズを落として保護フィルターを割ったという人がいて、フィルターを付けていると、割れた破片が前玉に刺さって危険だからつけない方が良いと言ってる人がいて驚きました。まあ理屈は分からなくもないですが、保護フィルターの認識そのものが人々によって違うのだと感じさせられました。
自分でセンサー部を手入れするという意見が出てきてますが、センサーはデリケートな部品ですし、万が一損傷しても自身で行ったものは保証・修理対象外になるリスクがあります。
やるやらないは個人の自由ですが、他人や表立って勧めるようにはとても言えません。
“シャッター幕は電源オフ時にホコリ、汚れ防止のために下りてくれた方が良い。←これは認識として間違っていますね。結局はセンサーを盾にしているかシャッター幕を盾にしているかの違いで、本質的に本体を犠牲にして守っていますから”
その人にとって比較してどっちがいいのかって話であって認識が間違ってるわけではないでしょう。
キヤノンはセンサークリーニング機能が超音波式で比較的優秀なので、搭載の無いR50にこそ本機能がと思うのですが……差別化か、それとも危険性を理解できるだろうハイアマ以上向けの機能と位置付けているのか。
全機種にローパスフィルターが付いている分、機能が無くても他社より修理費が安く済む気もしますが、搭載機ではデフォルト有効なのは興味深いですね。
OMDSはSSWFが大変優秀なので不要と考えていそうで、フジも超音波式ですね。パナもSSWF時代は無くても良かったでしょうが、センサーシフト式の今はどうでしょうか。
あとはニコンが今後メカシャッター有り機種でどうするか……シャッターシールドを見せた以上メカシャッター有り機でも求める声は大きくなりそうなので搭載しつつ、Z9やZ8と同様にデフォルト無効が穏当でしょうか。
私は経験がありませんが日食観測で作業を誤るとシャッターやセンサーの
焼損事故を起こします。
(撮影の準備中であったり、誤って太陽に向けたまま減光フィルターを外す等)
また一般の撮影でもレンズキャップをせずに置いたままにし焼損事故を
起こした例もあります。
様々な自体を勘案すれば何某かのプロテクターはあったほうがいいでしょうね。
これはもうどうあるべきかではなくて、人それぞれがどう使い、どう思うかですね。
私は外ではレンズ交換せず、使用後には家で必ずレンズを外し防湿庫に収納します。その際、ブロアで吹き飛ばします。
そのせいか、三年間酷使しているZ7IIには一度も空にゴミが写ったことはありません。
シャッター幕にもしゴミが付着していたらブロアで吹いて良いのか迷います。もし油性のものなら多分ずっと付いたままかもしれません。
私はセンサーは自分で清掃します。キタムラの即時清掃も3,000円位ですが、滅多にゴミは付かないので清掃キットを買うよりキタムラに頼むのもあまり変わらないかもしれません。
私は毎日レンズ交換をしますが、それでもゴミが写り込むのは年に1回もないです。
ニコンのサービスプラザのベテランの方が言われるには、あくまでその方の個人的な意見として、Z8のシャッターブレードも電源オフの度に作動させると機構から出る微量のカスや油分がセンサーに付着するため、レンズ交換時のみ下ろすようにするのが良いとのことでした。
私は絞って撮ることがほぼないのでセンサーの塵埃が気になったことは一度もないですね。
塵埃が写って困ったこともないです。
レンズ交換するときは必ずボディマウント面を下に向け2秒以内にはレンズ交換するようにしています。
ブロワーは逆に塵埃をマウント内に入れてしまうことがあるので使わないですね。
メカシャッターが壊れるほうが恐いのでシャッターを閉じる機能は使ったことがないです。
今は過渡期で10年もしたらほぼ全ての機種がメカシャッターレスになりZ 9 / Z 8のようにセンサーシールド搭載になればいいですね。