APS-Cミラーレスで超広角、広角レンズが求められる理由
最近は特に、APS-Cミラーレスで超広角、広角レンズの需要が高いようです。なぜAPS-Cで超広角、広角レンズの需要が高くなっているのでしょうか?ちょっと考えてみました。
クロップファクターが働く
APS-Cセンサーは、フルサイズセンサーと比較してサイズが小さいので、クロップファクターという要素が働きます。仮にAPS-Cとフルサイズで同じ焦点距離のレンズを利用した場合、APS-Cはフルサイズセンサーの一部を抜き出して拡大するような形になりますので、フルサイズより大きく撮影されてしまいます。
一般的なAPS-Cセンサーの場合、フルサイズよりレンズの焦点距離が見かけ上、1.5倍ほど長くなります。例えば、フルサイズで10mmという焦点距離のレンズをAPS-Cで利用すると、フルサイズで15mmという焦点距離のレンズと同じ画角になってしまいます。
仮にAPS-Cとフルサイズでマウントが同じで、フルサイズ用のレンズをAPS-Cで流用できたと仮定しましょう。しかしフルサイズ用のレンズは焦点距離に1.5倍を掛けたものが事実上の焦点距離になります。そして、フルサイズ用の超広角レンズは非常に価格が高価になってしまいますし、設計が難しくなります。
一方、標準~中望遠より長い焦点距離の場合は、フルサイズ用のレンズを利用すれば流用することが可能です。例えば、フルサイズ用の35mmはAPS-Cで52.5mmレンズとして利用できます。50mmはAPS-Cで75mmレンズとして利用できます。なので、標準~超望遠あたりはフルサイズ用のレンズで流用することが可能ですが、広角ではそうはいきません。
そこでAPS-Cではフルサイズ用レンズを流用できる標準、中望遠レンズよりも、専用の超広角、広角レンズが欲しくなってくるわけです。
Vlogの撮影 その1 画角
最近は自撮りなどのVlogが当たり前になっています。多くの人が自撮り棒を利用してミラーレスカメラで撮影をしています。このとき、手でカメラを持っている以上、顔からカメラまでの距離は限定されます。もし35mmや50mmというレンズですと、顔が近すぎてしまってVlogの撮影には向きません。
自撮りのVlogの場合は、一般的に自分と背景を同時に撮影したいものです。場合によっては、複数人を背景とともにカメラで撮影したいという場面もでてきます。そうなると広角、標準レンズでは焦点距離が長すぎて、だいたい換算で18mmから20mmぐらいの焦点距離がほしくなると言われています。
自撮りの動画撮影が一般化されたいまだから超広角、広角レンズが求められているわけですね。
Vlogの撮影 その2 手ぶれ補正
前述の通り、自撮りで撮影する場合、どうしても気になるのが手ぶれです。ボディ内手ぶれ補正やレンズ内手ぶれ補正もありますが、それでも歩きながら自撮りするとなると手ぶれを完全にゼロにすることは不可能です。
このとき広角であれば望遠レンズほど手ぶれを目立たせずに撮影することが可能です。画角の問題もありますが、手ぶれを無くすために広角側のレンズが利用されているという側面もあります。
Vlogの撮影 その3 クロップ
静止画でも同じですが、動画では特に広角側で撮影しておき、注目したいところを拡大して撮影することも可能になります。特にVlogですと歩き回りながら手持ちで撮影するので、画角内に撮影したいものが入りきらなかったり、ハプニング的に何かしらが写り込んだりすることがあります。
従ってできるだけ広角レンズで撮影したほうが、あとからクロップして動画にすることが可能なので便利という側面があります。
またカメラによってはアクティブ手ぶれ補正など、中央部分をクロップして撮影し、手ぶれ補正を行っている機種もありますので、そのぶん画角が広いレンズを利用したほうがいい場合もでてきます。
このように最近では特にVlogが一般的になりつつあるため、超広角、広角レンズが求められている側面があります。動画用ということであれば、フォーカスリングを回したときに画角が変わらないフォーカスブリージングのないレンズならなおいいと思いますね。あと、目的によっては設定した速度でリニアにズームできるパワーズームがあるとさらに便利になると思いますね。
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