ニコンがオーストリア企業と共同開発契約を締結
オーストリアのbionic surface technologies GmbHと戦略的共同開発契約を締結
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区、以下「ニコン」)は、オーストリアのバイオニック・サーフェス・テクノロジーズ社 (CEO:Andreas Flanschger、以下「BST社」)と、リブレット加工技術における戦略的共同開発契約を締結しました。
また、ニコンは、リブレット加工の受託サービスの提供を行います。BST社は、計算流体力学(CFD)※を用いた最先端のソリューション提供を行う企業です。高度なCFDを駆使する独自のシミュレーション技術に基づき、対象の構造物に最適なリブレット形状の提案と性能予測を行っています。今回、BST社のシミュレーション技術とニコン独自の光加工技術を組み合わせることで、さまざまな分野において、リブレット加工によるソリューション提供が可能になります。
ニコンは、BST社のもつ先進的なCFDおよびリブレット加工の知見と、ニコンが半導体露光装置で培った高精度な計測技術や微細加工技術を組み合わせ、ユニークで高効率なリブレット構造の開発などを進め、積極的に材料加工事業を推進していきます。
また、リブレット加工により、燃費改善やCO2削減を可能にすることで、持続可能な社会の実現に事業を通じ貢献していきます。
相次ぐニコンの海外企業との提携
先日も同じような記事を書いたことがあるのですが、今回はニコンがオーストリアの企業と共同開発契約を結んだという記事です。前回の似たような記事というのは、以下のような記事になります。
これだけ続くと、もう何か手当たり次第に手を出しているという印象ですが、それだけ既存の事業の危機感があって、新しい事業の柱を見出したいということなのでしょうね。危機感があるというのは悪くないと思います。ただ、海外企業に関する投資や契約は難しく、本当に将来性のある今が買い時の会社というのは、とっくに他の会社が手を付けているはずで、そんなに簡単に発見することはできません。なので、騙されたり、投資しても結果的に利益を得られないということも多いのですが、ニコンが提携したり出資したり契約する企業が、今後どうなるのか少し心配ではありますね。
今回の企業は対象物に、微細な模様を加工することで、水や空気などの流体との抵抗を削減するような事業を行っているようです。例えばタービンにそのような加工をすることで、抵抗を数%も減らすことができ、結果的に効率を高めることができるとしています。
このようなことは日本の他の企業でも活用されていて、例えば新幹線のパンタグラフに、フクロウの羽根をヒントにした構造を取り入れて、騒音削減に貢献したということがあります。今回はそのような技術のさらなる応用版ということで、確かに将来性は高そうにも思えますよね。
今回のニコンの関わりとしては、半導体露光装置の技術による高精度な計測技術や加工技術を活用することで、さらなる高効率な加工が可能になるということのようです。これまでの技術を応用して新しい分野に活躍していくというのは、これまでの投資先や提携先と同じような流れですね。
今回の契約が成功するかどうかは、将来の話になると思いますが、ぜひとも成功することに期待したいですね。
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コメント
コメント一覧 (1件)
カメラ ステッパーから多角化する事は経営的に良い事と思いますが、
確かに最近の海外企業への投資はなりふり構わず感があります。
積層型1インチセンサーを開発したのだから、m&aでも良いのでセンサー製造にまで参入すればデジタルカメラと産業用カメラ双方で相乗効果が出ると思いますが