SNSで一番大事なのはプライバシーの保護ですから、シェアされる画像や動画に映りこむ人の顔を隠すのは、もはや常識です。ところが、デューク大学の研究者が、モザイク処理で隠された顔をほぼ完全に復元できる新しいツールを開発してしまいました。
究極の画像処理ツールがあるとすれば、そのひとつはディテールや鮮明さを失わず、「いかにも人工的」っぽい感じも出さずに、デジタル画像の解像度を高めることができるツールになるでしょう。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/ba7740f4f97e9cfeb1ba4b91d4e9391dcae3d386
モザイクを改善に復元
GIZMODEがモザイクの復元技術について報告しています。
記事によれば、アメリカの私大であるデューク大学がモザイクを復元する最新技術を開発したとしています。モザイクを元の画像に復元する場合には、以前ではまずは一つのピクセルを例えば4分割し、元の1ピクセルの周辺のピクセルの情報から、様々なアルゴリズムで計算して予測し、補強することで高解像度にしていくのだそうです。
ただ、その仕組みではかなり低解像度の画像を高解像度化しようとすると、低解像度ではより多くの情報が欠落しているため、のっぺりした画像になってしまうそうです。
ところが、デューク大学が開発した新たな方法はAIを利用した画期的なもののようです。新しい方法では、まったく新しい人の顔をAIがランダムに作りだし、それにモザイクをかけ、既存のモザイクと最も近い顔を探しだし、さらにちょっとずつ修正をして本物に近づけていくということをするのだそうです。
既存のモザイクをなんとか高解像度化するということではなく、まったく新しい顔を作ってモザイクをかけ、細かな修正し、似た顔を作り出すというアプローチが、既存の考え方とはまったく逆という感じのやり方ですね。
実際にどのぐらいのレベルでモザイクを復元できるのかについては、実際の復元画像が記事元にありますので、記事元リンクからご覧ください。
カメラへの応用は難しいか
もしこの技術をカメラに応用すれば、2000画素の画像でも4倍の8000画素の繊細な画像を得られる可能性があるかもしれません。また映像についてもHD画質をアップスケーリングするときに、この技術を利用して繊細な4k動画として表示することも可能になるかもしれません。
今回のやり方ではあらかじめ顔と分かっている画像にモザイクをかけたものを復元しているようです。顔と分かっていれば、モザイクの全体的な色や形などから人種を想定し、ランダムに顔を作ってモザイクをかけて比較していけばいいので、ある程度は楽に似たような顔を見つけることは簡単なのかもしれません。
ですが、撮影したカメラの被写体や、動画に写っているものは何が写っているのかはわからないわけですから、そこから何が写っているかを想像して架空のものを作り上げるのはかなり難しいだろうと思います。そう考えると、今回の技術をカメラに応用して高解像度化するのは無理なのではないのかな?と思います。
一方で、既存の高解像度化するアップコンバートのアルゴリズムの一部に同じようなアイデアを取り入れて、周辺の画素から想像して高解像度化する部分に同じような技術を適用するというのはアリかもしれませんね(たぶん似たような手法で現在も行われているのだと思います)。そうすると、カメラで撮影した画像や動画にも応用して高解像度化することも可能になるかもしれません。
スマホなどでは将来的に、このような技術を部分的に採用して、より高解像度な写真が撮れるようになるのでしょうか。そうなるとかなりおもしろい技術になりそうです。
[template id=”4241″]
コメント
コメント一覧 (1件)
皆様。隠すべきものは見ないようにしましょう。隠すには何らかの理由がありますので。