なぜニコンはMRMCを売却したのか
ニコンは、所有してからほぼ10年を経て、MRMCを投資会社Blandford Capitalに売却する。
ニコンは、2016年から所有していた英国のロボットカメラシステム企業Mark Roberts Motion Control MRMCを手放すことを確認し、すべての株式を英国の投資会社Blandford Capital LLPによって設立されたMRMC Bidco Limitedに譲渡する。この動きは、ニコンが事業ポートフォリオを再構築する中で行われ、MRMCが創業60周年を迎えるタイミングで発表された。
この発表は、モーションコントロール分野で最も認知された名前の一つにとって、重要な構造的転換を示している。英国サリー州に本社を置くMRMCは、ハイエンド映画、放送、ライブスポーツ、バーチャルプロダクションで使用されるロボットカメラシステムを設計、製造、レンタルしている。同社の製品ラインナップには、象徴的なドーリージブシステム、高速ロボットアーム、そして最近導入されたCinebotシリーズが含まれており、これらについてはCineDで広く取り上げてきた。
ニコンは2016年10月にMRMCの株式100パーセントを取得し、MRMCの精密ロボティクス技術とニコンのイメージング技術およびグローバル販売インフラを組み合わせる意図を持っていた。ほぼ10年間、両社は並行して運営され、MRMCは一定の独立性を保ちながらニコングループの一部として存在していた。
売却の理由は、ニコンの公式発表では簡潔である。同社は「事業ポートフォリオを再検討した」と述べ、譲渡が「最も適切な行動である」と判断したという。財務条件は開示されておらず、完了日も指定されていない。
タイミングは注目に値する。2024年、ニコンはアメリカのシネマカメラメーカーREDの買収を完了し、デジタルシネマ市場でより積極的な立ち位置を取った。REDがポートフォリオに統合されたことで、ロボットカメラシステム企業を所有することは、かつてほど戦略的に中心的ではなくなった可能性がある。MRMC買収の当初のシナジーは、モーションコントロールソリューションとニコンのミラーレス静止画カメラを組み合わせることにあったが、その融合は生産レベルでは完全には実現しなかった。MRMCのシステムは常に、ニコンのコアであるミラーレス事業よりも、シネマ、放送、ハイエンド商業制作ワークフローに密接に結びついていた。
REDの買収でメリットが低下!?
ニコンが映像機器のロボット制御機器を開発、販売するMRMCをファンドになぜ売却したのかという記事をCineDが公開しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
よく車の製造工場などでロボットアームが車を製造しているような動画がありますが、同じようにロボットアームなどを利用してカメラを移動させ撮影する事業を展開しているのがMRMCです。ニコンは2016年にMRMCを買収していました。
おそらく今後は動画の時代ということで、ニコンのカメラをロボットアームに搭載し、撮影するような提案をすることでシナジー効果を狙ったものとみられています。
しかし今月になりニコンがMRMCを海外のファンドに売却したことが明らかになりました。この記事では、ニコンがREDを買収したことで相対的にMRMCを所有しているメリットが低下したからではないかと考えていることがうかがえます。
近年になってドラマの背景をCGで描写したりなど背景と人物の合成技術が向上したことで、一貫性のあるカメラワークが実現可能になるロボット技術によるカメラの操作や移動の必要性が高まっている中で、ニコンがMRMCを売却する意味がわからないという意見も少なからずあるようです。
一方で記事にもあるように、ニコンのミラーレスカメラとともに利用されることが実際には少なく、シナジー効果が得られなかったのではとみる向きもありますが、なぜ売却されたのかは現時点では不明です。
また海外のSNSなどでは、ニコンが大幅な赤字に陥ったことを指摘し、その穴埋めのために売却をせざるを得なかったのではとの意見もあります。
個人的にはMRMCはまだ成長する企業だと思うので、売却は少し意外でした。
ニコンの新製品が認証を受けたことについて「ニコン 新製品認証登録 近日中の登場確定か どのカメラか紐解く」で詳しくお伝えします。



コメント
コメント一覧 (1件)
ニコンがもうそこまでは手を出せないということなのでしょうね。