Nikon ZRに関するニコンへのインタビュー
要約
価格が2400ユーロ未満と非常に攻めた価格になっているが?
私たちは多くの人に映画業界の標準に則ったワークフロー、特にRAW動画での撮影や柔軟で創造的なポストプロダクション体験をして欲しいと考えている。この方向性はNikon Z5IIやNikon Z6IIIといったハイブリッド機でも示していて、手頃な価格でRAW動画を提供してきた。
そこで今回のNikon ZRでは、既存のRAWコーデックに加えて、新しいRAWコーデック「R3D NE」を採用した。これによりREDのカラーマネジメントを取り入れ、映画制作の最高レベルの体験まで広げることができる。
これを実現可能としているのが、EXPEED 7による優れた画像処理技術だ。効率的に高性能なシネマカメラを開発することができた。
Nikon ZRはZ6IIIと同じ部分積層型センサーを採用しつつ、REDのカラーサイエンスを強調し、さらにLog3G10で15ストップを超えるダイナミックレンジを持っている。このアプローチの利点を教えて欲しい。
REDとの協業を始める前から、ニコンにはすでに必要な技術があった。センサー、画像処理によるカラーサイエンス、RAW動画記録だ。これらを最大限に活用し、Nikon ZRにREDのカラーサイエンスを統合した。
具体的にはRED Wide GamutやLog3G10に対応し、R3D NEフォーマットでの記録が可能だ。さらにセンサーのダイナミックレンジを最適化し、REDのカラーサイエンスと基本ISOを組み合わせることで、REDシネマカメラの特徴でもある15ストップ以上の広いダイナミックレンジを実現した。
Nikon ZRはREDCODERAWに対応しているが、N-RAWやProRes RAWと比較した場合の有利点は何か?
Nikon ZRはREDのR3DフォーマットをベースとしたR3D NEを搭載している。これは映画業界で広く採用されているRED Wide GamutやLog3G10を利用でき、REDのカメラと同じカラーサイエンスを継承している。
つまりユーザーは映画制作の現場と同じワークフローを利用でき、プロの環境における互換性や柔軟性が確保される。
ハイブリッド機として初めてXLRモジュールなしで32ビットフロート録音に対応した。どうやって小型なボディで実現できたのか?
必要なダイナミックレンジを確保するには32ビットフロートのワークフローが必須だった。そのため、このモデル専用にシステム設計と配線を改良し、搭載を実現した。
さらにNikon ZRにはスマホだけに搭載されていたノキアのOZO Audio技術も採用されている。この機能が想定している活用方法を教えて欲しい。
OZO Audioは主に一人の撮影者や小規模チームを想定している。そのため映画やドラマ制作でも利用可能だ。もちろん大型の外部マイクも利用できるが、OZO Audioを使うことができれば、内蔵マイクでも高品質な音声を収録できる。特にライブイベントなどカメラのマイクが使われる状況で有効だ。
優れたEXPEED 7
ニコンへのインタビュー記事をPhotorendが公開しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、ZRは2400ユーロ未満という価格設定ながら、REDのカラーサイエンスを取り入れたシネマワークフローを可能にした意欲的なモデルです。従来は高額な機材に限られていた本格的なRAW動画撮影やポストプロダクション環境を、より幅広いクリエイター層に開放することを目指しているといいます。
その実現を支えているのが、ニコン独自の画像処理エンジン EXPEED 7であることが、このインタビュー記事からわかりました。これにより、効率的かつ高性能な画像処理が可能となり、REDのカラーマネジメントを組み込んだ「R3D NE」コーデックや、Log3G10で15ストップを超えるダイナミックレンジを実現することができたとしています。記事では、ニコンがいかにして小型かつ低価格なボディにハイエンド機並みの機能を盛り込めたのか、その背景にEXPEED 7の存在があることが示唆されています。
記事全体を通じて、ニコンがZRを通じて「プロの映画制作の現場で使われる機能を、より多くのユーザーに開放する」という明確な方向性を打ち出していることが伝わってきます。価格を抑えつつも妥協のない仕様を実現できたのは、まさにEXPEED 7の存在あってこそといえるのかもしれませんね。
Nikon ZRの最新情報!
ニコン関連情報
Nikon ZRとNikon Z6IIIの仕様の違い
Nikon ZR | Nikon Z6III | |
センサー | フルサイズCMOSセンサー | ← |
センサータイプ | 部分積層型 | ← |
有効画素 | 2450万画素 | ← |
手ぶれ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 | ← |
記録画素数(最大) | 6048×4032ピクセル(サイズL:24.4M) | ← |
RAW | RAW14ビット(ロスレス圧縮、高効率★、高効率) | ← |
記録媒体 | CFexpress(Type B)、XQD、microSD | CFexpress(Type B)、XQD、SD |
EVF | - | 0.5インチ546万ドット |
シャッター | 電子シャッター | メカ、電子先幕、電子 |
電子シャッター速度 | 1/16000~30秒 | ← |
フラッシュ同調 | 1/60秒以下の低速シャッタースピードで同調 | 1/200秒以下 |
電子シャッター連続撮影速度 | ・低速連続撮影:約1~7コマ/秒 ・高速連続撮影:約16コマ/秒 ・高速連続撮影(拡張):約20コマ/秒 | ← |
測光範囲 | -4~17EV | ← |
ISO感度 | ISO 100~64000 | ← |
AF検出範囲 | -10~19EV | ← |
フォーカスポイント | 273点(シングルポイントAF時) 299点(オートエリアAF時) | ← |
動画ファイル形式 | NEV、R3D、MOV、MP4 | NEV、MOV、MP4 |
R3D NE | 対応 | - |
REDWideGamutRGB | 対応 | - |
Log3G10 | 対応 | - |
シネマティック動画モード | 対応 | - |
パッシブサーマル設計 | 対応 | - |
音声記録方式 | リニアPCM(48kHz 24bit/32bit float) | リニアPCM(48kHz 24bit) |
RECランプ | 対応 | - |
液晶 | バリアングル式4.0型TFT 307万ドット | バリアングル式8cm/3.2型 210万ドット |
シュー | デジタルアクセサリシュー | アクセサリシュー |
バッテリー | EN-EL15c | ← |
撮影可能コマ数(最大) | 約370コマ | 約410コマ |
寸法(幅×高さ×奥行き) | 約134×80.5×49mm | 約138.5×101.5×74mm |
質量(本体のみ) | 約540g | 約670g |
直販価格 | 29万9200円 | 39万6000円 |
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