製造業だけでなくコンテンツビジネスなどを模索
ニコンはデジタルカメラや半導体露光装置以外の事業を模索しており、コンテンツやソリューションビジネスを展開しようとしているようです。
そのため既存の製造業というビジネスの保守的な考え方から、新しいビジネスを生み出すというチャレンジする姿勢を育てることを重要視しているようです。
やり方にはいくつかありまして。僕がCFOを務めているニコンの例で言いますと、デジタルカメラや半導体露光装置の会社ですから、モノを製造する、というハードウエアのビジネスが主軸なんですが、コンテンツやソリューションビジネスに展開しようとしています。
映像ビジネスで言えば、デジタルカメラを作るだけでなく、それで撮った高精細な静止画や動画を組み合わせたり画像の内容を分析したりすることで、新しい価値を生んだり、社会課題を解決したりしようという取り組みですね。
たとえば、巨大な液晶パネルに背景画像を映して人がその前で演技したり演奏したりするバーチャルプロダクションや360度の3Dボリュメトリック動画が撮れる撮影スタジオを作り、ミュージックビデオや映画、CM撮影者に提供するサービスを始めました。
そのために新会社、ニコン・クリエイツという会社を作ったのですが、僕は親会社のCFOとして、「いくらまでなら損してもいいよ」とストップロスを決めて、そこまでは自由に経営させています。
ニコンCFOがニコンのビジネスについて、コンテンツやソリューションビジネスに力を入れているとDIAMOND onlineの記事で述べています。上記は一部を引用したものですので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、ニコンはデジカメや半導体露光装置といったハードウェアのメーカですが、それにとらわれず、カメラによって撮影することができる静止画や動画を組み合わせたり、画像を解析することで新しい価値を生むようなビジネスを展開しようとしているとしています。
これは会社のチャレンジ精神の育成、新たなビジネスを模索する目的の一環として行われており、そのために、新しい会社を作ったり、その会社には親会社としてのニコンはあまり関与せず、損失が一定の範囲であれば自由に経営してもいいという、かなり高い自由を認めているようです。それにより、既成概念や会社からの圧力を意識することなく、自由で小回りが効く環境で新しい価値を生み出して欲しいという意思がニコンにあることがうかがえますね。
ニコンはこれまでカメラと半導体露光装置の二枚看板という状況でした。そして半導体露光装置のシェアは低下し、いまはカメラ事業もシェア的には厳しい立場にあります。そのため、新しい領域をみつけて新たに進出し稼ぎ頭にしたいというところだと思いますね。
さらにニコンはNikon Z 9やNikon Z 8でカメラ関連技術でも盛り返しつつあり、高付加価値商品に特化したことで利益的にも改善しつつあります。
もし、このような映像関連ビジネスが成功すれば経営の安定性が向上するので、安心できるのではないかなと思いますね。成功すればいいと思いますが、実際にはどうなるでしょうか?今後に期待です。
さらにNikon Z 9は低照度時のAFに最も強いカメラというレビューについて「Nikon Z 9は今や最も低照度に強いカメラ 被写体認識はα1に匹敵」にて詳しくお伝え。
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(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/68b22a986457477b715c3da1ed71e1bacd339768
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コメント
コメント一覧 (5件)
例として挙げられているニコンクリエイツについては、確かに「ニコンもこの分野に手を出すのか」と設立当時驚いた記憶があります。
このことを知らなかったら、どんな会社がやってそうかと言われてS・C・Pは思いついてもニコンは思いつかなかったでしょう。
昨日今日とイベントが行われていたNICO STOPもそうですが、若い世代・新しいニーズに向けた取り組みを行ってくれるのは嬉しい限りです。
記事を読んで自分はニコンが新たに立ち上げたAMD事業部のことを思い出しました。
ニコンがこれまで映像・精密の各事業で培ってきた技術を足掛かりに新規事業に力を入れており、事業体制の刷新を図ろうとしていることはNikon IR 2023からも見て取れます(第一四半期の決算では売上収益における戦略事業の割合が3割弱)。
ニコン廃業、なんて未来は見たくも無いので、是非是非頑張っていただきたいです。
映像事業はニコンにとって難しそうですね。
ソニーのエンターティメント部門、キヤノンの自由視点カメラ等の
映像事業と対抗するのは困難を伴いそうです。
特にキヤノンの自由視点映像は他の追従を許しません。
またキヤノンは3D映像撮影用のレンズも既に販売済みです。
ハードウェアではパナソニックも加わりますね。
上記3社と異なりプロ用映像機器を持っていないニコンは苦労しそうです。
産業用の分野を伸ばした方が良いように思えます。
ニコンの光学式ロータリーエンコーダ等、特注機器に組み込んだ事がありますが
良い製品でしたよ。
ニコンクリエイツ関連の話については、ソニーやキヤノンと違ってシネマ系のノウハウに乏しいニコンがよく進出したなというのが正直な感想ですが、そうでもしないと生き残れないということなんでしょうね。
新たに制作されたCM内容や「Nikon IR 2023」でもアピールしていますが、最近のニコンは戦略事業と位置付けている分野のR&DやM&Aを積極的に行っていますね。
とはいえ方方に手を伸ばして可能性を探っている、まだまだそんな状況だと思います。
出遅れ感があることは正直否めません。
それでもやらないよりやる、その姿勢は評価しますし、是非とも継続的に取り組んで頂きたいですね。
ツラツラと書いてしまいましたが、言いたいことは一つです。
映像事業部は存続してほしい(切実)。
ニコンって、フレキシブル基板向け製造装置、バイオ分野への進出、最近では森精機との材料加工など、映像機器と半導体露光装置以外でも、結構新規事業をやっているんですが、あまりものになっていない印象があります。
露光装置ではインテルが最大顧客だったので、何とかEUV露光でオランダASMLに喰らいついて欲しかったですね。EUVを止めてしまった時点で、露光装置(精機事業)の命運は潰えたのでしょう。
カメラは露光装置に比べれば踏ん張っていて、ニコンユーザーから現に動画ニーズがあり、取り組んでいるのだと理解しています。