キヤノンはなぜRFマウント用レンズの発売を認めないのか
なぜキヤノンがRFマウントレンズの発売をサードパーティメーカに認めないのか、疑問に感じている意見があるようです。
どのような意見なのでしょうか?
キヤノンのある決定により、私は苛立ち、そしてCanonNewsの仕事をやめた。それは、キヤノンがサードパーティレンズメーカのRFマウントの開発を積極的に阻止していることが、ついに明らかになったときだった。その後、正直いって、私はキヤノンとは何も関わりたくなかった。それは、グレイグが再び、皆さんのために記事を執筆するように説得してくれるまでのことだった。
この意見は前回の意見にほのめされ、簡単に議論されたものだが、キヤノンがマウントを「解放」するかもしれないという新たな噂が流れてきたので、再び、記事を書くことにした。
キヤノンがメーカに対して、何を追求していたのか、本当に不思議に思っている。なぜなら、彼らがやっていたことは基本的に以下の通りだからだ。
- オートフォーカスにEFのプロトコルを利用し、既存のEFレンズをエミュレートする。知らないかもしれないが、キヤノンのRFカメラはEFレンズの通信とRFレンズの通信を柔軟に切り替えることができる。
- 物理的なRFマウントを使用している
- レンズとカメラ本体の間の通信を提供し、レンズに取り付けられたRFマウント用の電子接点を利用する
最初の項目は、サードパーティメーカ各社が過去30年間、EFマウントで行っていたことだ。だから、キヤノンが彼らを追い詰めることはできないし、EFプロトコルでレンズを生産している新規参入企業を追い詰めることもできない。
二つ目の項目については、キヤノンが特許を取得している物理的なRFマウントの設計だが、彼らは明らかに物理的にマウントを利用している何千ものメーカを追い詰めていない。また、キヤノンがすべてにライセンスを供与しているかは疑わしい。電子接点のないマウント変換アダプターから、テレコンバーターまで、あらゆるメーカがRFマウントをコピーして製造している。また、マニュアルフォーカスレンズの存在は、物理的なRFマウントが第三者にコピーされていてもキヤノンはまったく気にしていないことを示している。だから、これも問題ではないようだ。
3つめの項目は、キヤノンもまたRFマウントを利用して、エクステンションの開発、販売を認めているので、RFカメラの本体とレンズやアダプタとの物理的な電子接点であっても、キヤノンがこれを問題としていないことは明らかだ。
それでは、キヤノンが何を問題視しているのか?なぜなら、サムヤンがEFレンズを作り、RFマウントアダプタを供給することと、何も変わらないからだ。私はこのことについて強調しなければならない。サードパーティメーカがEF用の通信規則を利用しているのであれば、EFレンズと何も変わらない。
(中略)
もう一つ、私が抱えているやっかいな問題は、どのレンズがキヤノンの公認で、そのレンズがそうではないのかということだ。我々は暗闇に放置され、どのサードパーティレンズが足下をすくわれるのかわからないのだろうか?そこにブランディングはあるのだろうか。これは多くの問題を引き起こす可能性がある。なぜなら、ライセンスされていないレンズは、キヤノンの弁護士しだいでいつでもキャンセルされる可能性があるからだ。
しかし、この点についてはいくつかの提言があった。だから、私はしぶしぶこの自分の主張を撤回したいと思う。以下にキヤノンがRFマウントでマウントを公開していない非常に理解できる理由があるかもしれないという話をいくつか提示しよう。
キヤノンがEFマウントへのサードパーティメーカをサポートするためにどれだけのコストがかかったのかはわからない。ファームウェアのアップデートでレンズが突然、動作しなくなったり、奇妙な動きを系ケインしたときに、キヤノンのサポートには多くの電話があったはずだ。
(中略)
キヤノンのRFカメラに対して将来、何かしらの変更があったとき、それでレンズが動作を停止したり、部分的にだけ正しく動作したりして、評価が下がる可能性がある。キヤノンのレンズでさえ、ボディ内手ぶれ補正がキヤノンのレンズや他のレンズと一緒に奇妙な動作をして、ファームウェアの更新が必要になったことを見てきた。ボディ内手ぶれ補正のような要素は非常に複雑だ。
(中略)
だから、私はこの問題について、雲に向かって叫ぶ愚かな人であるかもしれない。キヤノンがRFマウントでライセンスされていなサードパーティ製レンズを発売することに対して躊躇する理由は多くあるかもしれない。問題は、私たちはキヤノンが実際にはどのような理由でそうなっているかを聞いていないことだ。
(中略)
全体的にみて、この混乱全体はキヤノンが状況を無視して沈黙を守り、自分たちだけのために行動しているようなことに帰結する。キヤノンはこの件について効果的にコミュニケーションすることが、多くの怒りを回避することができるだろう。
EFマウントが、カメラとレンズの販売数において、カメラ史上、最も成功した理由の一つは、豊富なサードパーティーによるサポートを享受したことであり、私たちはみんな、RFマウントが同じ成功を収めることを望んでいる。
なぜRFマウントの使用は禁止されているのか
CanonRumorsがキヤノンのレンズ戦略に関しての意見を公開しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、上記ではちょっとわかりにくい部分があるので簡単にまとめてみたいと思います。内容的には、サードパーティレンズメーカがRFマウントでやろうとしていることはEFマウントの頃と同じなのに、なぜ禁止されるのかといった疑問を述べています。しかし、一定の配慮も見せていて、もし新しいカメラが発売されたり、新ファームが提供されて、所有しているサードパーティー製レンズが利用できなくなると、キヤノンのサポートに多くの連絡があったりして、キヤノンの負担になる可能性はあるとしています。
サードパーティレンズメーカがどのようなことをやっているのかといったことについては、少し詳しくみてみましょう。
まずリスト1に関してです。EOS Rシリーズはマウントアダプタを利用してEFレンズも使用することが可能です。このとき、マウントアダプタがEFレンズの信号をRFレンズ用に変換しているわけではなく、カメラがEFレンズの信号も扱うことができるようにしているそうです。そのため、EFマウントの通信の仕様を理解できていればRFマウント用のレンズも簡単に作れるということになります。これはEFレンズを作ることと同じことなので、なぜ問題視されるのかどうかわからないということのようですね。
そしてリスト2。もしマウント形状に関連する特許に抵触する可能性があると仮定するとします。しかし、キヤノンはマニュアルフォーカスレンズや、他社のレンズをEOS Rで使うためのマウントアダプタの販売は許容しているのだから、マウント形状に関連する特許を問題視しているのではないはずだと考えているわけです。
最後にリスト3。これも同様に電子接点のあるRFマウントへの変換アダプタの発売を許しているので、リスト2と同様に電子接点に関連する特許に関しても問題視しているのではないはずだとしています。
そう考えると、マウント形状がRFマウントで、RFマウントの電子接点を利用するEFレンズの信号を利用したレンズを発売することの何が問題なのかということをいいたいわけですね。
そして、最後に、何が問題視されてサードパーティーレンズの販売が認められていないのかわからないので、困るし、ユーザの怒りを買うことになっていると締めくくっています。
ただ、このあたり、何が正しくて何が違うのかよくわからないですし、キヤノンが何を問題視しているのかわからないので、確かになんとも言えないという感じではあると思いますね。
しかし、いよいよ年内にもキヤノンがRFマウントを解放するのではないかという噂もでてきています。
ニコンは他社のレンズの部品を買い付けて自社のブランドレンズとして販売したり、シグマ、タムロンなどのレンズ販売を認めてきているわけですが、キヤノンもいよいよそのような道へと進んでいくのでしょうか?
そして、RFレンズのラインナップは失敗しているのではないかという話について「RFレンズのラインナップは失敗?? 高価で重たいかピントが合わない」にて詳しくお伝え。
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コメント
コメント一覧 (5件)
ドイツキヤノンがVILTROXに販売差し止めを要求した根拠は特許権と意匠権でした。
https://photorumors.com/2022/09/05/canon-germany-on-third-party-viltrox-lenses-canon-believes-that-these-products-infringe-their-patent-and-design-rights-and-has-therefore-requested-the-company-to-stop-all-activities-that-infringe-c/
当該特許が明らかでないので想像ですが、「RFの電子接点による通信」自体が特許であれば、通信内容がEFだろうと告訴は可能かもしれません。(当該レンズがEF通信だという確証も無いですが)
またVILTROXのコントロールリング付きアダプターはRFプロトコルの特許(が出ていれば)侵害になるでしょう。ひょっとすると、そっち方面からまるっと差し止めた可能性も?
意匠権も挙げられているので、マウント自体も厳密にはアウトなんでしょう。接点を含んで意匠権取ってたら接点無しのは合法です。
アダプターは生み出す利益と法的対処のコストを天秤にかけて放置しているだけかもしれません。特許権も意匠権も日本では非親告罪なので、キヤノンの意思に関わらず刑事告訴される可能性はありそうですが。
EFマウントがシェアを獲得できたのはレンズが豊富 (サードも含め) だった側面は否めないと思うのですが、キヤノンがRFでも “シェア” を重視するのであればサードの存在は要であると思うのでサードに寛容になってほしいですね。
特許のことは置いておいて
よくサードの安いレンズが窓口になりボディが売れシェアが拡大するといいます。
確かにそれは一理ありますが、純正レンズが売れなければその分利益が出ないので結果純正レンズが高価な設定になってしまいます。
メーカーはボディでは利益が小さくレンズが売れないと儲かりません。
安いレンズだけ買う人のシェアが獲得できても利益に繋がりにくいのではメリット少ないです。
それと”この混乱”とか”我々”とかは何をことを言ってるんでしょうね?
この人以外誰も混乱なんてしてないし、この人の意見をまるで多数の人が主張してるように見せかけたいようですが、そんな人が言っても説得力無いですし。
カメラマウントの形状自体には特許権、意匠権はありません。
ただし付随する機能の一部は意匠権が存在するかも知れません。
ただし回避は出来るはずです。
上記の記事は簡単に言えば純正RFレンズの通信プロトコルを逆アッセンブルしたのが
バレたのでしょう。
これは特許権侵害です。
シグマ、タムロンが今までEF互換レンズを出していましたが今までと同じ手法でRFレンズを
販売するのであればキヤノンは販売差し止めはしません。
ただしRFレンズのプロトコルは互換品をつくるのがかなり困難なようです。
この手の記事は素人さんの想像から成り立っている部分が多いので注意が必要ですね。
申しわけありません。
一項目追加です。
中国メーカー等がEF互換レンズを作れたのは国産レンズメーカーのROMを
コピーしたからです。
国産レンズメーカーがRF互換レンズを発売したら韓国、中国のレンズメーカーが
RF互換レンズを発売すると思われます。