Nikon Z 9の圧縮RAW内部記録訴訟が事実上終了
ニコンとRED社の特許訴訟が終了したという記事が投稿されています。どのように終了したのでしょうか?
それでは記事をみてみましょう。
- 昨年5月、REDはZ 9のデータ圧縮技術がコピーされたものとニコンを提訴していた
- 翌年、ニコンはREDの特許の信憑性に異議を唱えた
- 今日、両者はルール41による棄却に合意し訴訟は事実上、終了した
- ルール41は曖昧だが、両者が何かに合意したことを意味している
- 何に合意したのかはわからないが、弁護士費用を考えると訴訟を続けるよりましだと判断したことは間違いない
- 合意書には「2度と訴えない」という言葉がほぼ含まれ、将来の訴訟に影響を与える
- ニコンがREDに特許料支払いに合意したと推測する人もいる
- ニコンが反論して支払いを避けようとしていたことを考えれば可能性は低そう
- もう一つの可能性として特許が通用しないと疑われた場合だ
- 訴訟を棄却することでREDは特許の価値を残すことができる
- ニコンが特許料を支払った可能性もあるが、REDが特許を弱める可能性を避けるために裁判を進めたくなかった可能性もある
- どのような理由であれ、ニコンはカメラに圧縮内部RAW記録を提供し続けられる
- これはニコンと映像制作者にとってメリットだ
ニコンがNikon Z 9に圧縮RAWのカメラ内部記録ができるよう新ファームを公開したときに、その圧縮手法がRED社の技術をコピーしたものだとして、RED社から訴えられていたことがありました。当サイトでも記事にしていますので、詳細は以下の記事からご覧ください。
N-RAW存続へ
というわけでニコンが特許使用料を支払うのか、またはクロスライセンス契約を結ぶのかなど一時期話題になっていました。また一部の人はニコンがNikon Z 9からN-RAWを取り除いて特許訴訟を回避するのではないか?と考えていました。
しかし、とりあえず両者が何かしらの合意に至ったようで、訴訟そのものが棄却されたそうです。ですのでひとまずNikon Z 9からN-RAWがなくなるといったことはなく、今後も使用することが出来るようです。
この合意で何が合意されたのかといったことは海外のサイトでは様々な予想があるようです。この記事ではニコンが特許料の支払いに合意した可能性もあるが、RED社が特許の価値を残すために訴訟を進めることを望まなかったのではないか?という意見もあるようです。
これは特許が無効だという結果が確定してしまうと、今後、この特許から利益を得られなくなる可能性がでてきてしまうからです。すでに契約している過去の特許使用料についても無効となる可能性もあるので、RED社が不利だと思ったので訴訟を諦めたのではという意見もあるとしています。
別のサイトではニコンはRED社とクロスライセンス契約を結んだのではないか?という予想もあるようです。これによりRED社は何かしらのニコンが保有する技術を自社で利用できることになり、ニコンの機能がRED社で採用される可能性もあると考えているようです。
いずれにせよ合意内容は明らかにしないという条項があることは間違いないので、絶対に表にでることはないだろうと思います。少なくともNikon Z 9にN-RAWは残りますし、今後のカメラでも利用されることだけは間違いないようですので、ユーザにとっては安心と言えるかもしれません。ただ、特許料を支払っているとしたら、カメラの価格はわずかかも知れませんが高くなるのかもしれません。
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コメント
コメント一覧 (2件)
REDが敗訴濃厚と判断して訴訟取り下げようとしたのなら、ニコンはむしろ訴訟を続けたがる(謂れの無い特許違反レッテルを貼られ訴訟費用まで支払わされるので)と思うので、ライセンス料の支払いかクロスライセンスに合意したんじゃないかと想像します。
常時オンライン機器ではないカメラで、発売後に特定機能を確実にロックするのは不可能ですから、もし特許違反なら何かしら支払って継続使用する以外にないと思いますし。
泥沼訴訟合戦や莫大な賠償金で大騒ぎ、なんてならなくてよかったですが、支払い分がZ9の値上げや、同じ機能を積んでいそうなZ8の価格という形で転嫁される可能性もありますね。
真相はわかりませんが、個人的な懸念点でもあったので一安心です。
RAW圧縮特許については他メーカーの事例含め色々ありましたから裁判が泥沼化することもなく、N-RAWが(取り敢えず)削除されずに済んだのは本当に良かった。
これでZ8でのN-RAW実装も確定でしょうし、ますます5月10日が楽しみです。