パナソニックカメラ事業 正念場と報道
「今までメーカー目線だったと反省している。いつの間にか、カメラ(の製造)だけにとらわれていた」。パナソニックの豊嶋明エンターテインメント&コミュニケーション事業部長は21年12月中旬、日経ビジネスなどの取材にこう語った。
(中略)
スタートは上々だったパナソニックが、なぜここまでシェアを落とすことになったのか。BCNの道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは「パナソニックが開発したマイクロフォーサーズという規格が、苦戦を招いた一因」とみる。
-日本経済新聞より
パナソニックのカメラ事業が正念場を迎えていると報道されています。記事には詳細な記述がありますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事では、パナソニックのカメラ事業は低迷しているとし、その理由にマイクロフォーサーズという独自企画の、小さなセンサーが一因であるとしています。そしてフルサイズミラーレスも展開しているが、フルサイズ市場は競争が激しくて簡単にシェアを得られる市場ではないとしています。
このため動画撮影用のカメラという市場に商機を見いだすことで、この状況を挽回しようとしているというのが主な筋書きです。
オリンパスに続きパナソニックも?
新型コロナウィルスの影響により、カメラ市場が大幅に縮小したことで、カメラ界隈ではドラスティックな変化が起こりました。例えばオリンパスがカメラ事業を売却したり、有名カメラ雑誌が休刊になったりなど、悲しい出来事が続いています。
ここ最近は3大カメラメーカ、キヤノン、ソニー、ニコン以外のカメラメーカ、カメラブランドはかなり厳しい状況にあるとみられていて、特にペンタックス(リコー)、パナソニックなどは非常の厳しいのではないかと思いますね。
ただ、パナソニックは放送用カメラを販売しているので、そう簡単にカメラ事業は手放さないのではという話もありますが、実際にはどうなるのかは不透明な状況です。
記事では、フォーサーズセンサーを採用したので画素数を増やすことができず、それにより商機を逃しているとしています。確かにセンサーの面積が小さいと、高解像度化するのは難しくなったり、高感度耐性が低くなったり、回折現象が発生したりするなどの問題が発生してしまいます。ですが、それほどやはり購入する人にとって解像度は重要なのでしょうか?確かにカメラを始めて購入する人にとっては、画素数が多いほうが美しい画像が撮影できそうと思ってしまうのかもしれません。ただ、確かにマーケティング上、画素数が多いほうが注目を集めるというのも、また事実とは思います。
逆に小さなセンサーを活かすことで小さな本体や、小さなレンズ、望遠域に強いなど特徴を出せることができればいいのではないかと思いますが、このあたりを訴求するのはかなり難しいことなのかもしれません。Qマウントも1マウントも結局は大成功とは言えない状況でした。
パナソニックは、これまでメーカ目線だったのでユーザ目線に切り替えることを目指しているようですが、今後、どのようなカメラが発売されるのでしょうかね。心配でもあり楽しみでもあります。
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コメント
コメント一覧 (3件)
m4/3の訴求力不足だけだとOMDSの高シェア(利益率はさておき)を説明できませんし、やはりパナ自身の問題が大きそうです。
DFDへの固執はそろそろ辞めた方が……同じように言われていたキヤノンの自社センサーが不屈の開発で地位を得たので一概に否定もできませんが、DFDは実性能以上に悪いイメージを持たれている気がします。
フルサイズはキヤノン、ニコンが相次いで競争力を得ている上、この2社は一眼レフからの移行&プロサポート体制が強固ですから、今からパナがシェアを伸ばせるかどうか。
アライアンス相手が高級路線で唯我独尊のライカとニッチさが売りのシグマなので、ボディのシェアは到底狙えませんし。
シグマのレンズがLマウント限定なら訴求力になりそうですが、それだとシグマの経営が成り立たないんでしょうね……
「強化する」だけ言っていた以前とは違い、反省しているので、(勝手言いますが)立て直しに邁進しているのだとは思います。でも、まだ具体性には乏しいような。。。ニコンはコンパクトカメラ&一眼レフに大ナタを振るったり、フジ他もコンパクトは縮小等明確な施策を行っているのに、どうもパナソニックだけは明確な継続的な施策がいまだないように思えます。
しかし新聞記事のBCN資料は、もう少し適切なものの方が良いような気がします。ミラーレスでのシェアよりもレンズ交換型でのデータでないとあまり意味がないような(他社が参入していない08年にパナソニックが95%のシェアと言われても。。)。価格帯の円グラフもキットレンズ付きをどのように分けているのか?? BCNは20年9月頃にフルサイズの比率が10%を超えたと言っていましたが、現段階ではどうかも知りたいし(勝手言いますが。。。しかし20%を超えていたら何か言いそうな気もするので、現段階でも全体の20%は超えていない?のかも?)。そして20年の20%越えOMDSのシェアは単に日本のものだけで、世界では8.0%だとの以前の日経記事にありましたが(21年はそれより下がっている可能性が高いと思っています)。パナソニックのLマウントカメラのシェアもどうなのでしょう?
BCNランキングを見ていると、12月はLUMIX G100が9位(11月は20位)で、ZV-E10の影響を受けてか価格が下がって、ランキングは最近上がっていますね。個人的には、ダブルズームキットを出して欲しいですが。。。
PanasonicのマイクロフォーサーズはGX1からG9まで全機種買って進化の過程を見てきましたが、ごく最近3年ぶりくらいに回帰しました。フルサイズ機等と併用ですが、4、5年前のカメラ、レンズでも完成されたものになっています。画素数こそ多くないですが、4Kモニター等で拡大せずに鑑賞する分には周辺四隅までシャープで申し分ありません。
Panasonicは元々日本市場は見てなくて欧米のユーザーの声を聞いてきたと思いますので、この記事が何を意味しているのかよくわかりません。S1/S1Rも日本ではあんな大きく重いカメラは売れないことが分かっていたのですが、3つの大きさの試作機を欧米人に持ってもらって一番大きいのに決定したとか、GM1は日本ではニーズがあったにも関わらず、欧米では小さくて売れないとか、EVFが無いと欧米では売れないとか、ことある度に欧米市場を意識したものでした。なので、メーカー目線というのもピンと来ません。
空間認識も進化して、一般の人が運動会を撮るくらいなら問題ないので性能的には十分なのですが、一般の人はもうカメラを買わなくなったので、趣味性の強いものを作っていくということなのでしょうか。