なぜカメラメーカはフラッグシップに固執するのか
◇ピラミッド頂点を鋭く
市場全体のごく一部でしかないプロ向けになぜ注力するのか。その意義について、キヤノンの戸倉氏は製品ラインアップをピラミッドになぞらえ、「(最上位機種に当たる)三角形の頂点が鋭いほどピラミッドは強固になる」と語る。ブランドや技術力に対するプロからの評価が、ひいては一般消費者からの支持にもつながるとの考えで、「プロ市場でのシェアを注視している」と話す。
-JIJI.COM
なぜカメラメーカがフラッグシップモデルに注力するのか、その回答が記述されている記事がありました。前回にも紹介した記事ですが、別記事として紹介したいと思います。
記事によれば、「三角形の頂点が鋭いほどピラミッド(製品ラインナップ)は強固になる」のだそうです。フラッグシップがしっかりした製品で優れていると、ブランドや技術力がプロから評価され、それが一般消費者の支持につながるという考えのようですね。
そう考えると、フラッグシップを作ることができないと、より強い製品ラインナップを揃えることがでぎず、結果的に一般消費者の支持につながらないということなのでしょうか。
そして「三角の頂点を鋭く」というのは、かなり感覚的な表現だと思うのですが、どのような意味なのでしょうね。より性能的に優れたフラッグシップモデルがあることを「鋭い」と表現しているのでしょうか。
技術やブランドのアイコンとしてのフラッグシップ
以前、トヨタがヨーロッパでの販売台数を増やしたいけどどうしたらいいのか?との考えに対して、ヨーロッパでは絶大な人気があるWRC(FIA 世界ラリー選手権)に参入して良い成績を得られれば売れるようになるという返事があったそうです。
実際に、WRCのレースで優勝したメーカの車種は、その翌週の売上げが伸びるという現象があるそうで、メーカにとってはレース活動は技術開発という観点とともに販売促進のイベントとしても有効なようです。もちろんレースに参加するぐらいですから、その車は、同カテゴリの車種でのフラッグシップモデルということになるわけで、フラッグシップモデルがレースで勝てる車だと、技術力や知名度、ブランド力のUPに貢献し、車が売れるということになるのだと思います。
カメラにはカメラメーカ同士が戦うような場所みたいな物は無いわけですが、それぞれ全力でフラッグシップモデルを作製し発売することで、そのメーカの技術力やブランド力を誇示できるという側面はあるのだと思いますね。
現在、フルサイズミラーレスではソニーを追いかけているキヤノンとニコンですが、ようやくフラッグシップモデルや準フラッグシップモデルを発売したことで、追撃態勢に入ったということなのかもしれません。
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コメント
コメント一覧 (3件)
そうは言ってもフラグシップ機の技術が下に来ないことにはいつまでも上を見て羨むだけになり、結局は実際買う価格帯で他社と比べることになりますからニコンは早くEXPEED 7世代のEOS R5/R6対抗の機種を出さないと厳しいと思います。
既にZ 9は1年待ちと噂されるくらいの数しか出せないわけで、フラグシップ機がどれだけ鋭い存在感を示せてても買えなければ意味ないわけです。
絵に描いた餅を眺めてる間に他社から魅力的なカメラが出てきたら当然そちらを買われてしまうわけで、ニコンにとっては来年が本当の勝負所かもしれませんね。
ニコンはフラッグシップで 60万円台の Z9 とエントリー約12万円の Z fc を人気機種に出来たので
次は EOS R6 や α7IV と肩を並べる約 30 万円クラスでも売れ続けるモデルが欲しい所ですね。
Z6 系に Expeed 7 を載せて EOS R3、α9II と戦えるレベルの機種に、とか妄想してしまいます。
今R5が約45万、Z7Ⅱが36万ぐらいですね。そう考えると、仮に普及or下位機種(Z8、Z7Ⅲ/Z6Ⅲ)が出たとしても、Z9と類する性能であるなら少なくとも初値は40万から50万の間ではないでしょうか。
これからも益々カメラユーザーが減っていくことを考えると、カメラも必然的に高くならざるを得ないような気がしています。
そういえばR1は一体いくらぐらいになるのでしょうか。少なくともR3より安価であるとは考えにくいので、80~100万ぐらいになるのかも知れませんね。