ニコンが米国センサーベンチャーと協業
米国Aeva Technologies, Inc.との基本合意について
2021年8月10日PRESS RELEASE/報道資料株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区、以下「ニコン」)は、米国のAeva Technologies, Inc.(CEO: Soroush Salehian、以下「エイバ社」)と、周波数連続変調(FMCW)※技術に関する協業検討を行うことに基本合意しました。
ニコンはFMCW技術を活用し、大規模空間非接触測定機の開発、販売を長年行っています。最近では、大規模空間非接触測定機「APDIS」シリーズによって、自動車生産工場における検査工程の効率化に貢献しています。小型・軽量でロボットアーム等に設置可能な「APDIS」シリーズは、生産ラインで高精度な検査を行うことができる画期的な測定機です。
エイバ社は、米国カリフォルニア州に本社を置き、車の自動運転をはじめ、エレクトロニクスや産業用ロボットなどで用いられる、さまざまな認知技術を持つ会社です。同社のFMCW技術は、瞬時に対象物の情報を取得し、正確に計測することを可能にします。
今回の基本合意により、エイバ社の小型かつ安定性の高いFMCWモジュールをニコンの産業機器事業の計測分野に活用することでシナジーを生み出せるかの技術検証を含めた、協業の可能性を検討します。
ニコンは、今後も高度な計測技術で最先端の製造プロセスを支えていきます。
※周波数連続変調(FMCW):Frequency Modulated Continuous Waveの略。変調した連続波を照射し、送信波と反射波の周波数差から対象物の距離や速度、角度を検出する方式。
カメラ用ではなく産業機器用途か
ニコンが米国のセンサー関連技術を開発するベンチャー企業と協業することが、ニコンのプレスリリースにより明らかになりました。アイキャッチ画像はイメージ画像です。協業する米国のエイバ社は、2017年設立でアプリケーション向け次世代センサを開発している企業なのだそうです。
次世代センサとの記述があることから、最初はイメージセンサーの何かしらの新しい技術を持った会社で、その技術をカメラに活用するための協業かと思ったのですが、実際のプレスリリースをみると少し違うようですね。エイバ社は周波数を連続的に変調させ、それを物体に照射し、物体を測定する技術を開発する企業ということで、どちらかというと産業機器への応用が期待されているようです。
ニコンとしては大規模空間非接触測定機へこの技術を採用することで、次世代の測定装置を開発することを目的としているようです。そのAPDISというのは、こちらのサイトで紹介されています。そのサイトをみると、以下のような対象物を測定できる装置としています。
・自動車のホワイトボディの測定
・航空機(機体、羽翼、胴体と羽翼の接続部、脚格納部のドア、ジェットエンジンのブレードなど)
・宇宙分野(人工衛星、アンテナなど)
・風力タービンブレード
・ソーラーパネル
・その他の大規模構造部品
センサーを利用して対象物を測定し、作業するロボットを動かしたり、作成物の検査をしたりですとか様々なものへの応用が期待されるようですね。
カメラ市場は大きな発展は見込めないでしょうから、ニコンは今後も様々な分野へ進出していったり、既存の技術を応用した製品などを製造していくのでしょうね。
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