ニコンが12mm f/2.8 Zレンズの特許を出願していた。
上記の画像は、新しい12mm f/2.8 Zレンズのものだ。詳細の特許はこちらから見られる。
(記事を一部意訳しています)
ニコンが超広角レンズの特許を出願していた?
ニコンが超広角レンズの特許を出願していたという記事が出ていたので確認してみました。すると、この特許のことを記事にしているようですね。
で、その特許について調べてみるとこんな感じの特許でした。
・【出願番号】特願2018-47889(P2018-47889)
・【出願日】2018年3月15日
・【審査請求】未請求焦点距離 12.36mm
f値 2.88
画角 61.2度
像高 21.60mm
全長 165.6mm(当ブログによる解釈です)
通常はバックフォーカスについて記述されているのですが、今回は特許の中身をみると、それらしき数値はあるのですが確かな数値としてはわからなかったので記述していません。
まず、これがどのようなカメラのレンズかということですが、フルサイズセンサーで焦点距離12mmの画角を計算すると122度になります。特許は半画角の数値が記載されていますので2倍すると122.4度になり、ちょうど一致します。従って、これはフルサイズセンサー用のレンズの特許であることは間違いありません。
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ミラーレス用か否か
ミラーレス用のレンズであるかどうかはバックフォーカスの長さから判断することができます。
バックフォーカスとはレンズの後玉からセンサーまでの距離です。これはほぼフランジバック(レンズマウントとセンサーまでの距離)と同じ長さになります。Zマウントのフランジバックは16mmですし、Fマウントのフランジバックは約40mmぐらいですので、レンズのバックフォーカスがどちらかの数値に近ければ、近いほうのマウントのレンズということが言える可能性が高くなります。
ですが、今回はバックフォーカスの数値が正確にわかる形で記載されていないので、ミラーレス用か一眼レフ用なのか判断することができません。
ですが、特許内容を読んでいくとこんな記述があります。
条件式(8)は、無限遠合焦状態における光学系OLの全系の焦点距離に対して、無限遠合焦状態における前群GFの焦点距離を規定したものである。この条件式(8)を満足することにより、小型軽量でありながら、ミラーボックスを備えた一眼レフカメラに対して十分なバックフォーカスを確保し、諸収差が良好に補正された光学系を得ることができる。
このように一眼レフ用にバックフォーカスを確保できる設計ということで、どうやら一眼レフ用である可能性が高いと思われます。従って、記事元ではZレンズ用と記載していますが、これは間違いではないのかな?と思いますね。
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ミラーレス化によりレンズ再設計が必要な理由
上記の特許の説明にもありますが、一眼レフに関してはミラーをセンサーとレンズの間に設置する必要があったため、どうしても十分なバックフォーカスが必要でした。広角レンズの場合、できるだけレンズをセンサーに近づけたかったのですが、レンズとセンサーの間にミラーを配置する必要があるので、逆望遠のような仕組みが必要でした。これは本来ならば必要でないものを追加しているわけですので画質にはよくないですし、重量も重くなり価格も高額になります。ところが、ミラーレスではそのような仕組みは必要ないため、ミラーレス専用で再設計することで、よりよい画質と軽量な広角レンズを作ることができます。
では、もともと焦点距離の長い望遠レンズではどうでしょうか?望遠レンズでは、もともと焦点距離が長いので必然的にバックフォーカスの長いレンズになります。なので、そのままの設計でミラーレス用にすることもできるのですが、FマウントとZマウントの違いはフランジバックだけでなく口径が違うという特徴があります。Zマウントは大口径なので、それに併せてレンズを設計することで、より自然にセンサーに光を導くことができる可能性があるため画質の向上も期待できそうです。なので、望遠レンズに関してもミラーレス用に再設計することで、よりよいレンズが作られる可能性があるといえそうですよね。
いずれにせよ、今後、新たな望遠レンズも発売されていくと思いますが、そのときにはFマウント用望遠レンズとZマウント用の望遠レンズの違いについて、いろいろ議論が交わされるようになると思います。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
(記事元)https://www.nikoneye.com/nikon-has-patented-a-new-12mm-f-2-8-z-lens/
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