キヤノンのイメージセンサーの特許
キヤノンがイメージセンサーに関する新しい特許を出願しているようです。どのような特許なのでしょうか?
【背景技術】
【0002】
光電変換装置において、1つの画素マイクロレンズ下に複数の光電変換素子を配置し、撮像と位相差検出を同一のセンサで行う場合に、被写体のコントラストの方向によりオートフォーカス(AF)の精度が低下する可能性がある。この問題は特許文献1の図20に示すように、光入射方向に積層した光電変換素子の分離方向を1層目と2層目で異ならせることで解決できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの側面は、導体層に設けられた複数の光電変換領域と、マイクロレンズと、をそれぞれが有する画素と、を含む光電変換装置であって、前記半導体層は、前記マイクロレンズが形成された面に対向する面側から順に第1の深さと、第2の深さと、前記第1の深さと前記第2の深さとの間の深さである第3の深さと、を有し、前記第1の深さにおいて前記複数の光電変換領域を分離し、第1の方向に延在する第1の分離部と、記第2の深さにおいて前記複数の光電変換領域を分離し、第2の方向に延在する第2の分離部と、前記第3の深さにおいて前記複数の光電変換領域を分離し、第3の方向に延在する第3の分離部と、を有し、前記第1の分離部と前記第3の分離部がなす90度以下の角は、前記第1の分離部と前記第2の分離部がなす90度以下の角よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光電変換装置の位相差検出の精度低下を防ぐことが可能である。
キヤノンがイメージセンサーの新しい特許を出願していることが明らかになりました。
キヤノンによればストライプ柄などでAF精度が低下することを防ぐために、画素を分割する方向を変えて積層させる方法があるとしています。以前に、クロス測距に関する特許をキヤノンが出願していたようですが、それと関連しているのかもしれません。
キヤノンのデュアルピクセルオートフォーカスは1つのマイクロレンズの下にある画素を二つにわけ、それぞれを位相差センサーとして利用することで全画素での像面位相差AFを実現しています。しかし、この画素の分割方法が同じ方向だと、例えば横ストライプ柄ではフォーカスが合いにくいなどという問題が発生してしまいます。
それを防ぐためにある画素は縦に2分割し、ある画素は横に2分割することで、縦横のクロス測距が可能になり、より高精度で高速なAFが実現する可能性があることが上記の特許では示されています。
しかし、この方法だと電気信号が他の信号に影響を与える可能性があり、それがAF精度に影響を与える可能性があるとしています。そのため、画素を分割する方向をそれぞれ異なるものにして積層することで、それを防止しようという特許のようですね(間違っていたらすいません)。
こうしてみるとキヤノンは次々とデュアルピクセルオートフォーカスの新型を開発しているのだろうなあということが推測できますね。将来的にはほぼ全画素でのクロス測距が可能になるのかもしれませんね。
そして次の記事「高解像度版EOS Rはいつ登場するのか 来年の年末に登場する可能性??」ではかねてから噂されている超高画素EOS Rの噂について詳しくお伝えしています。
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(記事元)https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-174229
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コメント
コメント一覧 (1件)
この特許の原文を読むとDPCMOSの3層構造なんですね。
CMOS自体は裏面照射積層型と書いてあります。
これに先立って拒絶されている特許等を見ると様々な形態の
クロス測距可能なセンサーを開発中のようですね。
なお当該特許は車載用や医療用を想定しているように見えます。
見えている物の距離を測りたいようです。