キヤノン 新たな仕組みの視線入力AFの特許
近年、観察光学系に対して、表示パネルを観察している観察者の視線を検知し、パネル上のどの位置を視認しているかを検出する視線検出機能を付加することが提案されている。視線検出機能が付加されると、視線の方向情報に基づいて主要被写体の選別や各種操作を行うことができる。観察者の視線を検出するためには、ファインダー光路上に、光線の一部を、分岐させ取り出す光路分岐手段を配置する必要がある。
しかしながら、特許文献1の光学系では、光路分岐手段を配置し、視線検出機能を付加できたとしても光路分岐手段の光学特性や配置位置が明確でないため、光学系の諸収差を抑制することができない。また、特許文献1の光学系では、観察側に強い凹形状の負レンズが配置されているため、アイポイント長を十分確保することが困難となる。
本発明は、光路分岐手段を配置するための十分なスペース、広い視野角、及び通常使用時における十分なアイポイント長を確保しつつ、像面湾曲や非点収差を十分に補正可能な観察光学系を提供することを目的とする。
-IP Force
キヤノンが視線入力AFに関する新たな特許を出願していたことが明らかになりました。具体的には、EVFを見るためのレンズ構成に関する特許となっていて、いわゆる接眼レンズのようなレンズの特許になるようです。
現在ではキヤノンのEOS R3がこの視線入力AFに対応しています。これはキヤノンの説明によれば以下のような仕組みで瞳の動きを認識しているそうです。
-キヤノンWebサイト
この画像をみるとわかりますが、ファインダーの手前に赤外線を照射するLEDが配置されていて、それを瞳に反射させています。そして、EVFの表示パネルの横に設置された視線認識センサがこの赤外線を受け取り、瞳が実際にどの位置をみているのかということを認識する仕組みになっていることがわかります。
新しい特許は何が違うのか?
それでは新しい特許では何が従来とは異なるのでしょうか?これはあくまで当サイトの解釈になりますので、そのあたりはお察しください。
特許の中身を読んでみると以下のような説明がありました。
光路分岐手段DPは、表示パネルLCDからの光を透過させてユーザーの瞳に導かせつつ、ユーザーの瞳(視線)からの光を反射させるように機能する。これにより、ユーザーの視線を検出することが可能となる。
-IP Force
この表記をみると、例えばEOS R3では赤外線照射用のLEDを設置し、それを瞳に反射させ瞳の位置を認識していましたが、この特許ではEVFの光を利用し、瞳から反射されたEVFの光を利用して瞳の位置を認識しようとしているらしいことがわかります。
この方法であればEVFの内部にLEDを設置しなくても済むので部品が必要なくなるぶん価格を安くすることができますし、複雑な設計にしなくてもいいので、かなりの合理化になるのではないのかな?と思いますね。
さらに、この方法なら眼鏡をしていても検出精度は高くなりそうなのではないかと思いますが、どうなのでしょう。
そして、この視線入力AFは特定の状況ではかなり利便性が高いようで、もうこの機能を手放すことができないとしている海外レビューなどもありました。完成度が高くなると、特にスポーツ撮影をするようなプロフェッショナルな人にとっては必須の機能になる可能性があるのかなと思いますね。
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コメント
コメント一覧 (1件)
素晴らしい技術の進歩には興味津々ですが、メリットはユーザーの捉え方次第だと思います。
瞳の動きに合わせて、興味の対象に焦点を合わせるのか、自身の瞳が認識出来ない対象にさえAI技術で焦点を合わせるのか、共に次世代技術なんでしょうが。。
選択肢はユーザーの好み次第ですが、マニュアルを含めた三方向の選択肢を選べる方向性がベターだと個人的には思います。
このような考え方も各社の技術進歩のおかげさまなんですが、信憑性と実際の精度は体感してからの話ではありますが、OM-1の「認識できなかった藪の中の鳥の瞳にAFがロックオンされていた」レビュー動画を見た歳に痛感した考えでもあります。
是非とも更なる技術開発の進歩で我々ユーザーの選択肢を増やし、映像記録機器への興味の拡充をお願いしたいものです。