ペンッタクス K-III Mark IIIにモノクロセンサ搭載モデルを検討
天文ファンへ情報を提供している天文リフ レクションズが、PENTAXのオンラインミーティングの様子をツイートしています。そのツイートの一部が上記になります。ツイートは埋め込み表示されていますが、環境によって閲覧できない場合があるので、もし見られない場合には上記の記事元リンクからTwitterをご覧ください。
ツイートによれば、ペンタックスはK-III Mark IIIにモノクロセンサを搭載した派生モデルを検討しているとのことです。さらに、今後の新機種について、フルサイズはK-1 Maek IIを今後も主力機種として販売していき、後継機種の発売は案内できる状況ではないとしています。
この情報のモノクロ専用センサーを搭載するというのは面白いですね。既存のセンサーは赤緑青のRGBの特殊な配列に設定されたベイヤー配列というカラーフィルターを通じて色を取得しています。これはイメージセンサーは光量の弱い強いしか判断できないためで、フィルターを使って認識したい色を制限することで、その色の光量を得ることができるという仕組みになっています。
なので、赤色の情報が欲しい場合には、青と緑の情報は捨てられてしまっていることになるので、光の多くを切り捨ててしまっているのでもったいない状況になってしまっています。なのでカラーフィルターを無くせばすべての光量からの画像を作りだすことができるし、全画素を利用できるので高感度で高画質を利用できるという仕組みですね(カラーフィルターの場合は欠損した画素を特定のアルゴリズムで埋める作業が必要で、この段階で画質が劣化する可能性もあります)。
ベイヤー配列のカラーフィルターのイメージ
天体撮影用モデルのK-3 Mark III ATTOROも検討中
さらに同じくオンラインミーティングで、ペンタックスはK-III Mark IIIの天体撮影モデルと、アストロレーザの新ファームを公開するそうです。前者の天体撮影モデルについては、恐らく赤外線のカットフィルターが搭載されていないため、赤外線の撮影に強く、そのため盗撮をしないことが前提となるようです。誓約書のようなものが必要なのがご時世というところですね。
そしてすごいのがアストロレーサです。通常、天体を撮影すると地球の自転の影響で星が動いてしまいます。天体は暗いので長時間露光させようとすると、その間に星が移動してしまい流れた写真になってしまいます(その効果を活かして北極星を中心にぐるってまわってる写真を見たことある人も多いと思います)。
これを天体の動きにあわせてカメラのボディ内手振れ補正の機能を利用してセンサーを移動させることで天体がびしっと止まっている写真を撮ろうというのが、このアストロレーサという機能です。
でもイメージセンサーの動きは限られているから追尾できる時間も制限されるのでは?と考えた人は正解で、追尾性能はカメラや使用するレンズなどによって異なるようですが最大で300秒(5分)ということになるそうです。結構長いこと可能なのですね。
ということは、地球は1日24時間で360度回転しますので、センサーを動かせる角度は最大で、360×(5/(24×60))度ということになるのでしょうか?
従来のものはGPS機能が必要だったようですが、新ファームによってGPSユニットがなくとも天体を追尾できるようになるようです。たぶん従来はGPSユニットを通じてGPSからカメラの緯度経度、現在の日時、地磁気から現在のカメラの向きなどを取得して計算して天体の動きに合わせるような仕組みなのだと思います。新しいシステムでは実際に天体の動きを認識する撮影を行って、それだけで天体の動きを計算して追尾できるようですね。すごい進化です。
このように結構新しいことに挑戦しているペンタックスですが、ニコンとキヤノンが一眼レフから撤退しそうな勢いなのでニッチな市場として案外うまく生き残っていくのかもしれませんね。
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従来のアストロトレーサは K-S2等、バリアングルモニタではキャリブレーション後
モニタを動かすと磁性体の位置が変わって追尾に失敗します。
新型はその影響が出ないでしょうからK-3 MarkIII以外、旧型機にも対応して欲しいですね。
この機能自体は最新の天体望遠鏡でも北極星が見えなくても星の動きから極軸合わせが
出来るので似たような技術かも知れません。