ePHOTOzineの人たちによるEOS M6 Mark IIのレビュー。EOS M6 Mark IIは2019年8月に発表されたものだ。
レビューは、言われているところではEOS M用の高級レンズは、32mm f/1.4、11-22mm f/4-5.6、22mm f/2の3本しかないという事実を批判している。すべてキヤノンの純正レンズで、金属マウントを採用していて、これがレビュー担当者には譲れない要素であるようだ。
もっと正確には「キヤノン製の高級レンズは3本しかない」ということだろう。そして私は限られたキヤノン製のEF-Mマウントだけ利用して、EOS M6 Mark IIに対して批判するのは不愉快だと感じている。サードパーティ製のEF-Mレンズが多数あるし、その中には素晴らしいレンズや大口径レンズもある。そして、シグマの16mm f/1.4 DC DNをプレミアムレンズだと疑うだろうか?あなたの必要性によっては、シグマの30mm f/1.4 DC DNを好むかもしれない。そして両方とも金属製のマウントだ。そしてまた、とてもよいEF/EF-SマウントをEF-Mマウントに変換するマウントアダプタを利用できるし、そしてオートフォーカスにはデュアルピクセルCMOSセンサーを利用できるので心配の必要がない。だから、ePHOTOzineのレビューには、レンズエコシステム議論のEOS Mへの多少のバッシングがあるのではないかと疑っている。キヤノンが大きなEF-Mレンズラインナップを製造していないのは事実だが、さほど重要でもないことも事実だ。
以下はEOS M6 Mark IIの総評からの引用
EOS M6 Mark IIはとても素晴らしいカメラになりうるが、事実、そして、明るいレンズが限られた数しかない。それはフェラーリが渋滞でつかまったり、高速道路で走るまでに50km/h制限の道路にするようなものだ。そう、EOS M6 Mark IIはとても良いカメラだが、最初にやることはより良いレンズを手に入れることだ。そしてあなたの要求に合致する現在の限られたEF-Mレンズはあるだろうか?
■長所
・3200万画素のAPS-Cセンサー
・高速連続撮影
・速いオートフォーカス
・使い安い内蔵説明書
・優れた色再現性
・簡単に使えるタッチスクリーンとコントロール
・カメラ内RAW出力■欠点
・キヤノンから8本のEF-Mレンズしか登場していない
・キットレンズを絞るまでシャープではない
・ビデオに関する効果的な手振れ補正に欠ける
・内蔵EVFがない(記事を一部意訳しています)
EOS M6 Mark IIのレビュー掲載で分かれる評価
EOS M6 Mark IIのレビューが掲載されています。それによれば、カメラ本体の性能的にはEVFが内蔵でないことを除いて、かなり評価が高いようです。ちなみにEVFは外付けで対応しています。問題視されているのはレンズラインナップのようですね。
いま調べてみるとEF-Mマウント用のレンズとしては以下のレンズが発表されています。
・★11-22mm f/4-5.6
・15-45mm f/3.5-6.3
・18-150mm f/3.5-6.3
・★22mm f/2
・★28mm f/3.5 マクロ
・★32mm f/1.4
・55-200mm f/4.5-6.3
このうち15-45mm、18-150mm、55-200mmは標準ズーム、便利ズーム、望遠ズームでキットレンズとなっているようですので、それを除外すると4本のレンズしか発売されていないことになりますね。すると残るは★マークのレンズのみということになります。
そのうち、22mm f/2は換算で35mm相当、32mm f/1.4は50mm相当の単焦点ということで、明るい単焦点レンズということがいえそうです。あと標準マクロと広角ズームもあるということで、とりあえず最低限のレンズはカバーしているというラインナップになっていると考えられますね。
フルサイズミラーレスよりラインナップが少ないことが多いAPS-Cレンズですが、それにしてもかなりラインナップとしては乏しいのかな?という印象があるのも事実ですね。でもニコンでも、本数は多いですがラインナップ的には似たようなものですし、こんなものかなという印象がありますね。
たぶんレビュアーの意図としては、このように素晴らしいカメラは素人向けというよりハイアマチュア向けなので、そのようなカメラを発売するのならキヤノン自身でもっとAPS-Cレンズを充実させないといけないのではないの?というような期待を込めての意見だとも思えますね。
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キヤノンはEF-Mマウントをどうするのか?
当サイトでも何回も話題にしていますが、大手3メーカのマウント戦略は異なっています。
まず事実上1マウントなのはソニーです。ソニーはミラーレスに注力しているので、APS-Cマウント用のEマウントをAPS-Cミラーレスとフルサイズミラーレスでも利用しています。
そして2マウントを維持しているのはニコンです。ニコンは一眼レフ用のFマウントと、ミラーレス用のZマウントを採用しています。そのどちらもフルサイズ用のマウントで、フルサイズ用マウントでフルサイズミラーレスとAPS-Cミラーレスを発売しています。
最後に3マウントを維持しているのがキヤノンです。キヤノンはフルサイズ一眼レフとAPS-C一眼レフ用のEFマウントと、APS-Cミラーレス用のEF-Mマウント、さらにフルサイズミラーレス用のRFマウントです。
このため3マウントを維持せざるを得ない状況になっているキヤノンは経営的に効率が悪い状況となっているため、EF-Mマウントは収束させてRFマウントでAPS-Cミラーレスも発売してRFマウントに集約させていくと考えられていましたが、EOS M6 Mark IIやEOS M200など精力的にEF-Mマウントのミラーレスを発売しているため、すべてのマウントを維持する方向性しかなくなってしまったのかな?とも受け止める人が多くなっているようですね。
ですが、もともとEF-Mマウントはあまり数が多くないので、そもそもAPS-Cミラーレスを購入する人で交換レンズを購入するという人はかなり少ないだろうと思われるので、定番レンズだけ揃っていればいいのかもしれません。でも、それでは純正レンズだけではEOS M6 Mark IIの性能を発揮できないと考える人がいても不思議では無いと思いますね。
そして実はEF-MマウントよりRFマウントのほうがフランジバック(マウント面からセンサーまでの距離)が長いです。従って、RFマウントでAPS-C用のレンズを設計した場合、そのままの設計でEF-Mマウント用のレンズも作れることになるので、RFマウントでAPS-Cミラーレスを作ったとしても、設計したレンズを共有することができるため、あんがいEF-Mマウント用のレンズ製造コストってかからないのかもしれませんね。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
(記事元)https://www.canonwatch.com/canon-eos-m6-mark-ii-review-delivers-great-looking-photos-ephotozine/
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