グローバルシャッターの3つのメリット
グローバルシャッターを採用したα9 IIIによって写真にはどのようなメリットがあるというのでしょうか?そして何ができるのでしょうか?
フラッシュ
グローバルシャッターには主に3つのメリットがあり、すべてが非常に速く場面が変化する状況に関連している。
これらの中で最も明らかなのはフラッシュ写真で、フラッシュ自身がシーンを一瞬だけ照らす。最速のメカニカルシャッターでも、センサー全体を移動するのに約1/250秒かかる。従って、この時間より短い露出では、シャッターの先幕が完全に開く前に後幕を閉じ始める必要がある。これはセンサー全体が露光する時間がないため、1回のフラッシュの光では画像全体を照らすことができない。これがフラッシュ同調速度だ。
グローバルシャッターではこの問題はない。センサー全体が正確に同時にキャプチャされるため、最短の露光でも画像全体がフラッシュで照らされる。つまりストロボをパルス発光させたり、発光時間を長くしたりするハイスピードシンクロに頼らず、最も強力なシングル発光モードを使用できる。
実際には、これはグローバルシャッターのカメラが露出が短くてもシャッター速度を利用してフラッシュ画像の背景の明るさを調整できることを意味する。フラッシュレベルと絞りが前景の露出を制御するが、シャッター速度を利用して画像内の他のすべてを黒くすることができる。また、背景が吹き飛ばされるのを防ぐことも可能だ。
興味深いことに非常に短い露出では、プログレシップシャッターが抱える問題の逆のリスクがある。スローシャッターに対応するためにフラッシュの発光時間を長くする必要がある代わりに、露出が短すぎてフラッシュの光をすべて取り込むことができないというリスクだ。
バンディング
グローバルシャッターが便利な二つ目の状況は、LED照明やディスプレイのように短いパルス光がある場合だ。LED照明は知覚される明るさを制御するために、非常に速くオンとオフを繰り返している。またLEDディスプレイは異なる色や明るさを表示するため、または異なる画像を表示するためにリフレッシュのために点滅する。プログレッシブシャッターでは画像の各部分がわずかに異なる時間を切り取ってキャプチャしているので、このちらつきを偶然にキャプチャしてしまう可能性がある。これはグローバルシャッターでは発生しない。なぜならそれは一瞬をキャプチャするからだ。LEDが点滅するたびに露出が変化するリスクはあるが、画像に邪魔なバンドがでることはない。
ただし非常に短い露出ではLEDディスプレイのパネルが間違って色に見える可能性がある。LEDディスプレイは異なる色の要素を異なる速度で点滅させることで、どの色に見せるか制御している。そのため、一部の要素が点灯していない瞬間、または点滅パターンの一部しかキャプチャしていない瞬間に画像をキャプチャしてしまう可能性がある。
歪み
グローバルシャッターの3つめの利点は、シャッターの開閉している間に被写体が動いて画像が歪むことがないということだ。露出時間が長すぎるとモーションブラーが発生するが、露出の開始と終了の間に発生するリスクはない。これはメカシャッターではほとんど問題にならない。原則としてグローバルシャッターは回転するローターブレードやゴルフスイングなど、より速く動く被写体でも歪みを避けることができるが、メカシャッターが写真を撮影しても顕著に歪みが生じることは非常に珍しい。
これは動画ではより重要で、かめらは通常、つぎつぎと読み出される電子シャッターを仕様する。最新のカメラの中では非常に高速なものもあるが、4k対応カメラの中には書くフレームの露出が、開始から終了まだに良好なメカシャッターの5倍以上の時間を要するものも多くある。これは可視的な歪みを精製する被写体の動きや、カメラの動きの種類が増えることを意味している。従って瞬時のグローバルシャッターがもたらすローリングシャッター効果の排除を最も評価するのは動画撮影者だろう。
α9 IIIのグローバルシャッターのメリットをDPReviewが説明しています。
記事によればクローバルシャッターのメリットとして主に3つあるとしています。それが、フラッシュの同調速度、バンディング、ローリングシャッター歪みの問題を解消できるということのようですね。
特にフラッシュに関しては、上記の説明を読んでいるとグローバルシャッターを採用することで、何か新しい撮影手法が編み出される予感がします。フラッシュを利用してもシャッター速度を速くすることで露出補正的なことができるというのは面白いかもしれませんね。
またバンディングに対しても有効なようで問題を回避できることができるようです。しかし一部の別の問題が発生する可能性があることも示唆されています。点滅しているような照明の場合、完全に点灯していて撮影できるか、それとも消灯していてLEDが消えているように写ってしまう状態のどちらかという状況が撮影されてしまうのは逆に問題になりそうな気もしますが実際にはどうなんでしょうね。バンディングが発生していてもある程度、映り込んでいるほうがいいという場合もありそうに思うのですが。
とはいえ撮影に幅が広がる可能性があるというのは素晴らしいことだと思うので、今後、どのような使い方をされるのか、どのような写真が撮影できるのか期待してしまいますね。
そしてグローバルシャッター採用でメカシャッターは終了してしまう可能性について「α9 IIIにグローバルシャッターセンサー搭載 メカシャッターは終わりを迎える??」にて詳しくお伝え。
主な特徴
- 世界初グローバルシャッター方式のフルサイズイメージセンサー搭載デジタル一眼カメラ
- 新次元のスピード性能を生かす最先端のAFシステム
- プロの撮影を支える快適な操作性と高い信頼性
- 即納をサポートする高速ワークフローと高い拡張性
センサーサイズ | 35mmフルサイズ (35.6 x 23.8 mm)、Exmor RS CMOSセンサー |
画素数 | 約2520万画素 |
イメージプロセッサ | BIONZ XR+AIプロセッシングユニット |
被写体認識 | 人、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機 |
手ぶれ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 (補正方式はレンズ仕様による) |
手ぶれ補正効果 | 8.0段 |
高速連続撮影 | 約120コマ/秒 AF・AE追従 |
動画撮影 | 4k 120p |
フラッシュ同調速度 | 1/80000 秒 |
シャッター速度 | 静止画撮影時: 1/80000-30 秒、バルブ、動画撮影時: 1/8000-1 秒 |
ISO | 静止画撮影時: ISO 250 – 25600 (拡張: 下限ISO 125、上限ISO 51200) |
フォーカスポイント | 759点(カバー率約95.6%) |
EVF | 0.64型 約943万ドット電子式ビューファインダー |
背面液晶 | 3.2型 約210万ドット 4軸マルチアングル液晶モニター |
メモリカードスロット | CFexpress Type Aデュアルスロット |
サイズ | 約136.1 x 96.9 x 72.8 mm |
重量 | 約703 g(バッテリー、メモリカード含む) |
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(記事元)https://www.dpreview.com/learn/6348932189/what-is-global-shutter
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コメント
コメント一覧 (1件)
電車、自動車などで歪みを経験しているといつ頃、廉価機までくるか
興味津々です。
まだ先だろうな~!