キヤノン RFマウント非開放戦略にはリスクがあり賭けだ

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RFマウント非開放戦略は成功するのか

レンズ製造業界は、かつてない変化の波に揺れている。中国メーカーが次々と高性能なレンズを市場に投入し、光学的な洗練度においても急速に進化を遂げている。

これまで弱点とされてきた手ブレ補正機能や高速なオートフォーカスモーターといった要素も、今後の製品で改良が進むと見られている。技術的な完成度だけでなく、価格競争力でも既存の大手メーカーに強い圧力をかけている。

とはいえ、こうした技術の多くは特許によって保護されており、特にキヤノンのように膨大な特許資産を持つ企業は、依然として一定の優位性を保っている。特許の壁は中国メーカーにとって大きな障害となる可能性がある。

しかし、それが彼らの進化を長期的に阻むとは言い切れない。技術の迂回、独自開発、あるいは新たな手法によって特許の壁を乗り越える道を模索する動きもすでに始まっている。

キヤノンRFマウントの閉鎖戦略──防衛か、孤立か

キヤノンはRFマウントの仕様を完全には公開せず、ライセンス管理も厳格に行っている。これは、かつてEFマウントを比較的開放的に取り扱っていた姿勢とは対照的だ。この方針転換には、当然ながら利益という大きな理由があるだろう。さらに、サポートや互換性といった技術的な問題も、RFレンズとRFカメラの間の複雑な通信仕様を考慮すれば、キヤノンが慎重になるのも理解できる。

もしかすると、キヤノンはこの流れを予見していたのかもしれない。もしRFマウントを完全に開放していたら、長期的には他社との競争に勝てなくなると判断したのではないか。最終的にキヤノンのレンズは赤リングやキヤノンのロゴに惹かれて購入される高級品となり、レンズ収益の大幅な減少が研究開発費を圧迫し、カメラメーカーとしての持続性すら危うくなる──そんな未来を予想していたのかもしれない。

残るリスク

この戦略には明らかなリスクもある。キヤノンは十分な予算を持たないユーザー層を遠ざけてしまう可能性がある。高価格の製品を買える層の経済状況が今後も安定し続けるという前提に賭けているとも言える。コストパフォーマンスを気にしないのであれば、赤リングのレンズで思い切り楽しめばいいだろう。しかし、限られた予算で活動する若いプロフェッショナルや趣味層にとっては、キヤノンを選択するのがどんどん難しくなる。

実際、筆者自身のカメラ予算は過去5年間で大幅に減少しており、ここ2~3年で中国メーカーが提供する驚くほど手頃なレンズ群を目の前にすると、ソニーのほうが現実的な選択肢だと感じることが増えている。

もちろん、今後キヤノンが市場の圧力に屈してRFマウントを開放すれば、この仮説はゴミ箱に捨ててしまって終わりだ。しかし、もしこの戦略が奏功すれば、キヤノンは我々よりも一枚上手だったということになるのかもしれない。

キヤノンの今後の戦略は

キヤノンがRFマウントを開放しないことは一種の賭けではないかとCanonRumorsが伝えています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。

記事では、中国の光学機器メーカーがかなり技術を向上させており、これがカメラメーカーの脅威になっていて、今後は苦手分野も克服して純正レンズに近づくのも近いとしています。その上で、キヤノンが(フルサイズ)RFマウントを開放しないのは、このような状況を予想していたからかもしれないと指摘しています。

カメラメーカーは、自社の収益構造を強化したり、自社が考える最高の性能を実現するために、独自のマウントシステムを採用しています。マウントは、各社がそれぞれ異なる形状や電子接点の仕様を持たせています。その結果、他社製のレンズをそのまま使用することができず、ユーザーは特定のマウントに対応したレンズを選ばざるを得ません。

この仕組みによって、メーカーはカメラ本体だけでなく、交換レンズや関連アクセサリーの販売でも継続的な利益を得ることができます。特にレンズは一度購入すると長期間使用される傾向があるため、ユーザーが特定のマウントに投資すると、他社製品への乗り換えが難しくなります。これが、いわゆる「レンズ資産のロックイン効果」と呼ばれるものです。

しかし、近年ではリバースエンジニアリングによってカメラマウントの仕様が解析され、サードパーティメーカーが互換性のある交換レンズを開発・販売するケースが増えています。これにより、ユーザーは純正レンズにこだわらず、より安価で特徴的なレンズを選択できるようになりました。

この動きは、カメラメーカーにとって収益構造の強化に対する脅威となります。もともとメーカーは、独自マウントによってユーザーを囲い込み、カメラ本体と交換レンズの両方から安定した収益を得る戦略を採ってきました。ところが、互換レンズの登場によって、ユーザーが純正品を選ばなくなる可能性が高まり、レンズ販売による利益が減少するリスクが生じます。

さらに、サードパーティ製レンズが高性能かつ低価格で提供されるようになると、純正レンズの価格競争力やブランド価値にも影響を与えかねません。そのため、メーカーによってはマウント仕様の変更や暗号化、ファームウェアによる制限などを通じて、互換性の確保を困難にする対策を講じることもあります。

この対策では、例えばソニーではテレコンバーターの使用が不可能だったり、連写性能に制限をかけていたり、今回のキヤノンではマウントの仕様を公開しない戦略を採用するなどしています。

中国の互換レンズメーカーが技術を向上させたレンズを発売することは、まさにこのようなメーカーの収益構造を根本から狂わせる可能性があるため、キヤノンがフルサイズだけでもRFマウントを開放しないという戦略は、ある程度正しいと言えると思います。しかし、記事にもあるようにレンズのバリエーションが減ったり、高価なレンズばかりになることで、キヤノンのカメラを購入する人が減ってしまう可能性もあると思います。

キヤノンが今後もフルサイズのRFマウントをほぼ閉鎖状態にしていくのか、少しずつ開放していくのか、今後が気になりますね。

さらにEOS R6 Mark IIIの最新の噂を「EOS R6 Mark IIIに新情報 視線入力AFは搭載されない可能性が高い」にて詳しくお伝えします。

CanonRumors

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