オリンパスのカメラ事業譲渡時の経緯が明らかに
オリンパスのカメラ事業譲渡に関する経緯や流れといったものの詳細が明らかになってきています。AERA dot.ではオリンパスのカメラ事業を引き継いだOMデジタルソリューションズ社とのインタビュー記事を掲載しています。
記事では、オリンパスからカメラ事業を新会社として独立させるまでに至った経緯や、その過程でどのような流れがあったのかなど、興味ある内容となっています。全文は記事元リンクからご覧ください。
これらの記事から興味のある部分のみ引用してみます。
カメラ事業の独立は事業継続のため
記事では、カメラ事業の独立したのは、以下のような理由だったとしています。
――昨今、カメラのマーケットが縮小するなかで新会社を立ち上げたわけですが、その経緯をお話しいただけますか。
片岡 まず、はっきりさせておきたいのは、この新社をなぜ設立したかという理由です。これまでわれわれは、オリンパスという会社の元で映像システムをつくってきた。そのシステムを持続可能にするには何がいちばんいい方法か、模索しました。そのうえで、オリンパスから独立してやっていったほうがよいという考えにいたったわけです。
記事ではオリンパスがカメラ事業を止めることを考えていたようなことを匂わせるような発言もしています。なのでカメラ事業を継続するためには、カメラ事業を独立させることが必要だったということのようですね。オリンパスという大企業では難しい舵取りも、より小さくなった会社だったら小回りがきくので対処がしやすいという側面もあったようです。
個人的に単純に身売りしたという印象だったのですが、実際にはかなり違うイメージの事業独立という感じになっていることがうかがえます。
JIPとのパートナーシップは事業を切り売りしない会社だったから
オリンパスのカメラ事業がオリンパスから独立し、その新会社の株式を日本産業パートナーズ(JIP)というファンドに譲渡したということで、多くの人は、今後はデジカメ事業が黒字になれば、どこかの海外ファンドや海外企業に売却されてしまい、最終的に外国企業になってしまうのでは?と考える人も多かったと思います。
ですが、以下の発言をみると、実際にはそのような懸念もある程度は払拭できるのではないのかな?という印象です。
JIPは、会社の中から事業を切り出して黒字化し、再生することに長けています。実例を挙げると、ソニーのPC事業の「VAIO」をカーブアウトして独立させています。ファンドと聞いて想像されるような買った事業をバラバラにして売ってしまう、というようなことをほとんどしていない。じっくりといっしょにやっていけるファンドというのがわれわれとしては理想だったんです。
このことから、オリンパスのカメラ事業単体として存続できる可能性が高いということでJIPとパートナーを組んで新会社としてやっていくというようなことがわかりますね。もし、これが本当であればオリンパスカメラは日本企業として残り、今後も続いていくということになりますので、オリンパスユーザとしては安心できる材料になるかもしれません。
オリンパスのロゴも将来的に使える
そして、新会社になったことで、オリンパスのロゴが使えるのか使えなくなるのか?ということを気にしている人も多いと思います。やはりオリンパスのカメラといえば、カメラの軍艦部に表示されるオリンパスのロゴがないとなと考えている人も多いと思いますね。
そのあたりにも言及されています。
――ただ、私も含めて、多くのユーザーが心配しているのは、「オリンパス」のロゴをいつまで使えるのかな、と。極端な話、未来永劫使えるのか? カメラのブランド名が変わるとユーザーにとってはショックですから。
片岡 少なくとも当面は「オリンパス」でいきます。われわれには映像ブランドとしての「オリンパス」を育ててきたという自負があります。でも、実体としてオリンパスから離れ、これからもずーっとオリンパスという名前でやっていくのがいいのか。そこはよく考えたいと思っています。
上記の記事によれば、今後もOMデジタルソリューションズは、オリンパスのロゴを継続して使用できることが示唆されていますね。つまりカメラブランドとしてのオリンパスはこのまま残るという可能性が高いようです。これはオリンパスユーザにとってはもっとも喜べる情報ではないでしょうか?
リップサービスの可能性も残るが・・
ただ、このあたりの権利関係や、会社を切り売りしないなどということは、今後の経営や株価にかなり影響を与えることになりますので、ユーザや市場に対するリップサービス的な内容の可能性もありますので、そのあたりは、今後も注視していく必要があると思いますね。
ですが、オリンパスのロゴについては少なくとも使用し続けることができる可能性があるということがわかります。使用期限が時限という契約になっている可能性も否定できませんが、しばらくは残すことができるようですので、ユーザとしては多少安心できるかもしれません。今後ずっとロゴを使い続けることができるのかどうかは、しばらくしてみないと最終的にはわからないと思います。
(記事元)https://dot.asahi.com/dot/2021020300092.html?page=1
(記事元)https://dot.asahi.com/dot/2021020300094.html?page=1
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コメント
コメント一覧 (2件)
ううむ・・・・わしはまだ安心しない。
まだわからん。
これで心をゆるしたら、あとの反動が怖い。
もしOLYMPUSの護符を破ったら、どのようなタタリがあるか考えたことがあるのか君たちは。
愚か者めヽ(`Д´)ノ
(オリユーザーを代弁してますm(__)m)
オリンパスカメラは、今が瀬戸際(せとぎわ)なんでしょうね。
全て憶測ですが、新会社にはオリンパスに対して「OLYMPUS」という商標の使用料が発生していると思います。新会社が事業を継続するために「OLYMPUS」の商標使用料を払い続けるのが正解なのか、新会社の商標「OM SYSTEMS」に変更してもユーザーは去っていかないのか。
ユーザーが「OLYMPUS」ブランドにこだわったせいで、(商標権使用料の負荷による)新会社の事業にマイナスの影響が出るのであれば、我々オリンパスユーザーは寛大に新会社の方針を見守ってあげなければいけない気がします。