ニコンは29日、2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が420億円の赤字(前期は76億円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想に比べ80億円縮小する。カメラや半導体向け製造装置が堅調で、売上高にあたる売上収益の回復が想定を上回った。精機事業で廃棄・評価損を計上するが、吸収する。
売上収益は前期比24%減の4500億円(従来予想は4300億円)を見込む。映像事業では20年に投入した新型のミラーレスカメラが堅調。精機事業は渡航制限で遅れていた露光装置の据え付けが7月から再開するなど、持ち直している。
(記事元)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD297XR0Z20C21A1000000/
今年度の赤字が確定か
日本経済新聞がニコンの決算について報告しています。
記事によれば、ニコンは2021年3月期の連結最終損益が420億円の赤字になりそうだと発表したそうです。この21年3月期というのは、ニコンの場合決算月が3月ですので、年間の損益として最終的に420億円の赤字になりそうだということを意味しています。
ですが、それでも従来の予想は500億円の赤字ということでしたので、80億円ほど赤字幅が縮小するとしています。赤字ではありますが、それが少しでも少なくなったというのは、良い知らせなのかもしれません。
売上高は前期からの24%減少の4500億円なのだそうです。ということは前期では5921億円の売上げがあったということになるわけですので、実は約1400億円も売上高が減少しているということになるわですね。そうしたら、420億円もの赤字になるのも仕方がないほどの落ち込みと考えることができると思います。
本当に回復できるのか?
ニコンがこれだけ苦戦しているのは、新型コロナウィルスの影響によるところが大きいと思います。まず新型コロナウィルスにより各種のイベントが中止されたり、緊急事態宣言がだされて旅行などを取りやめる人が増えました。その結果、カメラを購入す動機がなくなり、カメラの需要が低迷してしまいました。
さらに新型コロナウィルスの影響でサプライチェーンに問題が発生し、製造したくてもできないというような状況もあったと予想されます。
そして半導体露光装置については、新型コロナウィルスの影響で中国などへ技術者を派遣できなかったり、中国が新型コロナの影響を受けたため、納入が決まっていた製品を納入できなかったということなどがあったようです。さらに米中の対立で、中国へ半導体製造装置などを納入することに圧力がかかっているという噂もあり、その結果、半導体露光装置の売れ行きにも問題があるのでは?と考えている人がいるようです。
記事では新しく投入したミラーレスカメラが堅調としていますが、堅調といえるのでしょうかね?ソニーとキヤノンが続々と新製品や、新機軸となる製品を発売しているのに対し、ニコンは周回遅れを繰り返しているように見えます。少なくとも、いまだともしフルサイズミラーレスを購入するのなら、ソニーかキヤノンという感じになっていることは間違いありません。もっとユーザに刺さる製品が必要なのかな?と思います。
[template id=”4241″]
コメント
コメント一覧 (3件)
ニコンの財務体質から考えて多少赤字でも2~3年は持ちこたえるでしょう。
製造業としては優良です。
赤字になったら危ないのはソニーで完全にエンターテインメント会社の
財務体質です。
自己資本率がニコンの1/3~1/4程度しか有りません。
借金で会社を回しているから儲からないと分かったら撤退も早いです。
製造業として優良なのに大規模なリストラや工場閉鎖するのはなぜでしょうか?
全部門赤字で有望な事業もないのになぜ優良な会社に見えるんでしょうか?
そしてなぜ株価は3年前の1/3まで下落したのでしょうか?
市場の評価は逆だと思いますよ
420億赤字の会社(ニコン)と8000億黒字の会社(ソニー)を比べても悲しいだけです……。
カメラメーカー本日時点時価総額一覧(100億未満省略)
ソニー 12兆8100億
パナソニック 3兆3100億
キヤノン 3兆1500億
富士フィルムHD 3兆1100億
リコー 6100億
ニコン 3100億
※オリンパスはカメラ事業を売却済みなので参考
オリンパス 2兆6500億