ニコンがドイツの金属3Dプリンタメーカ買収
ニコンがドイツの金属3Dプリンタメーカを買収したという記事が公開されています。どのような記事なのでしょうか?
それでは記事をみてみます。
[東京 2日 ロイター] – ニコンは2日、ドイツの金属3Dプリンターメーカー、SLMソリューションズグループ(SLM社) を総額840億円で買収をすると発表した。カメラと半導体製造装置の製造・販売を主力とするニコンは新たな成長事業の育成を急いでおり、光学設計など既存技術を3Dプリンターに活かして相乗効果を狙う。
ニコンは約61億円でSLMの増資を引き受け、約10%の株式を取得。その後に約779億円で株と転換社債を公開買い付けする。いずれも手元の現預金で対応する。
ロイター
記事によれば、ニコンはドイツの3DプリンタメーカであるSLMソリューショングループを総額840億円で買収するそうです。ニコンはカメラ市場の縮小に伴って、他の分野への進出を余儀なくされていて、積極的に他の分野へ投資することを急いでいるようですね。いまは、主に3Dプリンタ関連と医療事業について注力しているようです。今回の3Dプリンタメーカの買収もその一環だと思います。
ニコンは2021年にもアメリカのMorf3D社を子会社化しています。このメーカは宇宙航空関連部品の受注生産でトップクラスの販売をしているとしています。SLM社も航空、宇宙関連の顧客が多いようですので、ニコンは積極的に今後に発展するであろう宇宙分野に積極的に参入していきたいという思惑があるのかもしれません。
ニコンがSLM社を買収する目的
それではニコンがどのような意図をもってSLM社を買収したのか、その理由をみてみましょう。
- 当社は、本買収を通じて、世界中の顧客に革新的なものづくりのソリューションを提供し、金属AMの分野における世界的リーディング・プレイヤーを目指す。
また、デジタルマニュファクチャリング事業を戦略事業と位置付ける現行中期経営計画の一層の推進を目指す- 本買収を通じて、当社は以下の実現を目指す
- 成長が期待される金属AM領域で、ブランド力と市場シェアを獲得
- 金属AM業界の主流であるL-PBF方式の製造・販売プラットフォームの獲得
- SLM社のワールドワイドで多岐にわたる顧客や多様なアプリケーションの獲得
- AM領域において経験豊富なSLM社のマネジメントと優秀なエンジニア、セールス人材の獲得
ニコンの説明によれば、この買収を通じて金属AM分野で世界のトップ企業を目指しているとしています。この金属AMというのは、金属を何らかの方法で積層することで製品を作成する3Dプリンタの加工方法です。例えば一例としては、金属の粉末を振りかけながらレーザー光で加熱/溶融させ部品を作っているというような感じですね。
そしてさらに買収を通じて市場シェアや人材、顧客の確保を目指しているとしています。このことから、ニコンは本気で金属3Dプリンタ市場が有望だと考え進出していく方針ということのようです。
この発表は金曜日の15時以降で、たぶん株式市場に大きな影響を与えないための判断だと思いますが、市場がどのような判断をするのか、次の営業日のニコンの株価に非常に興味がありますね。
Twitterいいねとリツイートのお願い
記事をよんで面白いと思ったら、Twitterでのいいねボタン、リツイートをしていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
コメント