ハイテク株が総じて下落する中、とりわけ、精密機器株の一角が売られました。デジカメ事業とオフィス機器事業の不振が顕著なキヤノン <7751> は値を下げて約21年8カ月ぶりの安値を付け(株式分割考慮後)、同じように事業構造改革が進まないニコン <7731> は約25年5カ月ぶりの安値となりました。
一方で、デジカメ部門をリストラし(投資ファンドへ売却)、得意とする内視鏡など医療機器事業に注力を果たしたオリンパス <7733> は上場来高値水準にあります(注:この日は下落)。それと比べると、上記2社は大きな後れを取ったと言えましょう。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/f50d20434489ae27b47a5101949abbb73b314a6d
キヤノン、ニコンは安値、オリンパスは高値
LIMOがカメラメーカの株価について報告しています。
記事によれば、キヤノンは21年8ヶ月ぶりの安値となり、ニコンも25年5ヶ月ぶりの安値となってとしています。それに引き換え、オリンパスは上場来高値水準にあるということで、同じカメラメーカでもキヤノン、ニコンとオリンパスの明暗は分かれる形になっています。
ニコンとキヤノンについては、新型コロナの影響でデジカメ事業が低迷しているなかで、そのカメラの販売もソニーにシェアを奪われていってしまっていることが、市場からあまりよく思われていないのだと思いますね。
それに加えて、キヤノンの場合はテレワークの推進やペーパーレス化、今後の捺印の廃止も加わりOA機器などのオフィス機器事業に関しても先行きが不透明になっていることも影響していると思われます。ニコンは、カメラ事業と半導体露光装置の事業の比率が高いことと、半導体露光装置の販売も新型コロナウィルスの影響で問題が発生しているようですので、そのことが嫌気しているのだと思われます。
一方で、カメラ事業を譲渡するオリンパスが高値になっているというのは皮肉ですね。もちろんオリンパスの内視鏡などの医療事業が安定していることが大きいと思いますが、そのような中で、不安定要素であるデジカメ事業を切り離したことが市場では歓迎されているのだと思います。
こうなるとニコン、キヤノンもカメラ事業とは別の、もっと儲かる事業を新たにみつけたりなど、事業の構造改革が本当に求められることになりますね。そして、そのときオリンパスと同様にカメラ事業の売却ということもあるのかもしれません。このままでは不安になりますね。
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コメント
コメント一覧 (4件)
ニコンは純粋に「インテル」以後の半導体の方向性でもビジョンを示せていないのが、株主への説得材料を大きく欠いてると言えます。
キヤノンも元東芝メディカルを新たな収入源とするには遠く収益が上がっていません。
コロナやチャイナリスクだけに理由を求めるには失速後退の勢いが強すぎますね。
株主に投資されている以上会社は成長しなければならず、
成長しない企業というのは上場企業でなくとも良いのです。
コロナ減収以前に、そういった評価での株価下落ですね。
要するに、株主に会社の強靭さを証明できなかった訳です。
守りの姿勢に入っている限り今後もこの状況が続くでしょう。
う~んキャノンは意外ですね。ソニーにシェアを奪われているとは言えR5 R6の開発発売でシェアを奪い返そうとする感があるけど。ニコンはねぇ。開発力さえ無くなった感がある。明日のティザー広告の内容次第では更に苦境に陥るかも。
オリンパスはもうカメラメーカーではありません!!
キヤノンのR5,R6の価値を分かっていない投資家が多すぎますね。
リコーはウィズコロナへの対応が遅れ、テレワークにより主力の事務機・複合機離れから売上と株価は下落中の模様、
対して富士フイルムホールディングスは続伸のようです。
ヘルスケア事業の拡大、日立製作所からの画像診断関連事業の買収承認など構造改革が進むと同時に、先端の次世代半導体材料で極端紫外線(EUV)用の感光材(フォトレジスト)へ参入など、シナジーの出る事業展開に弾みがついている格好。
売上高も今期5割の増収と、臨時要因や高付加価値セグメントの手応えも大きな後押しに。
カメラ(イメージングソリューション)を持ちながらでも、特定の事業での赤字の影響を強く受けすぎない所は太いですね。
先導となる業態を変えポートフォリオを入れ替えつつ前に出続けることをやめない会社は強くあります