一方、今後はこうした強い技術を生かせる有望な新規市場を見出すことも欠かせない。中長期的視点では、動画に特化したコンシューマー商品や、監視カメラなどビジネス向けまで多様な市場も視野に入れている。現状のオリンパスのカメララインナップを超えて挑戦を繰り返すことで、最適な市場を見つける必要があるという。
販路や生産も模索している。ただ「VAIO」のように海外市場から一度撤退するという考えはなく、今後も主力市場である欧州など海外販売は続ける方針だ。工場など生産体制も議論中だが、ベトナムの主力工場を残すなど、「ファブレスにする予定はない」(稲垣氏)。
中堅企業の規模にあった構造改革は行っても、単にリストラや工場の売却を行うのではなく、持続可能な黒字化を目指し、初年度には事業の黒字化を達成できればという。その後も外部企業などへ売却するのではなく、JIPのもとで再生復活への道を探る。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://toyokeizai.net/articles/-/374348
どうなる今後のオリンパス
東洋経済ONLINEがオリンパスからカメラ事業を譲渡されるJIPへのインタビュー記事を掲載しています。全文は記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、JIPはVAIO事業での成功を例として、オリンパスブランドを当面維持する予定だとしています。そして、オリンパスのデジカメ事業は、戦略的に投資が行われていなかったとしています。
これだけでもかなり重要な情報がいくつかあることがわかりますね。まず、オリンパスというブランドを当面維持する方針だということがわかりました。つまり、しばらくはオリンパスという名前なカメラが販売される可能性が残されていることを意味していることになります。オリンパスユーザとしては嬉しいところかもしれません。
そして、これまでオリンパスは、今後の市場動向を見据えて長期間における今後の開発計画みたいなものをしっかり持っていなかったことがうかがえますね。そのために戦略的な投資が十分に実施されていなかった可能性が高そうです。このため映像事業で働く人の中には、今後は十分な投資が得られるかもしれないということで、逆に期待を持っているという人もいるようです。十分な資金が割り当てられず、思ったように開発や新製品を作ることができなかったので、悔しい思いをしている人も多かったのかも知れませんね。
引用した文章にも記述がある通り、カメラを含め様々な市場への参入も検討していて、海外での販売の撤退もなく、製造工場なども残していくとしています。さらに、仮に事業が黒字化しても外部企業へ売却することはなく、JIPのもとで復活の道を探るとしていますね。
バラ色の将来が見込める?
もし、これらのことが実現されたら、仮にオリンパス本体から離れてしまうとしても、バラ色の将来が待っているように見えるのではないでしょうか?まとめてみます。
・オリンパスブランドは継続して維持する
・身分に応じたリストラはするが、戦略的に投資をして黒字化を目指す
・ファブレスにはならず、自社で工場を保有し製造もする
・映像に関する様々な市場への参入も検討
・海外での販売の撤退はしない
・外部企業に売却することもない
ほとんど文句なしの100点満点のような状況ですが、実際にはまだ最終契約を結んでおらず、実際にどうなるかは今後の契約がどうなるかにかかっていると思います。
なので、例えば、オリンパスから有利な契約を結びたいといったことや、さらにオリンパスの名称がなくなるのであれば、もうOM-DやPENは購入しないといったユーザを少しでもつなぎ止めるための発言ということも考えられるので、必ずしも言葉通りに受け取れないという可能性もありますよね。
逆に、もしこれらのことをすべて実現し、さらに黒字化できて、長期的に企業として成り立つことができるのであれば、JIPとしても継続的な資金を得られる企業にりプラスになると思いますし、ユーザとしても外国資本参加になることもなく安心して購入できるというようなことになるかもしれません。
そしてオリンパスというブランドを継続して利用できるというのも、まだ最終的な契約をしていないはずなのに、そのようなことを述べてしまってもいいのかな?という印象も持っています。オリンパスの手から離れた会社が、オリンパスの息の掛からないところで開発した製品がかなり印象の悪い製品だと、オリンパス本体にとっても悪い印象を持たれてしまう可能性があります。
なので、恐らく、「オリンパスブランドを当面維持する」という意味は、カメラ事業譲渡前に発売された製品のみオリンパスのロゴを入れて発売してもいいよ?というような感じではないのかな?と想像しています。
実際にはどうなるのでしょうか。心配でもあり楽しみでもありますね。
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