阪大大学院の石井優教授(免疫細胞生物学)と九州大、大手カメラメーカー「ニコン」の研究グループは、近赤外線の光を部位に当てる最新の顕微鏡を使って、子宮頸(けい)部を観察。はね返ってきた光を三次元の画像にし、細胞の状態を詳細に可視化することに成功した。正常の細胞と比べて、がん化した細胞では核が大きくなり、周囲に繊維構造ができている様子が確認できた。
従来の病理診断には早くても2、3日かかるが、この技術ではその場で診断できる。子宮頸がん以外のがんにも活用できるといい、石井教授は「体を傷つけず、迅速にがんの診断ができ、治療後の効果判定も可能だ。発展途上国など医療専門職が少ない地域でも、先進国から画像を遠隔で見ることで診断を提供することができる」と話している。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/59efc3322eac52532e8d153c01e24510b6361759
ニコンらの研究グループががん発見の新技術
毎日新聞がニコンらの研究グループが新しいがん発見の技術を開発したと報じています。
記事によれば、これまでがんの発見には疑わしい部分を切り取り、それから標本を作ったり、病理診断をするのに3日間かかるのだそうです。そして切り取る量が少ないと診断の精度が下がり、切り取る量がおおいと体に負担がかかるし、まれに合併症も起こってしまうということで、様々な問題があったとしています。
ですが、このたびニコンらの研究グループが開発した装置を利用すると、患部を切り取ることなく診断が可能なのだそうです。仕組みとしては近赤外線を疑いのある部分に照射し、それを顕微鏡で見るというようなことをするそうです。そして、それを3次元映像化することで細胞の状態を可視化することができたとしています。しかも、この技術を利用すれば、その場で診断ができるそうなので、非常に便利になることが予想されますね。
事業の多角化を進めるニコン
ニコンは利益における映像事業の比率が高いとされていて、かなり昔から他の儲かる事業を進める必要があるのではないか?と言われていましたね。カメラ市場はしばらくは安泰と思われていましたが、ミラーレスというゲームチェンジャーが現れ、スマホの台頭、コロナの影響などでニコンは2期連続の赤字を覚悟しているような状況になってしまいました。
もう一つの事業の柱である半導体露光装置についても、新型コロナウィルスの影響で中国工場への納品ができない状況になっている可能性もあり、こちらの事業も心配です。
通常は、いわゆる花形の事業で利益を捻出し、その利益で現在の事業が衰退する前に新たな分野に投資をして、新たな儲かる事業を作っておく必要があります。
そこで、ニコンもいろいろやっているところだと思いますが、その一つが今回のような医療事業なのでしょうね。医療分野は人間の体が対象ということで、まだ分かっていない事も多いので、新たな発見があったりして、まだまだ市場の拡大が見込める分野だと思われます。今回はニコンの映像技術を利用して、疑わしい部分の3D映像化を実現できていますし、今後も似たような分野で新しい技術発見があるかもしれません。
医療事業で儲かるようになれば、カメラ事業も細々と続けていける可能性もありますので、ニコンには頑張って欲しいですね。
[template id=”4241″]
コメント
コメント一覧 (3件)
オリンパス臭がしてきたけどカメラ事業だけは手放さないでほしい
未来のないカメラ事業が消えるまでに他の事業に投資するべき
でも、既に遅きかな
のんびりしすぎましたね、ニコン
これが様々な部位のがんの発見に利用できるようになればいいですね。
がん検診の結果がすぐに分かれば早期発見に繋がり健康が維持でき、
また国が支払う健康保険費用の低減に繋がります。