オリンパスがカメラ事業を手放すことになった。9月末をめどに一旦映像事業を切り離し新会社を設立し投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡。その後、最終的な引受先を探すことになる。映像事業は3期連続の赤字。オリンパスブランドの確立に寄与したカメラ事業だが、経営的に足かせになっているとの判断だ。
事業譲渡で気になるのはブランド名だ。オリンパスには、ミラーレス一眼のOM-DやPEN、レンズのZUIKOなどのブランドがある。しかし、最も大きなブランドは社名の「OLYMPUS」そのものだ。同社によると、「OLYMPUSも含め、新会社によるブランド名の使用については現在検討中」(広報関係者)としており、カメラにOLYMPUSを記した製品を今後も維持できるかどうかは未知数だ。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/dfac6e98253a4246b819e6e0ac264a1ec56f9603
オリンパスブランドカメラがなくなる可能性
BCNがオリンパスのカメラ事業について報告しています。
先日、オリンパスが映像事業を分社化して日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡するという報道がありました。その詳細については、よくわかっていない状況でしたが、この記事でどのような状況になる可能性があるのか、少しだけわかりました。その他にも興味深い内容がある記事となっていますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、映像事業を分社化したあと、その会社でオリンパスや、「オリンパスも含め」という記述があることから、OM-D、PENなどのブランドとなっている名称の使用については検討中のようです。そうすると、新会社で発売されるカメラについて、オリンパスという名称が使えないばかりか、OM-Dという名称やPENという名称も利用できない可能性がでできたことになります。
皆さんご存じだと思いますが、ブランドというのは結構重要ですよね。例えば、同じ成分で同じ配合率の虫刺されの塗り薬でも、テレビでよく宣伝しているようなブランドはドラッグストアでも価格が高めで販売されていて、無名なメーカの製品だと数割ぐらい安い価格で販売されていたりします。
カメラにとってはオリンパスという世界で通用するブランド名は販売にとって、非常に重要な存在になるはずで、これが利用できないとなると販売に問題がでる可能性があります。そして従来のオリンパス製品を利用していたユーザにも新しい製品を購入したいと思わせることができなくなる可能性がありますよね。さらにOM-DやPENという名称すら利用できない可能性があるとなると、まったく無名の会社から無名のカメラが発売されるということになり、誰が購入するんだろうという状況になりかねません。
JIPから最終的に他社に譲渡される可能性
記事によれば「9月末をめどに一旦映像事業を切り離し新会社を設立し投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡。その後、最終的な引受先を探すことになる。」との記述があります。
先日の記事を呼んだ段階では、JIPが株式会社の新会社を保有し続け、経営がしったりとしてきた段階で上場させ、株式による創業者利益を得ることが目的ではないか?と思っていました。ですが実際は違ったようです。記事の内容が本当であれば、新会社を経営的に復活させて、そして最終的には他社に売却して利益を得ることを目的としているようです。
いま、仮に市場縮小している状況で、さらに新型コロナウィルスの影響があり、人口も少なくなっている日本国内で事業を引き受けるメーカがあるでしょうか?そうなると最終的には外資に売却される可能性が高いのかな?と思いますね。
その筆頭は中韓の企業だと思います。例えば、サムソンは一時期ミラーレスを販売していましたが、現在は撤退しているような状況です。センサー開発でソニーと対抗していく立場では、オリンパスのカメラ事業を利用して世界で対抗していきたいと考えてもおかしくないように思えます。
さらに中国のファーウェイなどは、もしオリンパスやZUIKOなどのブランド名が利用できた場合、自社のカメラやレンズのブランド名としてそれらを利用したいと考える可能性もありますし、カメラに関する技術を得てスマホの応用しようと考えてもおかしくないと思います。
いったんは日本のファンドに引き取られるということで、少し安心していましたが、ひょっとしたら、カメラ業界にとってかなり大きな出来事になる可能性も考えられそうです。
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コメント
コメント一覧 (2件)
光学技術は兵器に転用できる部分があるため、外国への売却は法律で禁止されているとか、どこかで読んだような気がします。
外資へ売却は技術の国外流出に繋がるから宜しくないし、中国で高速鉄道や電気自動車を作る事例にと同じく、後々日本のカメラメーカーの脅威になりかねない