キヤノンが「デジカメ会社」でなくなる日
・2019年はデジカメ市場の縮小などでリーマンショック以来の苦しい1年で純利益は半減
・新規事業の成長より、既存事業の失速が大きい
・キヤノンは新規事業と既存事業の比率を逆転させると言う
・それはキヤノンがデジカメの会社でなくなることを意味する(記事の一部を要約して引用しています)
(記事元)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54961640Y0A120C2000000/
キヤノンがデジカメ事業に見切りを付ける日も近い?
日本経済新聞がキヤノンに関する記事を掲載しています。
記事によればキヤノンはデジカメなど従来の主力事業では稼げなくなったので、ビジネスモデルを転換する必要があるとしています。そしてキヤノンも新規事業の比率を高めるとして、医療機器、監視カメラ、商業用の印刷機、有機EL製造装置などの産業機器に注力していくとしています。
ということは新規事業と既存事業の比率を逆転させるわけですから、必然的にカメラ事業の割合はかなり低下することになりますよね。キヤノンといえば、カメラ、プリンター、ビジネスプリンタなどを思い出す人が多いと思いますが、カメラや民生用のプリンターなどの割合が低くなることが予想されることになりますよね。
カメラは大まかにわけると一眼レフやミラーレスのレンズ交換式と、レンズ固定式のコンパクトデジタルカメラの二つに分けることができます。コンデジについては世の中で一般的に言われているように、スマホカメラの品質向上で、わざわざコンデジを購入する必要がないんじゃない?ということも相まって、コンデジの販売数は激減しているようですね。レンズ交換式に関しては、特に一眼レフにおいては、すでに所有しているカメラで十分にキレイに撮影できるので買い換える必要がないと感じている人が多いことが原因なのかな?と思います。
唯一、市場を維持しているのがミラーレス市場ですが、この市場もニコンとキヤノンがフルサイズミラーレス市場に進出して買い換える人がいるので市場を維持できているだけで、すでに画質的にはかなり高画質なので、その他の部分で機能が向上しないと買い換えてくれる人が、今後に増えるのかどうか心配なところですよね。
ニッチ市場への参入か、市場開拓か、イノベーションか
ある程度の技術が成熟し、今後の市場が衰退していくことが予想される場合、その状態を打破するには概ね3つの方法があるようです。
その一つが革新的なイノベーションによる市場の拡大です。カメラ業界でわかりやすい例だと、それまでマニュアルフォーカスしかできなかったものがオートフォーカスができるようになったとか、デジタル化したとか、裏面照射型CMOSセンサーが量産されるようになったなどというイノベーションですね。これらにより機能が著しく向上したので、製品を買い換えたいという人が増えることになるわけです。
市場開拓というのは、例えばソニーがレンズスタイルカメラとして販売したDSC-QXシリーズのように、スマホと連携して撮影できるレンズのみのカメラのようなもので、このような他にはないカメラを発売することで新たな市場を開拓する方法です。これについては、例えばGoProが発売したような防塵防滴耐衝撃性能があるアクションカメラなどが、その市場を開拓したいい例だと思います。
そしてニッチ市場への参入というのは、例えば専用の機器があればいいけれども、既存の機器で代替できているような狭い市場に参入して、そこでのシェアを大きく得ようとする考え方ですね。具体的な製品はありませんが、例えばマクロ撮影が可能なレンズで大きなセンサーを搭載したテーブルフォト専用のカメラというようなジャンルに特化したカメラを作って市場に参入するなどです。
キヤノンはカラビナ型のiNSPiC RECというカメラを発売したり、腕時計型カメラやソニーのレンズスタイルカメラのようなカメラを展示会などに出品していて、新しい市場開拓にもかなり積極的におこなっているようです。新しいイノベーションを起こす製品というのはなかなか難しいと思いますが、様々な方面でカメラに関する研究開発を頑張って欲しいですね。
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コメント
コメント一覧 (1件)
キヤノンがデジカメ会社ではなくなると今頃言われても不思議な感じがします。
社名からカメラの文字をなくした頃から事業のの多角化を進めています。
その後カメラが売れなくなった時期には事務機部門に喰わせて貰っていて肩身が狭いと
カメラ部門の技術屋さんが言っていたりでカメラメカーとは言いがたいですね。
ただ祖業であるカメラ部門は別格の扱いで何があってもカメラから撤退はないようです。