AP:ボディ内手振れ補正の代わりにレンズ内手ぶれ補正を使用した理由は?
RH:設計上の考慮がすべてだ。このボディでは、我々ま間違いなく多くの機能を小さく軽量なボディに詰め込もうとしている。そして、もしボディ内手振れ補正を搭載しようとした場合、サイズや筐体を犠牲にしなければならなかった。さらに、私はこの製品を購入するユーザは特に価格の観点から、ボディ内手振れ補正を期待していないと思っている。これら様々な要素を考慮して、レンズ内手ぶれ補正を決定して選択した。
AP:ニコンは、DXフォーマットのZマウントレンズを増やすつもりなのか?
RH:今日、FXとDXの両方のフォーマットレンズを含む、今後3年間のレンズロードマップを発表した。消費者のニーズを常に見直している。もちろん、Nikon Z50でFTZマウントアダプターを使用し、ユーザーがカメラで既存のFマウントレンズを使用できるようになる。
AP:Zマウントではカメラの設計サイズが、ニコンが望むより大きくなってしまうのでは?
RH:いいえ、Nikon Z50を使用すると、Zマウントを含めながら、非常に小さくても非常に優れた寸法のボディを使用できることが実証されている。
AP:Nikon Z50の製作にはどのぐらいの期間がかかったのか?
RH:開発決定や開発計画についてコメントすることはできない。繰り返しになるが、どのような製品を提供する必要があるかという観点から常に市場を見直している。Nikon Z50の素晴らしい点は、昨年Nikon Z6とNikon Z7を市場に投入したということで、Nikon Zユーザーの底辺を拡大することは非常に重要だ。Zマウントシステム全体に人々を取り込むため、私たちは低価格帯レベルに注力したいと考えている。
AP:Z50が登場した今、DXフォーマットの一眼レフシリーズに対するニコンの計画はどのようなものか?
RH:私たちの戦略は両方のシステム(一眼レフとミラーレス)を並行して実行することだ。それぞれに利点があり、光学式ファインダーを使用してバッテリーの寿命を長くしたいユーザーもいる。多くの人がビデオ性能と製品サイズを考えてミラーレスに移行している。私たちの戦略は、両方の製品を完全に並行に実行することだ。
AP:Nikon Z50の発売によって、カメラがプロフェッショナルからエントリーまで届く可能性があることを示唆している。なにかコメントはあるか?
RH:Z利用者の底辺をできる限り拡大しようとしている。今後も全範囲で製品を開発していく。私たちが何を開発しているのかについて特にコメントできないが、私たちは両方のシステムに完全に関与しており、戦略は変わっていない。
AP:この最初のDXフォーマット製品で1000ポンド以下の価格帯を実現することはどれほど重要なのか?
RH:それは確かに考慮すべき事柄だった。価格に見合ったカメラスペックは、非常に魅力的な提案だ。Nikon Z6から多くの機能を継承し、私たちが見ているターゲット市場に基づいている。D3000やD5000シリーズからアップグレードしようとしているタイプの愛好家だけでなく、手頃な価格のカメラは最初にカメラを所有する人には非常に重要な特性であり、このカメラでそれを達成できたと思っている。
AP:USB Type-Cを採用しない理由は?
NF:多くの機能を非常に小さなフォームファクターにまとめようとしている。より大きなUSBポートを使用するということは、カメラを大きくする必要があることを意味する。そのため、非常に小さく、非常に軽量なポータブルカメラを作成するという設計上の決定に戻る。
AP:画面上の永続的なタッチボタンにある考え方の背景は何か?
RH:繰り返しになるが、ターゲットユーザー層に戻る。背面にタッチボタンがあると、カメラの背面にあるボタンの数を減らすことができる。非常にアクセスしやすく、使いやすい。ユーザーは「i」メニューにも簡単にアクセスでき、カメラ内ですべての設定を簡単に調整できる。小さな筐体で使いやすいカメラを持つことは、本当に非常に重要だ。
NF:それを追加できれば、カメラは片手で操作できる。スマートフォン利用者の場合は、タッチスクリーン機能に慣れている。タッチボタンは使い慣れており、使いやすい。
AP:画面を自撮りモードに切り替えたときの制限の1つは、三脚の頭部分または取り付け部分で簡単に液晶の利用が制限されてしまうことだ。ニコンはこれについてどう考えているのか?
RH:バリアングルスクリーンが必要な場合、特に、ほとんどの人がNikon Z50を手持ちによるビデオブログに使用することを期待しているという事実を考えると、画面を下に傾けることが最も適切な選択肢だと感じた。これは、設計にとって最良の妥協案だった。
AP:Nikon Z50が登場したが、なぜ人々はNikon DXフォーマットの一眼レフを買うのか?
NF:ミラーレスはすべての人向けの製品ではない。誰もがEVFを好むわけではなく、多くの人々が光学式ビューファインダーを本当に好んでる。一部の人々は、一眼レフの感触、重量、ボタンのサイズを非常に好んでいる。私たちの戦略は、両方の長所を最大限に活かすことだ。したがって、ユーザーが優れたデジタル一眼レフカメラを必要とする場合には、そのシリーズを利用することができる。我々は一眼レフとミラーレスに今後も投資すると期待している。
(記事を一部意訳しています)
Z50に関するインタビュー記事が掲載
イギリスのカメラ専門サイトAmateurPhotographerがニコンとのインタビュー記事を掲載しています。記事では様々な内容のインタビューが行われており、興味深いものとなっています。それぞれ少しずつみていきます。
[template id=”1378″]
ボディ内手振れ補正とUSB Type-C採用は小型化と低価格化のため
記事によれば、ボディ内手振れ補正を採用しなかったのは、価格面と本体サイズを考慮したからだとしています。確かにボディ内手振れ補正を採用していたら、価格もかなり高くなり、筐体も大きくなってしまう可能性がありますね。それを考えると、この価格帯と機能のミラーレスとしては、かなり経営的には厳しい決断をしなければならなかったというところだと思います。
このインタビュー記事では何回もZマウントシステムのユーザ層を広げるためという言葉がでてきていますが、これは逆にいうとユーザがどんどん他社に逃げてしまっていることの裏返しなのだと思われます。そうなると価格対性能比、いわゆるコストパフォーマンスで良い製品を作る必要があるというわけで、ボディ内手振れ補正やUSB Type-Cの不採用はギリギリの選択だったと考えられそうです。
[template id=”1378″]
Z50はD5x00シリーズ以上、D7x00シリーズ未満?
興味深いのは、「Z50はD3000やD5000十リーズからアップグレードしようとしている・・・」という発言があるところです。交換や置換えを意味するreplaceではなく、upgradeという言葉を利用していることから、Z50はD5x00シリーズの後継ではなく上位機種と考えている可能性がありそうですね。
ですが、D7x00シリーズとしては価格的にも安めですし、バッテリーの容量などを考えると、少し物足りないのかな?とも思います。そうなるとZ50はD5x00以上、D7x00未満というシリーズになるのでしょうか?もし、D7x00の後継機種と単純に考えると、D7500の初値よりかなりZ50は安いですので、かなり戦略的な価格になっているとも考えられそうです。ですが、D5x00の後継機種と考えると割高感がでてきてしまいますね。
[template id=”1378″]
一眼レフと並行して開発は本当か?
今回の記事でニコンは改めて一眼レフとミラーレスの両方に投資していくことを明らかにしています。しかし、このような噂があるのも事実ですね(参照 ニコン 一眼レフ4機種がディスコン?生き残る一眼レフを噂から検証)。
もし仮に一眼レフがいくつかディスコンになるとしても、それはメーカとしては絶対に言わないと思います。実際に、Nikon 1についてもずっと継続していくと言い続けていましたが、今ではすべて販売は停止しています。個人的にはエントリークラスの一眼レフはAPS-Cとフルサイズのどちらもディスコンで、ミラーレス化していくのではないかな?と考えています。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
コメント
コメント一覧 (2件)
まあ、いずれはレフ機は無くなる運命でしょうが、10年ぐらいは高価格帯の機種は出すんでしょうね。
ニコワンとは歴史の長さが違うので、単純な比較は無理かと思います。いずれにせよ、直ぐには止められないと思いますよ。
ただし、ニコンもZマウントで転ける事が何を意味してるかは理解しているので、自ずとそっちに力が行くのも仕方ないかと思います。
自分の場合はD850が安くなったら、自身購入の最後のレフ機として保存用に買おうかと考えています。
ボディ内手振れ補正は期待しています。