―小型化・軽量化に力を注ぐ理由は。
「小さくて軽いシステムは超望遠との相性がいい。特に交換レンズは焦点距離が伸びるほど大きく、重くなりやすい。望遠領域での製品の小型・軽量化は(フルサイズなど)他社との差が際立つ」―35ミリメートル判換算で焦点距離1000ミリメートル相当という超望遠レンズを開発中です。
「フルサイズのシステムで作ると相当大きなレンズになってしまうだろう。テレコンバーターを使えば最大2000ミリメートル相当まで伸びる点も踏まえると、かなり大きな強みを持つ製品になる」―手持ち撮影にこだわっています。
「機動力や手ブレ補正が優れていると、野鳥や電車の撮影、運動会など三脚を使えない場面で真価を発揮する。三脚がなくても被写体をよく捉えられるシステムは、それだけ撮影の自由度が高い。他社製品では撮れない写真を提供できる」―最上位機種「OM―D E―M1X」への評価について。
「高解像度写真を手持ちで撮影できる『手持ちハイレゾショット』や最大7・5段の手ブレ補正など、世界初の技術が多い。自分たちの手で初めての技術を世に送り出すことも、開発陣が大事にしているポイント。日々挑戦をしている」―人気ブランドの「OLYMPUS PEN」は誕生10周年を迎えました。
「女性を中心に、スタイリッシュだと高評価を受けてきた。デザインや小さい鞄に入るサイズで、持つことを喜んでもらう製品だと思う。『小型・軽量』はPENシリーズとOM―Dシリーズに共通するキーワード。オリンパスの強みであることを各地域で伝えていきたい。ミラーレスカメラの伸び幅が落ち着いて成熟する中で、どのように戦っていくのかがポイントだ」―ユーザー拡大に向けたポイントは。
「オリンパスのカメラを使ってもらって、気に入ってもらう場面を増やしていく必要がある。今までカメラに興味が無かった人に興味を持ってもらうには、触ってもらうことが重要だ。システムのよさは『このような写真を撮りたい』という思いを実現できること。レンズを変えると撮れる写真が変わる、という楽しさを訴求していく」(記事を一部引用しています)
オリンパスは望遠性能と機動性に期待
オリンパスの今後の戦略についてのインタビュー記事が掲載されています。掲載されている内容ですが、念頭に置いておきたいのは、まず、今はフルサイズミラーレスが圧倒的に注目されているという状況があるということです。
ご存じの通り、ソニー、ニコン、キヤノンはフルサイズミラーレス市場に参入したわけですが、それを追いかけるようにパナソニック、ライカ、シグマはアライアンスを組んで共同でフルサイズミラーレス市場に参入しました。パナソニックとオリンパスと長らくマイクロフォーサーズ規格でタッグを組んでいましたので、オリンパスはフルサイズミラーレス市場に参入するかと思われていたわけですが、残念ながらオリンパスはフルサイズ市場に参入する意思はないようですね。そういう視点から、この記事を読むと面白いかもしれませんね。
オリンパスはセンサーサイズが小さいことによってシステム全体を小さく軽量にできることを最大のメリットだとして、その魅力を理解してもらうような施策を考えているようです。まずは望遠レンズが必要な分野では、望遠レンズそのものを小さくすることができるためメリットがあるということ。またレンズが軽くなれば手持ちの撮影もしやすくなるということで、手振れ補正を強力にすることで手持ち撮影でのメリットもでてくると考えているようですね。
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「撮影の楽しさを理解してもらう」がキーワード
どのメーカもそうですが、実際にカメラを利用してもらって、スマホとの違いを理解してもらうということがキーワードだと思っているようです。その大きな理由がセンサーサイズの大きさと光学ズームがあることによる高画質と使い勝手が良いカメラであることを理解してもらうことにあるのだと思います。
センサーサイズが大きければ、それだけ画質が良いのは当たり前ですが、今は様々な加工技術やAI技術でセンサーサイズの違いによる画質の違いについては解消されつつあります。そこで重要なのが機動力、撮影することの楽しさというキーワードですね。
記事では野鳥撮影などが例に取り上げられていますが、いくらスマホが小型軽量で機動力があったとしても、野鳥の撮影などは望遠レンズが必要でさすがにスマホでは難しいです。そういう状況では確かにフルサイズミラーレスよりも小型軽量できて便利だと言うことが出来そうです。
さらに、個人的にはこれが一番大事だと思うのですが、やはり撮影することの楽しさを知ってもらうのが一番だと思いますね。いまのスマホ撮影では構図だけ決めてボタンを押せば撮影できてしまうわけですが、シャッター速度、絞り、ISOなどを自分で決めて撮影することで様々な表現ができるけど、そういう撮影を思い通りにするのはとても難しいものです。
車でいうとオートマとマニュアルに似ていて、オートマですと普通に運転できてしまうわけですが、マニュアルでは速度とシフトを合わせるとか、加速するためにシフトダウンして加速するなど自分で思い通りに操作できるという楽しみがあります。それと同様にカメラに関してもカメラまかせにするのではなく、様々な設定を自分で行うことで撮影の楽しさみたいなものを理解してもらおうということが、各社のキーワードになっているようです。
取り組みの考え方としては理解できますが、ユーザがどれだけカメラの楽しさを理解してくれるのか、そのあたり難しいところなのかもしれませんね。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
(記事元)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190921-00010000-newswitch-ind
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