Nikon Z fc レトロスタイルカメラの楽しみ方 機械式ダイヤルの理由

Nikon Z fcの機械式ダイヤル

レトロスタイルのNikon Z fcが発表されました。往年のニコンのフィルムカメラのスタイルに似ているということもあり、大きく話題になっています。そして、予約開始後1日で製品供給に遅れがでる可能性があると発表され、かなりのバックオーダーを抱えているという状態になっていることもわかりました。

Nikon Z fcの特徴の一つとして、レトロスタイルということもありますが、各種の設定ダイヤルがカメラ上部にいくつも並んでいることも特徴の一つであると思います。これらのダイヤルがあることで、自分好みの設定をあらかじめしておいたり、撮影の度に変更するということが可能になります。このダイヤルは一体どのような目的で使われるのでしょうか?

従来の撮影方法もM/A/S/P/AUTOで設定可能

まず最初に、Nikon Z fcは完全にマニュアル操作しかできないカメラではなく、従来のようなカメラの使い方も可能です。カメラ上部の左側にはM/A/S/P/AUTOの設定ダイヤルがあり、これを各種のモードに設定することで、既存の一般的なカメラと同じように撮影をすることが可能になります。

Nikon Z fcの上部(画像クリックで拡大します)

M/A/S/P/AUTOのそれぞれの意味は、Mがマニュアル、Aが絞り優先、Sがシャッター速度優先、Pが絞りとシャッター速度の設定が自動、AUTOは完全にフルオートを意味しています。PとAUTOの区別が難しいのですが、Pはホワイトバランスなど設定が可能ですが、AUTOは完全にフルオートです。カメラまかせですね。

だからNikon Z fcがレトロスタイルだからといって、従来のカメラの使い方ができないというわけでなく、MASPダイヤルで設定してあげることで、これまで通りのカメラとしても使うことが可能です。

カメラの設定のトリレンマ

どうしてこのような設定ができるようになっているかというと、カメラの露出に関しては、シャッター速度、絞り、ISO感度がジレンマならぬトリレンマの状態になっているからです。例えばISO感度を固定してみます。絞りを絞るとそれだけ光量が少なくなるので、そのぶんだけシャッター速度を長くしてより多くの光を取り入れる必要があります。逆にシャッター速度を短くすると、それだけ光量が少なくなるので、そのぶんだけ絞りを開いてあげる必要がでてきます。

今度はシャッター速度を固定して考えてみます。絞りを絞ると光量が少なくなるので、適切な露出を得るためには、そのぶんISO感度を高く設定する必要があります。逆に絞りを開けると光量が多くなるので、そのぶんISO感度を低く設定する必要があります。

そのため、「あちらを立てればこちらが立たぬ」という状況になり、何かの設定を変更すると最適な露出を得るためには、他の設定を変更しなければならないということになってしまいます。

それを自動的に解決してくれるのが、それぞれのモードで、例えば「絞り優先」のAモードに設定し、自分で絞り値を決定すれば、あとはカメラが勝手にISO値とシャッター速度を決定してくれます。「シャッター速度優先」のSモードでは、自分がシャッター速度を決定すれば、カメラがISO値と絞り値を決定してくれるという仕組みになっています。

カメラ撮影の楽しさは撮影の不自由から生まれる?

いまのデジカメは撮影時のISO感度を自由に決めることができます。ISO感度とは、光量を得ることがでくる能力のことで、ISO感度が高いとより少ない量で適切な露出が得られますが、ISO感度が低いとより大きな光量が必要になります。

だったらわざわざISO感度を低くしなくても高いまま利用すればいいじゃないかと思いますが、ISO感度を高くすると、ノイズが多く入ってしまいます。なので、できるだけISO感度を低く撮影したいというのが実際です。なので、オート撮影時には、できるだけ絞りとシャッター速度を最適にして、ISO感度を低く設定するようになっています。

この撮影のたびにISO感度を自由に設定できるというのは、実はデジカメだからできることです。フィルムカメラ時代は、ISO感度は使用するフィルムによって異なっていて、いちどフィルムをカメラに装填すると最後まで撮影しないと交換できないので、同じISOのフィルムを使い切るしかありませんでした。いわゆる一発勝負てきな状況になるわけです。

デジタルになって、撮影の度にISO感度を変更できるようになって、この問題は解決されました。ですが、撮影の都度、ISO感度を変更できるというのは利便性が高まる反面、撮影の難しさ(面白さ)を失ったということも言えるかもしれません。

フィルムカメラでの撮影を楽しんでいる人は、いちど撮影したらやり直しができないということもありますが、ISO値が固定になるので、絞りとシャッター速度を自分が思うように撮影するために自分で最適な設定をしなければならないという撮影の難しさを楽しんでいる側面もあるのだと思います。

あらためてZ fcで撮影を楽しむには

Nikon Z fcの上部のダイヤルをみると、シャッター速度を設定できるダイヤルがあることがわかります。そして、絞りについてはレンズにコントロールリングがありますので、コントロールリングを回すことによって絞り値を設定することができます。

なので今日の天気はこんな感じだからと撮影前にISO値を固定してしまって、あとはシャッター速度と、絞り値を自分で決定して撮影を楽しむというのが、往年のフィルムカメラの雰囲気を楽しむ撮影としては正しい姿なのかな?という感じもします。不自由が楽しいという側面を考えると、そのような撮影をして楽しむ人にとってはISO感度のダイヤルは必要ないのかもしれません。

撮影を楽しむといっても、楽しみ方は人それぞれで、ただボタンを押すだけである程度の撮影ができればいいという人もいますし、自分で完全に設定して、うまく撮影できたことを楽しみたいという人もいると思います。Z fcに関しては恐らく後者の楽しみ方をするカメラだと思いますので、各種の機械ダイヤルを自分で設定して撮影を楽しんで欲しいなと個人的には思います。

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「Nikon Z fc レトロスタイルカメラの楽しみ方 機械式ダイヤルの理由」への2件のフィードバック

  1. 寝返った男

    確かにISO感度を自由に変えられるのは楽ですよ。フィルムでは夕方太陽が低くなってくると同じISO感度で取り続けなければならないので絞りとシャッター速度の戦いみたいな感じになり、時には撮影断念ってこともありましたからね。デジタルはISO感度を上げれば絞りとシャッター速度の戦いはかなり解消されます(今度は画質が荒くなるので画質との戦いになりますが)
    自分は未だにポジフィルムを併用していますが理由はD90を使い始めた時にローパスフィルターの影響かポジフィルムに比べ記憶にある色と発色が異なる、細かい部分の遠近感がない(ベタっとした感じ)からです。
    但し、今年に入りR6を使い始めてから高画素化と画像処理が改善されたのか、発色や遠近感は改善された様に感じフィルムカメラ(F6)の使用頻度を減らそうと考えています。
    同時にフィルムカメラと言えどF6はAFはもちろんプログラム 絞り優先 シャッター速度優先のオート露出とマルチパターン測光が付いており光線状態が特殊でなければフルオートでも撮影は可能なので
    フィルムを使って撮るならばニコンFやニコマートFT(所有はしてるが修理不能で使えない)などのカメラを使って撮りたいと最近は思っています。

  2. 所有者も被写体も、カメラを意識させるのはコンベンショナルなフイルムカメラの一眼レフスタイルでしょうか。
    起死回生の初球はDfcであっても、Z用Sレンズの充実も早急な課題でしょう!
    今は、頑張れニコンのエールを贈るにとどめたいと思います。

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