Nikon Z 9のセンサーはタワージャズ製?
次のNikon Z 9のセンサーは、ソニーではなくタワーセミコンダクターによって製造される可能性がある。DPreviewのスレッドは非常に長いが、これが主なポイントだ。
・Nikon Z 50とD7500は、すでにタワーセミコンダクター製のセンサーを実装している
・ニコンとタワーセミコンダクターは、2021年2月に1億5000万ドルの部品供給契約にサインしている
・ニコンは新しい1インチの178.4万画素の積層型CMOS 4k 1000fpsセンサーの開発を発表している
・タワーセミコンダクター/タワージャズもまた、ニコンはソニーのセンサーを頼りにすべきでないと考えている。このビデオの8分のところをみて欲しい。(彼はソニーもまたカメラ市場にいるという事実を問題視している。だから、例えばセンサーの供給に競合がある場合、ソニーはニコンにかわって自社に利益を与えるかもしれない。)
NikonRumorsが、Nikon Z 9の仕様の噂について投稿しています。記事では、ニコンのフラッグシップモデルであるNikon Z 9がタワーセミコンダクターのセンサーを搭載するかもしれないとしています。ただし、これは現在のところ、噂といったレベルのものではなく、完全に推測であることに注意が必要です。
記事元では動画へのリンクがあるのですが、そのリンクはflash動画で現在は再生できないので、リンクは外してあります。たぶん括弧の中身が、そのビデオの中で述べられていることだと思います。
記事では、ニコンがすでに他のカメラでタワーセミコンダクターのセンサーを利用していること、ニコンとタワーセミコンダクターが何かしらの契約をしていることなどが記述されており、タワーセミコンダクターもイメージセンサー市場で自社のシェアを高める必要性があることから、互いの思惑が一致して、Nikon Z 9には何かしらの新しい技術が投入されたイメージセンサーが投入される可能性があるのでは?という話になっているようですね。
引用していませんが、記事では、他のサイトから、ニコンが完全に自社開発のセンサーを利用して、何かしらのイノベーションを行おうとしている可能性があり、それがNikon Z 9に搭載される可能性もあるのではないか?という主旨のコメントを引用しています。
なので設計図はニコンが引くので、製造はタワーセミコンダクターにお願いするといったことが予想されるということをいいたいようですね。つまり製造工場を持たないファブレス企業と製造メーカという関係になるかもしれないということのようです。
カメラの性能を決めるイメージセンサー
これまでのところ、デジカメの機能の多くはイメージセンサーの性能で決まってしまうような状況になっています。例えば、解像度、動画撮影性能、像面位相差、連写数、読み取り速度、グローバルシャッターなどです。特に、最近流行の8k動画や、30コマ/秒の高速撮影、グローバルシャッターなどについては、センサー性能の向上が重要になってきます。
そうなるとセンサーを自社で設計、製造し、自社のカメラに搭載できるメーカは有利になりますよね。それがキヤノンとソニーです。ソニーは自社で作りたいカメラの仕様を設定して、そこからセンサーを設計することができるので、非常に有利になります。そして、他社へも供給しているので、大量生産により製造コストも低下します。
一方、ニコンなどは工場を持っていないので、製造を他社にお願いするしかないですし、また時には他社設計のセンサーをカメラに利用せざるを得ないというような状況になっています。そうすると、他社が設計したセンサーの性能に縛られてしまいますから性能的にも二番煎じ状態になってしまうのも仕方がないところですよね。
もし、ニコンが本当にタワーセミコンダクターに製造を委託し、ニコン設計の新センサーが搭載されるとしたら、そしてそのセンサーが何かしらのイノベーティブなものであったとしたら、ちょっと興奮してしまいそうです。どのようなカメラになるのか少し楽しみなところですが、これは完全に憶測ですし、もちろんソニーセンサーになる可能性もあるので、話半分で考えておいたほうがよさそうです。
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コメント
コメント一覧 (3件)
ニコンもD2Hの頃には自社製のセンサーの開発に乗り出したこともありましたが、いつもの悪い癖が出て一代目で開発が止まってしまいました。そのころのノウハウをSONYと共有することで、両者は今のような持ちつ持たれつの関係になっていきました。なんと言っても現状ではニコンはSONYのセンサー部門の上得意様ですからね。当時はSONYはCCDでは第一線のメーカーでしたが、CMOSは強いとは言えない状況だったと思います。
時代は流れて、ますますメカ的な差別化が難しくなった昨今では、センサー性能がカメラの大部分を決めてしまうほど重要度を増しています。SONYの躍進はそのままセンサー性能の優位性と言っても過言ではありません。
恐らくニコン社内では、センサーの仕様は自社を中心に、また、製造は他社を利用しつつ最も安価に製造してくれる所と組むことで設備費を抑えたかったんだと思います。特に汎用品であれば、メーカー間で競合させることで買い叩く事も出来ると踏んだんじゃないでしょうか(ここは推測)。仮に汎用品のセンサーであっても、メカ部に自信のあるニコンは十分差別化できるとの考えだったのかも知れませんね。
そこでこの記事なのですが、東芝があの状態になってSONYに吸収された事でニコンがお客として選べるメーカーが減ってしまい、当初のシナリオが上手く機能しなくなって来たように思います。SONYの寡占状況が強くなり、頼める相手が限定されてきました。もちろん機密保持契約等は結んでいるかと思いますが、特にSONYに依頼する場合はニコンの手の内を事前に開示する必要があるように推測します。
この様な事を総合的に勘案すると、今回のタワーへの製造依頼は理にかなった物です。ただ、タワーはどれほどの製造技術を持っているのでしょうか?SONYよりは劣るのではないかと推測します。(詳しいヒトは教えてください。)ただ、イメージセンサーの製造自身が最新SocやCPU、メモリ等に比べて比較的枯れた技術であることを考えると、それほどの差が無いのかも知れません。
総括すると、競合するメーカーに基幹部品を依存するのはビジネスとしては避けなければならないということかと思います。
ああ、そういえばSONYはカメラ部とセンサー製造部は社内でも独立しているという意見もありますね。そうであるなら、機密保持契約だけで行けるのかな?
基幹部品を競合メーカーに頼らず他社から調達出来れば、手の内を
見られないで済みますね。
例えニコンが設計したとしても、センサー製造メーカーはすべて
お見通しということになってしまいますから。
どうなるんでしょうね、Z9。タワージャズ製だからといって、現段階で特にこうだと言えるわけでもなさそうですし。とにかく、α1の後追い的なのもどうかと思っています。まだ実際はどの程度かというのはわかりませんが、キャノンはR3で、視線入力を打ち出したりもしていますし、R5の時もボディ内手振れ補正(協調して8段分)や8Kを打ち出していたような気がします。ソニーのα1も、グローバルシャッターかと言われて
いるときに、メカシャッターを刷新してきたのにも驚きました。個人的にはニコン1眼レフではAFが印象的だったと感じています。ニコンはまだ超望遠系を出していないですし、超望遠系と絡んだ何かとか? とにかく何か特徴を出して欲しいです。その点でも違うセンサーがあるというのは悪い話ではないのですが、古い人間なので、それだけだと寂しいです(勝手言ってますが)。