【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ装置とカメラ装置との間に着脱可能なアダプタ装置であって、鏡筒と、光軸の方向において前記鏡筒の移動を行うための移動機構と、前記移動機構を操作する操作部と、を有することを特徴とするアダプタ装置。
【請求項2】
前記方向における前記鏡筒の位置に対応する光学的な状態を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1に記載のアダプタ装置。(記事を一部引用しています)
焦点距離を変更可能なテレコン特許
キヤノンが焦点距離を変更可能なテレコンバーターの特許を出願しています。
出願した特許には上記のような図面が含まれています。上の図はたぶんスライドさせるつまみ状のようなものがあることがわかりますね。よくある車のオートマのシフトレバーのように画像では上下(カメラ側からみると左右)に移動させるレバーがあり、これを移動させることでテレコンの倍率が変わるらしいことがわかります。
画像をみると1.0倍から2.0倍まで可変なようですので、仮に100mmのレンズだとしたら100mmから200mmまで可変で倍率を変更できるということなのでしょうか?テレコンをかませて1.0倍というのがちょっと面白いと思いました。
そして下側の画像をみるとレンズ4枚でこれが実現できていることにもちょっと驚きました。結構簡単にできるのですね。図をみると交換レンズ側の2枚のレンズが前後に移動することにより焦点距離が変更できるように仕組みになっているようです。
発売の可能性は?
これまでテレコンバーターというと、基本的に倍率が固定されていて、製品ごと、または状況ごとにあわせて1.5倍とか2.0倍とかのテレコンを組み合わせて利用していました。なので、その都度取り外して付け替えたりする必要があり、たびたびテレコンを交換して撮影するような場合には取り扱いが非常に面倒でした。
もちろん、複数のテレコンを購入しレンズに装着しておけば問題は解決するのかもしれませんが、同じレンズで複数の異なる倍率のテレコンを付けたり外したりする必要がある場合には、やはりやりくりが面倒ですし、予算的にも現実ではありません。また、天候や状況によってはテレコンやレンズの取り外しが難しいシチュエーションなどもあります。
ですが、このような倍率が可変なテレコンの場合、同じレンズを使うという条件付きですが、テレコンの倍率が可変でレンズの取り外しが必要ないので、面倒がなくなりますし、ちょっとした小雨の時とか、砂埃がある場所といったところでも、その影響を受けずに倍率を変更できるのでかなり便利になる可能性も考えられそうです。
では、発売の可能性ですが、すべての特許の内容をみていないので詳しいことは言えないのですが、まずレンズの特許が「未請求」になっていること、テレコンで利用されているレンズに関する設計の詳細がない(数式の記述がない)ことから、どちらかというと防衛的に申請された特許のような可能性が高いように思いますね。
このように審査請求せずに特許に出して、このように公になることで、キヤノンが特許を出した時点でそのことが既知の技術として世の中に知られることになります。つまり、すでに既知の技術なのでそれ移行の企業は、同様の特許を出願しても認められることはありません。なので他社に使われないために念のために出しておこう、もし必要なら改めて申請しなおせばいいというような状況なのかな?というようにも思います。
非常に面白い特許ですが、可変のテレコンは画質的には問題になる可能性があるので、実際に発売されるのかどうかは結構むずかしいところなのかな?という印象です。
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コメント
コメント一覧 (1件)
ズームテレコンは昔、三協光機がコムラーテレモアズームと言う物を
販売していました。
特許の文献を読んでいませんが他の発明に対する説明の課程で出てきていると
思われます。
画質については最初からこのズームテレコン込みで光学設計してあれば
影響は少ないと考えられます。
ズームテレコンを取り付けたときにマスターレンズの個々のレンズ群を
最適位置に移動すれば良いのです。
RF70-200mm F2.8 L IS USM など現在テレコンが取り付けられない
レンズ用途を考えているのかも知れません。