かつてのフィルム時代では、写真とは、記録し、思い出を残すためのツールだった。しかし、デジタル時代のチェキは、新しいスタイルのコミュニケーション・ツールとして活用されるようになりはじめていた。
デジタルカメラやスマートフォンを使えば、液晶画面で写真はすぐに確認できるし、データ共有も難なくできる。記録し、思い出を残すためのツールとしては、インスタントカメラは使命を終えていた。
しかしチェキで撮影すれば、データではなく紙の写真をその場で手にできる。これはパーティやイベントなどで、友人たちとの心地よい時間を切り取るのに活用したくなる特性である。さらにフィルム写真独特の風合いがあることに加えて、インスタントカメラだと気楽にパシャパシャ取り直すことは難しく、現像されるまで仕上がりはわからず、そして焼き増しはできない。ここから、「たった一枚だけの写真」という特別感が生まれる。
デジタル化のなかで簡単にいくらでも複製ができるようになったことで写真が失ってしまった味わいや感覚を、チェキは提供する。そこから生まれるオーセンティシティ(本物感)を楽しみながら、大切な時間を切り取り共有するコミュニケーション・ツールとして、チェキは活用されるようになっていた。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/49ab522e3cc45b07158dd81cd40ecce331f747f8
インスタントカメラ復活の理由
プレジデントオンラインがインスタントカメラ復活の理由について報告しています。
かつて一世を風靡した富士フイルムのインスタントカメラのチェキですが、発売当初は最大で年間に100万台が売れる程度だったそうです。ですが、最近になって再ブームになり、2018年には年間で1000万台が売れるまでになっているのだそうです。
そこでスマホ全盛でデジカメ市場が縮小しているなか、どうしてチェキがそんなに売れるのか?といったことが記述されています。長文ですので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、チェキはデジタル的に複製のできない、その場で写真をやりとりできるコミュニケーションツールの一つとして利用されている側面があるとしています。そしてインスタントカメラならではの画質が好まれている側面があるようですね。あのフィルムカメラのようや粒子感というか、ざらざら感みたいなものがレトロな感じというか、変わった風合いになって最近のスマホ撮影の写真に見慣れた人には斬新なのかもしれませんね。
その場で印刷できコミュニケーションの一つとして利用ができる
チェキについては、例えばアイドルとの握手会や、簡単なツーショットを撮影できるような場所、さらにメイドカフェなどでメイドさんと撮影するのに利用されていたりするようです。その場で撮影して、すぐに写真を得られますし、そこにアイドルやメイドさんにサインをしてもらうことも可能です。
さらにデジタルデータではなく物理的な写真ですので、同じものは二つとなく複製ができないので、世界で唯一の写真ということで、プレミア感があるというようなことなのでしょうね。フィルム写真でも同じようなことが言えますが、フィルム写真の場合は焼き増しができるので、インスタントカメラとはちょっと異なるのかもしれません(厳密にはインスタント写真の焼き増し的なことも可能です)。
このようにインスタントカメラにはデジカメとは別の魅力があるということのようですが、同じように別の側面の魅力といったものをデジカメにも見いだすことにはできないのでしょうかね?
個人的にはすべてオートで撮影してしまうと、カメラはボタンを押せば勝手に撮影できるだけの機械になってしまうので、つまらなくなってしまうのではないのかな?と思っています。車でもマニュアル車にはマニュアル車の楽しみ方があるように、カメラも自分でマニュアル設定して撮影できる楽しみというのが広まっていくといいな?と思いますね。
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コメント
コメント一覧 (1件)
デジタルデータは所詮0と1の集合体として記録メディア上に並んでいるだけですから、そこにある物質としての実体感が無いんでしょうか。
たとえ手のひらに乗るような小さな写真であっても、チェキの場合は確かな存在感があるように感じます。
あと、印刷物はエレキの助けが無くても瞬時で見られる利便性もありますよね。