月着陸計画で10年前のNikon D5が採用された理由

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Nikon D5

アルテミス計画でNikon D5が採用された理由

D5は2017年から国際宇宙ステーション(ISS)で使われ続けてきた実績がある。宇宙では放射線の影響で地球上よりもイメージセンサーに画素欠陥が発生しやすく、画質が劣化することがある。NASAの宇宙飛行士の撮影講師を務めるポール・ライチャート氏はロイター通信の取材に対し、ISSでの運用経験や放射線環境下での安定性を評価し、「この機材には確かな実績があった」と語る。

次世代機はNikon Z9へ

アルテミス計画でニコンのデジタルカメラNikon D5が使用され話題になっていましたが、Nikon D5が採用された理由について朝日新聞が報道しています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。

アルテミスIIでは有人宇宙船オリオンにNikon D5とNikon Z9が搭載されましたが、注目すべきなのは、現行フラッグシップであるZ9が存在するにもかかわらず、主力カメラとしては一眼レフのD5が採用されたことです。現在のカメラ市場ではミラーレスへの移行がほぼ完了しており、一眼レフはすでに過去のシステムとなりつつあります。そのような状況の中でNASAがD5を選択したことには、ある理由があったようです。

宇宙空間は一般的な環境とは比較にならないほど過酷です。真空環境や放射線、極端な温度変化など、地上では想定しない条件下でも確実に動作しなければなりません。特に有人ミッションでは、わずかな機材トラブルであっても大きな問題につながる可能性があります。そのため最新性能よりも、長年の運用実績や信頼性が重視されてきたようです。

ニコンのカメラはアポロ計画以降、50年以上にわたってNASAの宇宙ミッションで使用されてきました。国際宇宙ステーションでも長年ニコン製カメラが運用されており、その信頼性は高く評価されています。D5は過去の宇宙運用実績の積み重ねがあり、NASAにとって十分に理解されたシステムだったと考えられます。

しかし、その一方でNASAは着実に次世代への移行準備も進めています。2024年にNASAとニコンはスペース・アクト協定を締結し、アルテミスIIIで使用する手持ち型ユニバーサル月面カメラ(HULC)の共同開発を開始しました。このHULCのベースとなるカメラとして選ばれたのがNikon Z9です。NASAはZ9をベースに、放射線対策や熱対策、宇宙服を着用した状態でも操作しやすい専用グリップなどを追加し、月面環境に対応したカメラを開発しています。

実際、アルテミスIIにはD5だけでなくZ9も搭載されていました。これは単なる撮影機材としてだけではなく、将来のアルテミスIII以降を見据えた実証試験の意味合いもあったようです。NASAは以前からZ9に対して熱真空試験や放射線試験を実施しており、月面運用に向けた評価を進めてきました。またアルテミスIIIで使用する月面カメラのベース機材としてZ9が正式に選定されています。

つまり今回のアルテミスIIは、一眼レフのD5による確実性を重視しながらも、その裏でミラーレスのZ9への世代交代を進める過渡期のミッションだったと言えるのかもしれませんね。NASAとニコンが共同で開発している月面カメラのベースはZ9であり、今後人類が再び月面に降り立つアルテミスIIIでは、ミラーレスカメラが歴史的な瞬間を記録することになる見込みです。

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