サードパーティーに大きく影響する可能性
要約
複数の報道によれば、この訴訟は技術・特許紛争を専門に扱う上海知財法院に提出されたという。この訴訟はニコンとViltroxの間で高まる緊張を示すだけでなく、カメラメーカーとサードパーティレンズメーカーの間に続く摩擦を象徴するものでもある。もし紛争がエスカレートすれば、Zマウントユーザーにとってサードパーティレンズの供給や価格に大きな影響を及ぼす可能性がある。
NikonRumorsによれば、この訴訟の中心は「発明特許の暫定保護期間におけるロイヤリティ紛争」だという。中国の特許法では、暫定保護期間とは特許出願が公開されてから正式に特許が付与されるまでの期間を指す。この期間中に発明を使用した企業は、特許が最終的に認められた場合、後からロイヤリティを支払う義務が生じる可能性がある。
今回のケースでは、ニコンはViltroxが特許審査中の技術――おそらくZマウントのAFやレンズ通信に関するもの――を使用したと主張しているようだ。特許がすでに成立したことで、ニコンはその期間中に販売されたレンズに対して遡及的なロイヤリティを求めている可能性がある。要するに、ニコンは「特許が正式に認められる前に、Viltroxがニコンの保護技術を使ったZマウントレンズを販売したため、その分の支払いが必要だ」と主張している。
NikonRumorsによれば、この種の訴訟はより広範な強制措置につながることもある。ニコンが勝訴すれば、正式なライセンス契約を要求したり、販売停止命令を出したりする立場が強まる可能性がある。キヤノンも過去にRFマウントレンズを巡ってViltroxに対して同様の措置を取った。
PetaPixelに対する声明の中で、ニコンは今回の法的措置について肯定も否定もしていない。
「ニコンはこれまでも正式にライセンスを取得したパートナー企業と協力し、Zマウントのエコシステムを拡大してきた」と同社は述べている。「健全な競争を通じて技術の進歩を促し、ニコンがライセンスしたメーカーによるサードパーティレンズの使用を推奨している。」
今後の対応に注目
ニコンがVilrtoxを提訴したことについてPetaPixelが報じています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
記事では、ニコンとサードパーティーレンズメーカーとの間の緊張が高まっているとしています。中国の特許関連の法律では、すでに出願された特許に関して、もし仮に特許が認められた場合、審理中の特許技術を利用して製品を発売した場合には、正式にロイヤリティーを要求できるとしています。
そして、今後ニコンがどのような対応をするかが注目されるようです。ニコンの対応としては2つの可能性があり、1つ目はライセンス契約を結ぶように要求すること、2つ目はレンズの製造・販売を停止するように要求することとしています。つまり、ニコンの対応次第によっては、サードパーティーレンズメーカーはニコンのZマウント用レンズを販売することが不可能となります。これは、廉価なレンズを望んでいたユーザーにとっては最悪の事態となるかもしれません。
ライセンス契約を結ぶように要求した場合でも、ライセンス料を支払う必要があるでしょうから、ある程度の価格上昇は避けられないだろうと思います。
そして、気になるのは「なぜ今になって特許侵害で提訴したのか?」ということですね。記事にある「暫定保護期間」との関係があるのであれば、ひょっとしたら最近になってようやくニコンが出願した特許が認められた可能性が考えられそうです。
これまでは審理中だったため対応できなかったが、改めて特許が認められたことで、ようやく行動を起こすことができるようになったのかもしれません。
もう一つの考え方として、最近になってさまざまなサードパーティーレンズが登場するようになり、いよいよニコンとしては対応せざるを得なくなった可能性もあります。最近のサードパーティーレンズメーカーは技術が向上し、画質的にも優れているため、ニコンのレンズ販売に影響が及ぶ可能性があり、対応せざるを得なくなったのかもしれません。
このため、もしニコンがレンズの販売停止を要求した場合、ニコンもキヤノンのRFマウントのように、許可されたレンズだけを販売するようになり、閉じたマウントになっていくのかもしれません。一方で、逆に考えると、ニコンは廉価なレンズも自社で販売することが可能となるため、比較的低価格な純正レンズが多く発売される可能性も考えられそうです。
さらにこの記事の関連記事を「中国レンズメーカーは破壊的 ニコンとライセンス契約を結ぶべきだ」で詳しくお伝えします。



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