EOS R6 Mark III vs EOS R5 Mark II
要約
センサー性能
キヤノンはEOS R3から裏面照射型スタックドセンサーに移行しており、EOS R5 Mark IIもこの技術を採用。
- R5 Mark II:センサー読み出し速度は6.3msと非常に高速。
- R6 Mark III:前面照射型センサーで、読み出し速度は13.2ms。
この差により、EOS R5 Mark IIは電子シャッター使用時のローリングシャッター歪みが少なく、LEDや蛍光灯などの非白熱光源によるバンディングも抑えられる。
DIGIC アクセラレーター
EOS R5 Mark IIには、通常のDIGIC Xとは別にDIGICアクセラレーターという補助プロセッサが搭載されている。 これにより、被写体認識・オートフォーカス・動画処理などの重い処理を分担し、全体的な動作が高速化。 AF性能についてはまだ明確な比較はないが、EOS R5 Mark IIの方がより素早く、正確なAFが期待される。 とはいえ、EOS R6 Mark IIIもキヤノンのAF技術を継承しており、十分に満足できるレベルだ。
視線入力AF
EOS R5 Mark IIには視線入力AFが搭載されている。 これは、被写体の目にピントを合わせる「Eye AF」とは異なり、ファインダー越しにユーザーの視線を検知して、フォーカスポイントを移動するという機能。 好みが分かれるが、キヤノンの技術力を象徴する先進的な機能のひとつ。
バッテリー性能
これらのEOS R5 Mark IItが高性能であるぶん、バッテリー持ちがやや短め。 EOS R6 Mark IIIの方が電力効率が良く、長時間の撮影には有利かもしれない。
冷却機構
EOS R5シリーズでは、動画撮影時の発熱問題が話題になった。 EOS R5 Mark IIでは、アクティブ冷却対応の新設計が導入されており、カメラ底部に空冷グリップを装着することで、長時間の8K RAW撮影にも対応可能。 通常の静止画撮影では、グリップなしでも使用可能。 一方、EOS R6 Mark IIIはパッシブ冷却のみ。動画撮影時の温度耐性はEOS R5 Mark IIの方が柔軟性が高いと考えられる。
操作性・エルゴノミクス
キヤノンはミラーレス機の操作体系を統一しつつあり、EOS R5 Mark IIとEOS R6 Mark IIIもその流れを汲んでいる。
- 右手だけで電源を入れられる設計(以前は左手操作が必要だった)。
- R5 Mark II:上部にLCDパネルあり。モード操作がやや異なる。
- R6 Mark III:LCDなしだが、基本操作は共通。
両機を併用しても、操作感の違いによる混乱は少ないと予想される。
R6 Mark IIIの特徴と利点
- 画素数が少なめだが、ファイルサイズが軽く、処理速度が速い。
- 連写性能は優れており、40コマ/秒で最大20枚の連続撮影が可能(EOS R5 Mark IIは30コマ/秒で15枚)。
- 動画ではオープンゲート録画に対応しており、センサー全域を使った撮影が可能。 ※EOS R5 Mark IIは現時点で未対応。
まとめ
両機種とも、この記事執筆時点において、それぞれの価格帯で「クラス最高」と容易に評価できるカメラである。非常に高速であり、豊富な機能と性能を備えており、市場における最有力候補となっている。
しかし、これら2つのカメラの間には1,000ドル以上の価格差がある。仕様の中に「これだけで1,000ドルの価値がある」と感じるような要素は見当たらないが、例えばEOS R5 Mark IIの非常に高速な読み出し速度など、あなたにとって「必須」となる何かがあるかもしれない。
一方で、EOS R6 Mark IIIを購入する人は、RF24-105mm F4 L IS USMレンズ付きのEOS R6 Mark IIIキットを、EOS R5 Mark IIのボディ単体よりも安く手に入れることができるため、カメラと同様にレンズも必要な初心者にとっては、はるかに優れた選択肢となる可能性がある。
より高性能なEOS R5 Mark II
EOS R6 Mark IIIとEOS R5 Mark IIの機能の比較をCanonRumorsが伝えています。上記は要約したものになりますので、より詳細な比較は本記事下部のリンクからご覧ください。
記事ではそれぞれの機能の比較が行われていますが、機能的にはイメージセンサー、イメージプロセッサ、視線入力AFの違いや有無について記述されています。それぞれEOS R5 Mark IIのほうが、より高速なイメージセンサー、DIGICアクセラレーター、視線入力AFが搭載されており、高機能になっていることがわかります。
視線入力AFが必ず必要だという人はいないと思いますが、ローリングシャッター歪みが少ないより高速なセンサーや、被写体検出/追尾能力に優れるDIGICアクセラレーターは、コストの問題を無視すれば欲しい機能ではあるかもしれません。
また動画機能に関してはEOS R5 Mark IIはアクティブ冷却が可能ということで、このあたりは動画を撮影する人には特に気になるかもしれませんね。一部のレビューでEOS R6 Mark IIIは特定条件で40分以上の連続撮影ができないとの報告も上がっています。これが事実なのか、どのような条件なのかはまだ調べていないので不明ですが、少し気になる部分ではありますね。
一方でEOS R6 Mark IIIは画素数が少なく処理速度が速いこと、連写性能があること、全画素読み出しの録画ができるなどのメリットがあり、これを重視する人はEOS R6 Mark IIIという選択になりそうです。
このあたりは自分自身の撮影シーンであったり、主にどのような被写体を撮影するのかといったところで決まってくるのだと思いますね。
さらにキヤノンの新レンズの噂を「年内にRF28-70 F2 L IIかRF 24-70 F2.8 L II発表との新情報が急浮上」で詳しくお伝えします。
EOS R6 Mark III 関連情報アーカイブ
EOS R6 Mark III 最新情報!
キヤノン 最新情報
EOS R6 Mark III 主な仕様
| センサーサイズ | フルサイズCMOSセンサー |
| 有効画素数 | 最大約3250万画素 |
| センサークリーニング | (不明) |
| イメージプロセッサ | DIGIC X |
| 手ぶれ補正 | ボディー内5軸手ブレ補正(IS)機構 |
| 手ぶれ補正効果 | 最大中央8.5段/周辺7.5段 |
| 高速連続撮影 | 電子シャッター:最大約40コマ/秒 メカシャッター、電子先幕:最大12コマ/秒 |
| 動画撮影 | 7K 60P RAW |
| シャッター速度 | メカシャッター/電子先幕設定時:1/8000~30秒 電子シャッター設定時:1/16000~30秒 |
| ISO(静止画) | 常用ISO感度:ISO100~64000(1/3、1段ステップ) 拡張ISO感度(相当):L(50)、H(102400) |
| フォーカスポイント | 測距エリア:横:約90%、縦:約100% ポジション数:[静止画]最大6097ポジション(91×67) |
| EVF | 0.5型 約369万ドット |
| 背面液晶 | 3.0型・約162万ドットバリアングル液晶モニター |
| メモリカードスロット | CFexpress Type B、SDメモリデュアルカードスロット |
| サイズ | 約138.4(幅)×98.4(高さ)×88.4(奥行)mm |
| 質量 | 約699g(バッテリー、CFexpressカードを含む |




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