シグマへのインタビュー
要約
14mm F1.4というレンズは今でもかなり人気があるものの、現在では特別注文になっていると聞いた。なぜそのようなことになっているのか?
ご存じの通り、私たちはすべての製品をひとつの工場で開発し、生産している。私たちはいかなる外部サプライヤーとも働いていない。つまり、ODMやOEMのような供給業者とは協力していない。すべて自社で製造しているので、生産能力はかなり限られている。
私たちはいくつかの人気商品を抱えている。例えば、300-600mm F4やAPS-C用の17-40mm F1.8、そして24-70mm F2.8は常に需要が高い。14mm F1.4は天体写真家の間で非常に人気のあるレンズだが、24-70mmのような製品ではない。従って、私たちがそのようなニッチなレンズを生産する機会は、おそらく年に1度しかない。
1月から2月の時期は、比較的写真業界では閑散期だ。したがって、その期間にそれらのレンズを生産することができる。
まず注文を集めてから後で届けるという方法を14mm F1.4で行っている。そして、それがうまくいくかどうかを見ているところだ。もしシステムに満足されないようであれば、それを見直さなければならない。
今の世界市場は大きく変化しており、価格やサプライチェーンの動向を追うのが非常に難しくなっているが、今後どのような戦略的変更をしなければならないと考えているのか。
最大の課題は、生産コストが急激に高騰していることだ。原材料、労働のコストが大きく上がっている。ですから、前会計年度で売上は増加したが、利益は前年度と比較してマイナスだった。これはコストの上昇によるものだ。
シグマは生産を増やしたいという意欲を持っているのか?
もし私たちがいくつかの大きなサプライヤーと協力すれば、生産能力を大幅に増加させることができる。しかし、私たちはそのようにしたくはない。すべてのシグマ製品が最高の品質を維持することを確認したい。だから、すべての製品を私たちの工場で作りたい。
SIGMA BFを発売してからしばらくが経過したが、どのように受け入れられているか?
市場からの反応は予想をはるかに超えている。発表する前は、もしかするとかなり賛否が分かれるかもしれないと思っていた。しかし、驚いたことに市場からの反応のほとんどが非常にポジティブだった。
パナソニックが同時に3台のプロフェッショナルカメラを発売し、今年はLマウントにとっても非常に大きな年だった。
そうだ。実際に、Lマウントレンズの需要は継続的に増加している。それは私たちのBFだけでなく、パナソニックやライカのおかげでもある。
開発プロセスの中でチーム内で意見が分かれることはあったのか?例えば、もっとシャープにしたい、もっとレンズの味を残したいといった議論は?
たくさんあった。光学設計者はどうしても性能を重視しがちだ。彼らは常にMTFチャートを見て、もっと改善できると考えている。しかし、私たちは時々それを止める。その方向に進むとキャラクターが失われてしまうと。だから社内で非常に多くのディスカッションを行った。最終的に数値的には完全ではないが、感覚的に美しいという点でバランスを取った
ニッチなレンズは特別注文になる可能性
シグマへのインタビュー記事をPetaPixelが伝えています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
動画ではシグマに様々な質問を行っていますが、その内容が非常に興味深いものでした。まずニッチなレンズについては、今後は1月、2月などの期間限定の製造に切り替える可能性を示唆しています。いまは、ある程度の需要を見越して定期的に生産しているようですが、14mm F1.4から受注を受けてから1月、2月にまとめて生産し、それから製品を届けるという方向性でテストしているようです。あまり数が出ないので2ヶ月間の生産でも十分にまかなえるということなのですね。
また、この他にもLマウント用のレンズは順調に増加していることや、製造品質を落としたくないために、すべてを自社で製造する方針を採用していることなども述べています。
シグマから、またさらに面白い仕様のレンズが登場するようですので、今後の新製品に期待したいですね。


コメント