偽造のメモリカードが横行している可能性?
CFExpress Type Aカードの一部に性能を偽装している製品がある可能性があると指摘されています。アイキャッチ画像はソニー純正の安心安全なメモリカードです。
この状況を説明する最も簡単な方法は、最初に一連の事実を述べることだ。第一に、CFExpress Type Aは任意のカメラメーカが採用できるフォーマットであるが、現在、それを採用しているカメラはソニーだけだ。
第二に、CFExpressの商標、知的財産、ロゴに関連する権利を所有しているコンパクトフラッシュアソシエーション(CFA)は、ホスト、カード、周辺機器、テスターの製造業者を含む80以上のメンバーにより校正されている非営利団体だ。品質と性能を保証するためのルールがあり、その仕様へ準拠することを求められている。
これらの仕様の一つに「ビデオパフォーマンス保証」またはVPGがある。この指標はカードの書き込み速度が一定のMB/秒の速度以下に落ちることは決してないことを保証し、20、64、130、200、400といった様々なレベルが付与されている。例えばVPG400のカードは書き込み速度が400MB/秒以下になることはないと保証されており、非常に高いデータの転送速度のあるカメラは、このレベルを要求する。これにより映像クリエイターは使用時に1コマのフレームでも録画中に落とすことがないと保証される。
注目すべき点としてCFAはカードを20、65、130と評価することもできるが、市場に出回っているVPG認証されたカードの数値は少なくとも200で、大多数が400と評価されている。
第三に、高解像度、または高フレームレート(またはその両方)で撮影するカメラについて、ソニーの取扱説明書では、少なくともVPG200のスコアがあるCFExpress Type Aカードを使用することを要求していることが指摘されている。例えば、α1はこれを要求するカメラの一つだ。
興味深いことに、SDカードにはV60(少なくとも60MB/秒の速度を維持すること)の指標が必要で、カードがV90(90MB/秒)であれば、一部の機能がよりよくなるとされている。この速度の不一致は、実際にはCFAが200以下と評価しないという事実に関連している可能性がある。そして、ソニーはここで可能な限り、最低限の要件を採用することを選択した。これは単なる憶測だが、速度要件の大きな違いを説明する他の説明はない。理由が何であれ、ソニーのカメラは、最高レベルの録画機能へのアクセスを許可するためにCFExpressカードのファームウェアにVPG200認証のフラグが立っているかどうかを確認している。そのフラグが検出されない場合には、カメラはメニューを「灰色表示」する。α7S IIIの取扱説明書は特定のS&Q動画モードに対するVPG要件についても説明している。従って、このことを踏まえれば、CFExpress Type Aカードが存在する場合、それはソニーのカメラ用に作られ、ソニーのカメラは機能を完全に発揮するために特定の性能保証を求めていることがわかる。
写真家がよく知っているもう一つの事実は、CFExpressカードは高価であり、特にCFExpress Type Aカードは非常に高価であるということだ。その結果、人々はお金の価値を最大限に引き出すために、できるだけ安い製品を探すことになる。そのため、競合他社よりもはるかに安価なメモリカードを製造することで目立つ企業がいくつかある。彼らはそれをどうやって実現しているのだろうか?平均的な写真家は、恐らくこのことを気にしないだろう。重要なのは、より少ないお金でより多くのカードを手に入れるということなのだ。
残念ながら、それは必ずしも正しい行動とは限らない。私たちは確かに特売で機材を手に入れることを進めているが、メモリカード業界では悪知恵が働いており、企業がVPG認証を受けるプロセスを経ずに、メモリカードが評価を受けたカードだとカメラが思い込むように、偽の認証フラグを含ませているケースがある。この慣例はいくつかの要因を利用している。まず一つ、メモリカードはわかりにくく、一般的な人にとって指標はあまり意味を持たない。二つにメモリカードは高価なので、安い価格設定にすることは製品を売るための良いアイデアだ。3つに、CFAはその運営方法はかなり秘密主義であるため、ライセンスの取得者の問題について公に語ることはなく、代わりに密室で問題を解決しようとする選択をしている。これが意味することは、通販会社でCFExpress Type Aカードのベストセラーやランキング上位の製品の一部がCFAのルールを守っておらず、実際には性能が確認されていないのに、自分たちが評価を受けたフリをしてカメラを騙しているということだ。
偽装されたCFExpressを判断する方法
CFExpress Type Aのメモリカードに性能偽装された製品があるとPetaPixelが伝えています。上記は一部を引用したものになりますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
さて、記事によればCFExpress Type Aカードの一部には性能を偽装しているカードがある可能性があるようです。
その前に、ソニーのカメラが要求するメモリ性能に不思議なところがあるということを指摘していますね。上記の画像にもありますが、CFExpress Type AではVPG200か、それ以上のメモリを要求しているにも関わらず、SDメモリカードではV60(一部はV90)を要求しているという点です。VPG200は200MB/秒の連続書き込みを可能とし、V60は60MB/秒の連続書き込みを可能とする指標ですので、CFExpress Type Aはなぜか高速な読み出し速度を要求していることになります。
その答えとしては、実はCFExpress Type AカードにVPG200未満のメモリカードは存在しない(評価しない)のではないかと推測しているようです。そのような可能性があるのでしょうか?謎です。もしくはCFExpress Type Aを使用しているメーカはソニーだけで、購入するのはαシリーズ所有者ということになるので、ソニーが要求するVPG200未満のメモリカードを販売していないという可能性もあるのかもしれません。
さらにその後にはメモリカードが偽造されている可能性についても指摘しています。一部のメーカはVPG認証を受けていないにも関わらず、受けたフリをしてVPG200の基準を満たしているかのように振る舞うようです。メモリカードに何かしらの細工をして、カメラがVPG200に対応したメモリカードだと勘違いするように設定されているものがあるようですね。
それでは、どうしたら、そのようなカードであるかどうか判断できるのでしょうか?記事ではVPG認証を受けていないメモリカードをソニーのカメラに挿入し、メニューを開き、実際にはVPG認証で200以上の評価を得ていないと利用できないはずの機能が利用できる場合には、それは不正をしていると見なすことができるとしています。
恐らくメモリカードにVPG200という表記はされておらず(表記してしまうと大変なことになるため)、フラグだけ立てておき、ソニーのカメラで利用できるようにしているということのようですね。しかしソニーのカメラを所有している人にしか判断できない方法なので、一般的な人は確認する方法がありません。
このようなメモリカードが実際にVPG200の性能を満たしているかは不明ですので、やはりメモリカードについては信頼のおけるメーカのもので、しっかりとVPG200と表記されているものを購入したほうがよさそうです。またネットなどでは、それぞれのメモリカードの読み書きのベンチマークを公開しているサイトもあるようですので、実際に表記されている速度がでるかどうか確認したほうがよさそうですね。
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(記事元)https://petapixel.com/2023/12/08/sony-photographers-need-to-be-careful-what-memory-cards-they-buy/
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