Nikon Z 8のストラップ取付け部の脱落問題
Nikon Z 8のストラップ取付け部が脱落するという問題が話題になっています。そのあたりは、以下で記事にしていますので、ご存じない方はまず、こちらからご覧ください。
海外では結構な話題にはなっているのですが、それほど大きな問題として捉えられていないようにも感じます。発生数がかなり少ないからでしょうか?もちろん、発生数が少ないからといっても、圧力をかけないと取付け部は落ちないようですので、圧力をかけているとき=カメラにストラップなど何かしらを取り付けて利用しているときですから、そんなときにストラップ取付け部が取れてしまったら、カメラが落ちる可能性が高く、故障してしまう可能性も考えられます。なので結構、大きな問題です。
それでは、まず、Z 8のストラップ取付け部に関する情報で、ネット界隈で流れている情報をまとめてみます。
まずは、外れたストラップ取付け部というのは以下のようになっています。
そして今わかっているストラップ取付け部に関する情報です。ただし、これは必ずしもすべてが正しいとは言えず、間違った情報が含まれている可能性があることに注意してください。
- ストラップ取付け部の先端には穴が開いていて、そこに止め金具を付けて止めている
- このような設計は長年使われており、本来なら問題はない
- 止め金具は接着剤で固定され、外れないようになっている
- レンズマウントに関して問題が発生しているが、この問題はその発生数よりはるかに少ない
- ニコンは現在、この問題について調査している
- EUの代理店によるとレンズマウントのリコール時に取付け部をチェックする予定
どのような対応になるのか?
複数の報告があるので、割合はかなり少ないですが、ストラップ取付け部が外れてしまうという事象は確かに存在しているようです。もしこの問題が事実だとして、Nikon Z 8に対してどのような対応がされる可能性があるのでしょうか?そのあたりを考えてみます。
松コース
まずはすべてのNikon Z 8に関して再リコールを行うという対応です。これは最もコストがかかる対応です。まだ、マウントに関するリコールを行っていないユーザに対しては、マウントの修正とストラップ取付け部の問題に関して、一度で両方の対応をすることになります。しかし、すでにマウントに関する修正を行ってしまっているユーザに対しては、再度、Nikon Z 8をリコールして対応することになります。
すでに結構多くの人がマウント問題でリコールをしているでしょうから、2度目ということになると結構な数になる可能性も考えられそうです。
竹コース
問題がある製品(シリアル)ナンバーがわかり、その製品だけリコールするという対応です。この対応ですと修理しなければならない製品がわかっているので、すべてを再リコールするよりもコストはかかりません。また、マウントをまだ修理していないユーザに対しては、松コースと同様に二つの不具合を同時に修正することができるので、そのぶんコストも目減りします。
梅コース その1
そしてまったく対応しないというのが梅コースです。梅コースにはその1とその2がありますが、まずはその1です。これは、ごくすくない製品のみに発生する問題で、すべての製品をリコールする必要ないと判断した場合です。ただし、完全にシラを切り通すのか、問題が発生したときにはレンズを含めて修理対応、または新品を譲渡することで対応するのかといったところはニコン次第になるだろうと思います。最もコストが少なく済むかもしれませんが、隠れて修理対応をしていたことが明らかになると、ユーザとしての印象は悪いものになるかもしれません。わりと諸刃の剣です。
梅コース その2
梅コースのその2も、まったく対応しないというコースです。しかし、その1と違うのは、Nikon Z 8のマウントの不具合によりNikon Z 8のリコールを行った時点でストラップ取付け部の問題も把握していた場合がその2です。つまり、ストラップ取付け部の問題も把握していたので、マウントの不具合も含めて全回収し、そして両方を修正してしまうというパターンです。この場合、すでにカメラのリコールを行った製品はすべてマウント部とともにストラップ取付け部も修正されていることになりますので、コストはゼロです(マウントの不具合によるリコールのコストは当然かかっていますが)。
しかし、この方法では解決しない問題が一つだけ残ります。それは、マウント不具合によりリコールが決定していた時点で、ストラップ取付け部の問題を把握していたのなら、ニコンはなぜその時点で問題を公表していなかったのか?という不信感がでてきてしまうことです。そして、その不信感がでてくることを恐れて実はマウント不具合によるリコール時にストラップ取付け部もこっそり修理していたとしたら、恐らくこっそり修理していたことは発表できないはずです。
そうなると、修理されたカメラであることの公表はできず、いつ自分のカメラのストラップ取付け部が取れてしまうか心配しながら過ごさなければならないユーザが多数でてきてしまう可能性があり、これは精神安定上よくありません。
まあ、今回のNikon Z 8のマウントのリコール時のようにシリアルナンバーを入力させ、問題のある製品(=まだリコールされていないカメラ)だけ再リコールをするというような手法をとれば問題とはならない(誰も気がつかない)かもしれません。
というわけで、もし仮にNikon Z 8のストラップ取付け部に何かしらの問題があった場合、どのような対応の可能性があるのが考えてみました。
もし仮に完全にすべてのZ 8を再リコールということになると、またかなりの経費がかかる可能性があり、少なくとも今後、マウントの不具合の問題でリコールされた製品に関しては、ストラップ取付け部の確認をしておかなければ大変なことになりそうですね。
どのような対応になるのでしょうか?
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コメント
コメント一覧 (3件)
気になるのは賠償責任が発生し、対応してくれるのかどうかです。もちろん、物的損害に対してのみで、営業損失その他の逸失利益までは求めませんが。
カメラが落ちて破損した場合の修理費は当然のこととして、破損したレンズの修理も当然でしょう。ただし、サードパーティ製のレンズの場合、修理費を負担してくれるのでしょうか? 通常の使用においての不具合は対象外なのは分かりますが、落下の場合です。また、落下して高価な商品に損害が発生した場合は?お店の商品が壊れる等です。米国だと訴訟になりそうです。
個人で保険に入るしかなかったとしても、保険会社はニコンに求償しないでしょうか?
竹コースで良いと思います。
梅コースの対応はニコンの信頼をなくします。
物的損害も不味いですが、何より不味いのは落下による人身事故の発生でしょうね。(キヤノンのホットシュー問題然り)
ストラップが外れて足に落ちて怪我、もかなりのものですが、例えば山で使っていたら落下して斜面を転がって他人の頭を直撃、とか。
考えすぎと言えばそれまでですが、それこそアメリカでは「4歳の子供がナゲットを膝に落としてII度の火傷」で、注意喚起不足で80万ドルの賠償を言い渡した事例がつい最近出ました。治療費だけでなく「不自由になって生活が楽しめなくなった代償」まで含まれたそうです。
この辺、梅コースを選んで万が一が起きたら……と考えるだけで恐ろしい話ですし、何らかの公式声明はあった方がいいように思いますが、どうするでしょうね……