キヤノン 回折光学素子の特許
キヤノンが回折光学素子のレンズの特許を出願しています。どのような特許なのでしょうか?それでは特許の中身をみてみましょう。
特許文献1および特許文献2に開示された回折光学素子は2種類の互いに異なる樹脂を用いるため、それぞれの樹脂の膨潤率が互いに異なる。これらの回折光学素子は、高温高湿環境に長時間晒されると、2つの樹脂がそれぞれ膨潤し体積が変化する。その結果、2つの樹脂の間の屈折率差が変動し、回折光学素子の回折効率が変動してしまうという課題があった。
本発明の目的は、上述した課題に鑑み、高温高湿環境に長時間晒されても回折効率が変動しにくい回折光学素子を提供することにある。
気温変化により劣化する可能性
たぶんニコンが発売している位相フレネルレンズと同じ仕組みだと思うのですが、キヤノンが複数の光学特性の異なるレンズを組み合わせて、より性能の高いレンズに関する特許を出願しています。
特許によれば、高温高湿環境にあると、二つの樹脂がそれぞれ異なる割合で膨張するため、回折効率が変動してしまうことを防止するとしています。
なぜこのようにな問題が発生してしまうのでしょうか?特許によれば、高温高湿環境にあるとレンズの周辺部から水分が内部に入っていってしまい、周辺部は水分が入りやすく、中央部で水分が入りにくいため、均一でなくなるため膨張率が異なるということが発生してしまうということがわかったとしています。このようなことがあると回折効率が変動するので画質の劣化につながる可能性があるようです。
回折光学素子に、このような問題があるということは知りませんでした。特に南国で暑く湿度が高いような状況に常に晒されている場合には問題が発生する可能性がありそうなので、いま販売されているレンズでもちょっと心配になりますね。そして新しい技術でそれを防止してくれれば嬉しいなと思います。
(記事元)https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-14556
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コメント
コメント一覧 (1件)
キヤノンのレンズは白い鏡筒なので直射日光が当たっても温度上昇は少ないと思われますが
それでも何かの条件で水分を閉じ込めてしまったら問題ですね。
レンズとセルの間は僅かな隙間を設けてあるので水蒸気の侵入は避けられません。
ただ多くの場合では屈折率が変化し焦点距離が多少変化しても気がつかないでしょう。