ニコンに勝算はあるか
ミラーレスを推し進めてニコンの勝算はあるのか?という記事が掲載されていましたので紹介したいと思います。
それでは記事をみてみましょう。
フラッグシップモデル「ニコン Z9」は不発?
ニコンが満を持して世に送り出したのが、初のフラッグシップミラーレス「ニコンZ9」。2021年12月に発売しました。
しかし、2022年4-6月のレンズ交換式デジタルカメラ販売台数は前年同期間と比較して2万台の減少。「ニコン Z9」の登場はカメラファンから好意的に受け止められましたが、ヒットしている兆しはありません。
(中略)
第2の富士フイルムとなるべきニコン
ただし、中長期的に見てカメラ事業が会社の成長をけん引する存在でないことは明らか。市場が縮小する業界にしがみつくわけにはいきません。会社全体で注力しているのが、半導体露光装置。精密機器事業の売上高は2023年3月期に2,112億円となり、カメラ事業を上回っています。営業利益率もカメラ事業の10.6%と比較して精密機器事業は18.6%と高水準。
(中略)
ニコンは最先端のロジック半導体製造用ではなく、NAND型フラッシュメモリーなどに向けたArF液浸露光装置の開発に邁進しています。
かつて富士フイルムは、フィルムカメラが廃れて事業存続の危機に陥ったものの、医薬品や医療機器分野で頭角を現し、見事復活を遂げました。
現在のニコンは、かつての富士フイルムと重なるところがあります。
@DIME
記事によれば、ニコンはカメラ事業単体で赤字を計上した年があり(2019年と2020年)、売上も年々減少しているとしています。2021年はなんとか事業単体で黒字、2022年度の予想も売上は318億円の増加を見込んでいるが、これは円安の影響を受けている可能性が高いとしています。
Nikon Z 9が販売されても売上台数の増加にはつながっておらず、Z 9は価格が高いので台数が減った分を高価格の商品を売ることで補っている状態だと論じています。
ニコンは第二の富士フイルムになるべき?
ニコンはもともと廉価な商品の販売を取りやめ、利益率が高い商品で勝負をしていくという経営戦略に転換しているので台数が減少するのは予定通りでしょうし、その分減った売上を価格の高い商品を販売することで穴埋めするというのも当然のように思えます。
記事では”Nikon Z 9は不発?”と記述されていますが、Nikon Z 9は高額なカメラですので台数が見込める機種ではないですし、現在もバックオーダーを抱え簡単に入手できる状況になっていません。また、ニコンもZ 9の製造ラインを増やすとプリレスリリースを出しているほどですので、少なくとも予想以上には売れていると考えるのが妥当だと思います。
ですが市場は縮小していくのは目に見えていますから、他の事業にも注力していく必要はあると思いますね。
通常の会社は現在の花形となっている業種で得られた資金を、他の成長分野に投資して市場を育て、再び花形の事業にするように投資をしていきます。現在のカメラ事業は斜陽になりつつあるので現状までで得られた資金で新たな成長事業を見つけようとするのは自然の流れです。
問題はそのような事業を育てられるかどうかですが、そこが腕の見せ所になると思いますね。
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コメント
コメント一覧 (9件)
Z 9は不発だった??というタイトルがおかしいのでは?と思ったのですが、確かに記事の中では「ヒットしている兆しはありません」と書かれてはいますが、その後に『台数が減少しているにも関わらず、売上高は112億円、営業利益は44億円増加している点。「ニコン Z9」は60万円以上もする高額商品です。台数の減少分を単価でカバーしている様子がよくわかります。』と記者もニコンの方向性をきちんと理解していますね。
ヒット=数というのはその通りかと思いますが、単価の安いものを数売っても利益にはならないというのが今のカメラ業界の仕組みなので、Z9は成功した例だと思います。
CANONは、R7/R10を発売したために、高収益となるR5/R6が売れなくなったのは事実で、しかもR7は全く供給できいない点で営業的には失策だったのではと感じます。
R5/R6って売れなくなってるんです?
ヨドバシの6月下期〜8月下期ではR5が7月下期にランク外になった以外は10位以内をキープ、マップの6〜7月でもランクインしていて「人気が衰えず安定」とコメントがあります。
もちろん一部は流れているでしょうが、R7は7D2を筆頭にAPS-CユーザーのRF移行が主、R10はR5/R6含む既存ユーザーのサブ機需要も見えるなど、さほど購買層は被っていないような……一般ユーザーでは得られないレベルの情報があるのかもしれませんが。
供給については仰る通りで、R3がようやく一部店舗に出てきているので、改善の兆しはあるようですが、R7はまだまだですね。
8月以降はどうでしょうか?
価格.COMでは、常に上位にランクされていたR5/R6ですが、今や19、20位に後退しています。初期のRやRP以上のカメラとなると、お高いR5/R6しか選択の余地が無かったものが、同等以上のAFであること、R6では画素数に物足りないと感じる層が、APS-C機でいいやとシフトしているような気がします。
価格.COMが全てではないので、直接CANONの方に聞いてみる必要がありますが。
価格.comの売れ筋ランキングは「事実上、『ショップの売り場へ行く』ボタンをクリックした数値が基準」とのことなので、販売実績を反映しきれているとは言えなさそうです。
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/spv/1703/18/news015.html
クリックしてそのまま購入してる人ばかりではないはずで……私個人の話で恐縮ですが、今日だけで4、5回「へー、R3の在庫あるじゃん」とクリックしてたりします。その性質上、売れ筋というより注目度なのかなーと。
真相はキヤノンのみぞ知る、ですが、まずは数日中に出るだろうマップの8月ランキングで少し見えてきそうですね。
マップカメラのランキングは同順位のカメラが出てきちゃうくらい母数が少ないので、参考にならないような……。
ヨドバシのランキングで同数7位みたいなのは見たことがありません。
言ったそばから出てきましたね。今月は8位と9位、「この数カ月は新製品に注目を奪われてしまっている感のある2機ですが、それでも安定した人気を維持」とのことです。
とはいえ母数不明な以上何とも言えないのは仰る通りです。販売店もメーカーも個々の売上台数までは出しませんし。
個人的にはZ30やR3がランクインして驚きましたが、同順位が割と出てくるというのは確かに……ヨドバシはキットやカラバリ毎に分かれててこれも実態が見えづらく。難しい……。
ある意味では今後もZ9並の超高級機のみラインナップする路線を貫けば、利益は上がり続けるので当初あげていた中期計画は達成されるとも考えられる訳ですね。しかし高価な商品はその分ユーザーの買い替えサイクルも長くなるのでその辺をどうするかですね。
一方、Canonはミラーレスでもシェアを取るというのが狙いだった訳ですからお互いの目標は達成されつつあるというのが本質ですね。周りにもR7/R10発売からCanonのシステムを揃える人が増えたので実感として感じます。
一方、Z9はまだ現場でも持ってる人を見たことがないですし、購入を検討している人もあまりいない印象ですね。価格が高いカメラですので、購入できる層は限られますし、そこは仕方がないのかなと思います。
シェアは売上台数で決まってきますので、利益は上がっていてもNIKONのシェアは下がっているというNIKONユーザーとしては寂しい状況。
それでもNIKONのカメラが存続することの方が大事ですので、買い支えていきたいです。
日経の誤報の件もありましたがZ9って月産3500台なんですよね。
ちなみに2021のiPhone生産台数は2億2000万台です。
も~ほとんど町工場レベルの製品です。