EOS R5の発熱問題がついに解決?
EOS R5の発熱問題が、キヤノンが新ファームを公開したことでついに解決したという意見が投稿されています。どのような意味なのでしょうか?
それでは実際の記事の中身をみてみましょう。
最初はMagic Lanternだった。そして魔法のネジ(Magic Screw)。そして今、魔法の公式のファームウェアアップデートだ。
EOS R5の”発熱”は発売から2年後についにようやく修正された。
残念なことに、このカメラを購入するためにお金を支払った人は2年間の間、宣伝された4000ドルを支払ったハードウェアの能力を完全に使うことができなかった。
そして今週、EOS HDの掲示板に投下されたキヤノンが新しいEOS R5用の新ファームを公開したことが私の気を引いた。
EOS R5 ファームウエア Version 1.6.0
情報掲載日:2022年7月22日
このファームウエアは、以下の変更を盛り込んでおります。
1 動画撮影時のメニューに[自動電源オフ温度:標準/高]を追加しました。[高]設定時は、カメラ本体とカードの温度が高くなった際にカメラの電源が自動的に切れることを抑えられるようになり、撮影条件によっては、これまでより長く動画撮影ができることがあります。その際、カメラ底面部の温度が高くなることがありますので注意してください。
これを読んでデジャヴと思った人もいるかもしれない。なぜなら、キヤノンは2020年にファームウェア Version 1.1.1をリリースし、そこではカメラと運用している環境の温度を考慮することを開始し、私の冷蔵庫のような冷たい状況では録画時間が延びると主張していた。
これはキヤノンが当時の修正を説明したものだ。
「動画撮影において、温度検知および撮影可能時間制御の改善を図りました。また、これにより常温環境下で短い時間の撮影と電源OFFを繰り返した際の撮影可能時間の改善を図っております。」
このやり方はうまくなかったが、2020年にこの”物語”が結末をどのように迎えたのか、もしあなたが覚えていたのであれば、それはここにいる我々とMagic Lanternのグループが、カメラの録画時間はオーバーヒートすることなしに8kで2時間連続録画できることを発見した時で、発熱によるシャットダウンモードになるときに、カメラのバッテリー室にネジを差し込み、バッテリーを取り外すというとてもシンプルなものだった。
そして、EOS R5の歴史に最終的な結論がでたようだ。
私の考えでは、EOS R5CとCinema EOSカメラの販売のための大きな詐欺だった。
いま静かに、EOS R5Cは初期在庫の販売が落ち着き、彼らは大きな宣伝なくファームウェアを修正し、そしてカメラを宣伝している顧客となるジャーナリストはこの件に関してまったく触れず、Youtuberさえも沈黙している。
一方で、私はEOS R5が今ではより信頼性のあるツールになったことを嬉しく感じている。
だが、また一方で、私はこのこと全体がうさんくさいできことだと思っており、最大で最も成功したカメラメーカの一つとして倫理観に完全に掛けていることを示していると思っている。
EOSHD
長かった2年間
2年間のEOS R5の発熱問題に終止符が打たれたようです。この記事を読んだだけではなんのことかよくわからないと思いますので、ちょっと解説してみます。
まず、最初に、8k 30pの録画が可能という、当時としては飛び抜けたスペックのEOS R5の仕様が発表されたときでした。これにはみんなが驚いたわけですが、実際に発売され、製品を使用してみると、8k 30pの録画は20分の撮影でカメラがオーバーヒートしシャットダウンしてしまうことが明らかになります。
これに対して、動画はカット割りして撮影するから20分でも問題ないという人もいれば、オーバーヒートして再び撮影できるようになるまで時間がかかり、その場合、20分という時間からさらに撮影時間が短くなるので問題があるなど賛否両論がありました。
しかし、その後、状況は一変します。というのも、Magic Lanternというカメラに関するサポートソフトを提供するグループが、EOS R5の録画時間に新たな発見をしたのです。それが、カメラのバッテリーと、カメラにあるデータ保存用の小型リチウムイオン電池を取り外すと録画時間が延びるというものでした。
この結果、EOS R5は実際にセンサーやイメージプロセッサ、メモリカードの温度を計測してオーバーヒート表示を出しているのではなく、単なる録画時間によってオーバーヒートと表示させているのではないかという憶測を生むことになりました。
そして、それはほぼ間違いないだろうという確信に変わります。これまでは本体内部のデータ保存用の電池を取るという面倒臭いやり方でしたが、もっと簡単な方法が生み出されました。それが、バッテリー開口部にあるスイッチにネジを挟むというものです。このスイッチはカメラのバッテリーが開けられたかどうかを判断するスイッチで、ネジを挟んだままにすると見かけ上、バッテリーは抜かれていないとカメラは判断します。
しかしバッテリーは外されてしまうので、カメラはカメラ自身がバッテリーを抜かれたと認識することなくカメラ内部への電源供給はなくなってしまいます。そうしたらなぜか8k動画の録画時間が延長されるといったことが再現できてしまいました。
このことから、恐らくバッテリーの蓋が開けられると同時に、現在の8k動画の録画時間を一時的に非揮発性のメモリ領域に保存し、バッテリーが挿入され再びバッテリーの蓋を閉めると、非揮発性メモリ領域に保存された録画時間のデータをロードするのではないかと推測することになりました。
結果、その予想はほぼ正解だったようで、バッテリーの蓋にネジをつけたままバッテリーを取り外すと録画時間が延びるという、ちょっとややこしい状況が判明し、EOS R5の発熱問題はほぼ収束したということになります。
そして、今回キヤノンが新ファームで、恐らくバッテリーにネジを挟む手法で解決できる方法と、ほぼ同等の機能を実装したのだろうと思います。使用上は解決したわけですが、本家のキヤノンがファームウェアで対応したということで、今回で完全解決という状況になったようです。
EOS R5C販売のための時間制限?
そこで、このサイトの筆者は、どうやらはじめからキヤノンはこの時間制限を、動画撮影向けのEOS R5CやCinema EOSを発売するためにわざとこのような仕様にしたのではないか?と勘ぐっているようですね。
実際にはどうかわかりませんが、キヤノンが動画専用機とスチルをメインとするカメラで機能的に差別化したいという気持ちもわかる気がします。しかし、実際にキヤノンがそこまで考えて機能制限を加えたのかということに関しては懐疑的でもあります。
オーバーヒートの多くの原因はメモリカードへ保存するときの発熱だったようですので、デュアルカードスロットで、どのようなメーカのメモリカードが利用されるかどうかわからない状況だったため、メモリカードの温度計測は諦めて時間制限にしたということではないのかなと個人的に思っているのですが、実際はどうなのでしょうかね。
このあたり海外ではいろいろ実証する人がいたり、いろいろな意見があったりとして世界は広いなと感じます。
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コメント
コメント一覧 (2件)
EOSHDはこの問題があってから強烈なアンチキヤノンになってる(R3のセンサーがソニー製と決めつけて悪びれもしなかったのは記憶に新しいですね)ので、個人的には捻くれた見解だと捉えています。
実際発熱は凄いわけですし、そうでなければR5Cにわざわざ排熱ファンを常設する必要はないでしょう。そもそも外部収録なら大幅に録画時間が延びる(10bitになるようですが)ことは早くからわかっていたので、意図的に削ったにしては詰めが甘いかなと。
同意できる部分としては、2年間は長かったというところでしょうか。早々に改修版出しておけば……でも、それはそれで「意図的に削ってた」と扱われそうで面倒ですかね。
後付のファームアップで色々と問題を解決するのは良いのですが、あまりにもそれに頼りすぎると批判を浴びるということですね。
客は当然、発売時に完璧なモノを求めてお金を出すワケですから。