3年間フィルムシミュレーションモードを利用しなかった理由
富士フイルムのカメラが好きで、いまも富士フイルムのカメラを所有しているという人が、富士フイルムといえば誰もが思いつく機能の一つであるフィルムシミュレーションを使うことが無かったとしています。どうして利用しなかったのでしょうか?
早速、記事をみてみましょう。
富士フイルムのカメラのセールスポイントの一つは、35mmフィルムをベースにした様々なフィルムシミュレーションモードがあることだ。ビビッド、スタンダード、ACROS、セピアなどから、ボタンを数回押すだけで、あなたの写真の見た目を変更することができる。だが、私はそれを使おうと思ったことがない。
私は以前にX-T3を所有していたが、正直いって、それを手放すことは最も厳しい決断の一つだった。露出補正ダイヤル、手に持った時の感触、見た目、そしてとても優れた画質(良い照明で撮影するとき)など、好きなところがたくさんあったからだ。しかしながら、私がカメラを所有して3年が経過しても一つの機能はまったく使用しなかった。それはフィルムシミュレーションモードだ。
副業で写真を撮影している者として、私がどのように自分の写真を見せたいのか、明確な考えがある。もし私がモノクロのポートレート写真を撮影しようとわかったいたときでも、編集時に色調を完全にコントロールして編集できるように、私はカラーで撮影するだろう。このような理由から、私はフィルムシミュレーションモードを追求することがなかった。それは後から現像時に編集すればいいと思っていたからだ。
個人的には、Lightroomを利用すれば、特定のスタイルをまねることができるのに、フィルムシミュレーションモードを選択するプロフェッショナルカメラマンをほとんど知らない。私は内蔵のフィルターに仕事をさせるよりも完全に自分でコントロールしたい。
(中略)
画像編集ソフトがなかったり、撮影した写真に少しのエフェクトをかけて撮って出しで画像をシェアしたい場合には、フィルムシミュレーションモードを使うメリットがあることはわかる。また、フィルムシミュレーションモードを使用する人々をおとしめるつもりもないし、またフィルムシミュレーションモードを利用する人は写真が得意ではないとまでは言わないが、しかし個人的には意味がわからない。
(後略)
DigiralCameraWorld
富士フイルムのフィルムシミュレーションに関する意見が掲載されています。さらに詳しい記述がありますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、RAWで撮影して後からLightroomなどの現像ソフトであとから編集すれば、フィルムシミュレーションのようなフィルター効果はいくらでも掛けることができるのに、わざわざjpegで出力される画像にフィルムシミュレーションの効果を適用することがわからないとしています。
このLightroomは日本語では暗室の意味で、Adobeの現像ソフトです。RAWをベースに様々に画像の加工ができるので一般的にとてもよく使われているソフトですし、jpegから画像を修正したり加工するより、幅広い設定が可能となっています。
まあ、確かに後から現像ソフトでRAWから様々な加工をすれば、様々なフィルターをかけることができますので、その撮影時にフィルムシミュレーションモードを利用する必要がないといえはないのかもしれません。
RAW現像で様々な調整が可能に
同じようなことは他にもあって、以前はキヤノンは記憶色、ニコンは記録色などと言われたこともありました。これは、キヤノンは人間の脳内には思い出補正があるので、その思い出補正にあった色で撮影が可能で、ニコンは実際にそのとき見た実際の色がそのまま撮影されるというものです。
そのため自分はキヤノンの画質が好きとか、ニコンの画質が好きとかいろいろ意見がありましたが、今はRAWで出力して自分で思い通りに色味を調整すればいいので、そのような論議は収束していっているように思います。
富士フイルムのフィルムシミュレーションに話を戻すと、この富士フイルムのフィルムシミュレーションは、もともと富士フイルムのカメラなのになんか”デジタル臭い”という要望があり、そこからデジカル感の少ない自然な写真を作りたいということから始まっているとされています。
後からのRAW現像で様々な修正はもちろん可能なのでしょうが、自分の思い通りにつねにぴったりと加工するのは難しいので、安定して設定した通りの画像を出力してくれるフィルムシミュレーションには一定のメリットはあるのだと思いますね。
あと記事にもありますが、すぐにjpegを撮って出しで出力してシェアしたいという目的にはかなりメリットがあると思います。ただあとからじっくりとRAW現像して色味を決定するような人ですと、確かに魅力は目減りするのかもしれません。
富士フイルムのカメラの話題はこちらからも
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コメント
コメント一覧 (6件)
私もRAWで撮るのが基本でJPEGのみで記録することはなく、撮ってすぐシェアするために写真をネットにアップすることもないのでこの記事の言いたいことは理解できます。
撮影時に時間的余裕があれば設定を追い込んでJPEGで撮るのもありかと思いますが、それならRAWで撮ってあとで時間かけて現像するのと変わらない気もしますし、即納が要求される場面くらいしかJPEGで記録する意味はないように思います。
メイカーの絵作りと自分の感性が完全一致してればいいのですが私はそうではないので、どのメイカーのカメラで撮るときもRAWで撮ってJPEGはほぼ使いませんね。
これは面白い考え方だと思いました。プロが必ずRAW現像しているかというとそんなことはないです。
「フィルムシミュレーションモードを利用する人は写真が得意ではないとまでは言わないが、しかし個人的には意味がわからない。」私の考えは全く逆で「必ずRAW現像する人は写真が得意ではないとまでは言わないが、しかし個人的には意味がわからない。」です(笑)
私は撮影前から全ての設定をして撮影するので、ミラーレス機になってからは後でRAW調整する必要性はほとんどないです。また毎日数千枚撮るような時はその時間もないです。もちろん、全く実際とは違うようにデジタル加工するなら別ですが。
内田ユキオさんや塙真一さんも基本撮って出しですね。
人それぞれでこうあるべきなんてのは全くありません。
ジジイの感覚かもしれませんが、フジとしてはフィルム時代のあのアナログ感。
どのカメラで撮ってもフジの色、コダックの色が基本にレンズの色味やストロボの色味が加味されていたあの感覚を再現しているのでは?
あの頃ポジで撮るプロはフィルム銘柄に愛着がありエマルジョンNo.に執着してましたよね!!
歴史的に富士フイルム側としてはフィルム事業が縮小する中のデジカメ参入で、
差別化のためにフィルムシミュレーションを推さざるを得なかったというのがあったと思います。
消耗品であるフィルムがデジタルなら何度でも使えるということで、
結果としてこの類の機能としては最もブランディングに成功したものだと思います。
PC で RAW 現像するプロフェッショナルにとっては要らない機能だというのはそのとおりだと思いますが、
ユーザーはこれから先どんどんの PC から離れていき、スマホの撮って出し+編集が基準になってくるはずです
カメラメーカー側はプロの言葉を真に受けてカメラ内の RAW 現像を疎かにしていると、
スマホのカメラに撮って出しの品質で負ける日が来るでしょう。
一方で、ミラーレスカメラの場合、ライブビューだったりメディアへのJPEG書き出しなどでリアルタイムで短時間に画像処理を行うことが求められるので、
複雑な RAW 現像はカメラのパワーを損なうこともありえます。
実際富士フイルムの場合、明瞭度を上げると書き出しが遅くなる、ということがあるそうです。
「カメラ内で高度な RAW 現像処理を行う場合は、常にメニューから後処理で行うものとする」ということでこれを回避できるようになると思います。
ニコンでいうと、NX Studio のピクチャーコントロール以上の設定項目(トーンカーブ、LCHなどなど)をプリセットとしてファイルに保存できるようにします。
このプリセットをカメラに保存してカメラ内 RAW 現像限定で適用できるようにします。
このプリセットをウェブサイトで共有して、スマホ経由でダウンロードしてカメラに転送できるようにすれば PC の無いユーザーもプリセットの恩恵を受けることができます。
個人の感想ですよね。DCWはダイヤル系のX-S10を作ってほしい、GH6から4K、6Kフォトがない等色々言いたいことが今までもあったような。確かに折角定着した?ような4Kフォト他をなくすのはどうか?とか個人的には思いましたが。数字好きなので、確かにどれぐらいの比率でフィルムシミュレーションが使われているのか分かればうれしいですが。
本当にフィルムを使った経験があると、富士フイルムのフィルムシュミレーションが似て非なる物だと判るかと思うけど、まあそこは突っ込まなないとして。個人的にはどのシュミレーションもキツくて好きになれないですね、エテルナかクラッシククロームのRGBとコントラスト触って個人的な色になる感じ。もっとナチュラルなハッセルの色が欲しい。