ニコンの映像事業の中期戦略が明らかに
ニコンの映像事業に関する中期経営計画が明らかになりました。具体的には、こちらのPDFが詳しいので、こちらをご覧ください。
資料によれば、ニコンは高付加価値商品、ミラーレスカメラに経営資源を集中していくとしています。そして上記の画像をみるとわかるのですが、レンズ交換式カメラはにおいては、2025年度には初級機の台数はほとんどなくなり、すべてが中高級機になることを目指していることがわかります。
さらにレンズに関しては2021年度でZマウントレンズが29本だったものが、2025年度までに50本以上発売するとしており、最低でも21本のレンズが発売される可能性があることがわかります。
またニコンは、動画撮影に関する需要を満たすために、動画機能にも注力していくことがわかりますね。
そして衝撃的なのは、レンズ交換式カメラでエントリークラスのカメラはほぼなくすことを目標にしていることが明らかになったことです。これにより、例えばD5x00、D3x00シリーズのようなカメラはもう発売されないことが決定的になりました。
ということは、仕様にもよりますが、噂されているNikon Z 30のようなEVFがないミラーレスエントリークラスというのももう発売されない可能性がさらに高まったのだろうと思います。
一眼レフは完全終了へ
さらに衝撃的なのは、ニコンはもう一眼レフを完全に終了させ、ミラーレスへ完全移行することを明確化させたことです。それは、以下の資料からわかります。
このグラフでは、カメラの種類別の売上収入における2021年度と2025年度の違いがわかります。このグラフをみると、いま2021年度は、まだ一眼レフからの売り上げ収入が30%ほどありますが、2025年度ではほぼミラーレスからの収入になり、グラフをみた感じですと一眼レフからの収入は10%にも満たない5%程度の売上しか計画していないことがわかります。
このことから、すでに発売しているカメラの一定の製造は続けるかもしれませんが、フェードアウトさせていく方向になっていることが明確化されたことになります。たぶん、Nikon D6、D880などは残すのですが、ほそぼそと生産していく感じになり、カメラの主力は完全にミラーレスへ移行していくことになりそうです。
そしてFマウントレンズからの収益も少なくなることもわかりますので、今後、新しいFマウントレンズが発売されることなく、このまま人気レンズについては定期的に製造されるかもしれませんが、現在の在庫がなくなれば終売になる可能性が高いのではないかと思いますね。
これにより、一眼レフの新製品が発売されることは恐らくなくなったと考えることができると思います。また同時に、エントリークラスのカメラの発売もなくなったと考えられることができるので、最低でもNikon Z 50やNikon Z fcがニコンのなかで最も低価格のカメラになる可能性が高いのだと思いますね。
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コメント
コメント一覧 (4件)
紹介いただいた資料が興味深く、他事業の分も読んでしまいました。
映像事業は成長性の高い戦略事業には含められておらず主要事業の位置づけであることや、映像事業に「ニコンブランドを支える」の一言があるところなどから、カメラ業界の厳しさが読み取れる一方で、
他の事業がニコンの柱として機能していること、映像事業にも緻密な戦略を持って高利益率を目標に取り組んでいることなども読み取れ、安心してZマウントを使っていけると思いました。
ニコンの事業の中でデジタルマニュファクチュアリングが成長しているということなので、ロボットによる生産でコストを下げて、キヤノンにエントリー機でも勝負をかける、なんてことは起こらないかなあ、と妄想してしまいました。
インタビュー(CRなどの?)などでは、中高級機重視ではあるがエントリー機の重要性は認識している等の言葉が出ていたわけですが、結局Z機で行動としては出ていなかった感じだと思っています(逆に他では種々縮小させたわけですが)。しかし今後については経営判断的にエントリー機は出さないと明確にした、という感じでしょうか。ただそれもどの程度かは結構分からずでしょうか? Z40以下は出さないが、Z50後継は出すのでしょうかね。それぐらいはまあ??
現段階でミラーレスの世界シェアがどのようになっているか、どこも示してくれないので分からないわけですが、あまり台数シェアにもこだわらなさそうな感じもしますね。売り上げが2000億円規模、ミラーレスで1800億とかで、ソニー、キャノンには及ばないにせよ、売上的には3位は確保できそう(今でもレンズ他を考えればそうかもしれませんし)とかもあるんでしょうかね。利益率も高く十分だと。ベンツとか?いう感じですかね(車に詳しいわけでもないですが)。色々もっと調べる&考える必要ありやもしれないですが。とにかくシェアが高くてもカシオは撤退とかもあったわけですし、種々難しいですね。
一眼レフはキャノンとは明確に違ってもう縮小ですね。しかしこうまで明確にするとなると、何を残すのかもなかなかわからない感じもするでしょうか? キャノンのようにエントリーは残さないとしても何を残すか。。。ホンダもEVだけにするとか言っている時代なので(そうですよね)、さびしいですがもう予想はしない方が良いのかも。。。
自己返信です。メモ的で申し訳ないですが、WEBで調べてMONOXさんのHPでグラフ読みとかして極めてアバウトですが、市場規模データ(CIPAの出荷額が基礎のような感じが、、、)として、2020年でレンズ交換型カメラでミラーレス2500億円+一眼レフ1000億円、交換レンズが2500億円かという数字をとにかくアバウトですが、得ました。私の何かの間違い他あるやもしれない数字他、ちょっと調べてみた程度の数字他です。考えたらソニーは一眼レフがない分、過去数字では、売り上げ的には不利ですよね。。。。色々アバウトで申し訳ないですが。
オリンパスはM4/3マウント普及のためにエントリー機を薄利多売的な売り方をしていたように思いますが結果カメラ事業を手放すことに。
もうこれからの時代はエントリー層に売りまくってシェア稼ぐよりも、ミドル以上のボディや交換レンズとかをそれなりに買ってくれる層のシェアが重要で、ニコンはそこに集中するということに思います。
なのでZ 50より下の機種は出ないように思いますし、安価なレンズはプラマウントなどでとにかくコストカット。
一眼レフボディはいずれF6のようにD6だけになっても不思議ではなく、Fレンズも終売していきリーソースをZマウントシステムに集中という感じでしょうか。
カメラ事業を続けていくためにはニコンのこの判断は真っ当に思います。