キヤノンのアナモルフィック光学系のレンズ特許
【0004】
しかしながら、アナモルフィック光学系では、回転対称光学系では発生しない光軸回りの回転方向における製造誤差による光学性能の劣化を抑制するため、アナモルフィック面の位置や面数を適切に設定する必要がある。
【0005】
本発明は、小型軽量でありながらも、回転方向の製造誤差による光学性能の劣化を抑制したアナモフィック光学系およびそれを用いた撮像装置を提供する。各種データ
-知財ポータルサイト
長焦点距離方向 短焦点距離方向
焦点距離 16.15 10.77
Fナンバー 4.00 3.99
絞り径 18.60 11.60
像高 6.91 13.11
キヤノンがアナモルフィック光学系のレンズの特許を出願していたことが明らかになりました。その特許の一部を引用したのが上記になります。その詳細はあとで触れるとして、このアナモルフィック光学系のレンズとはどのようなレンズなのでしょうか?
一般的なレンズは真円のレンズを組み合わせて作られていますので本来は、縦横のアスペクト比が1:1が最も効率良くすべてのレンズの面積を利用できるレンズになります。ですが、いまは動画撮影時などは16:9などのアスペクト比で撮影していますので、横を全部利用するとして縦のぶんが実際には無駄になってしまっています。
なので、効率良く横長の画像や動画を撮影する方法として、横方向の画像や動画を圧縮して記録し、再生時に素に戻すことにより効率的に記録しようという考え方が生み出されました。言葉で説明すると難しいのですが、画像で実際にみてみるとわかりやすいと思います。
上記は円を撮影したものですが、記録するときには横方向を圧縮して縦長の楕円として記録します。これを再生時に円になるように元に戻すことにより横長の画像を正方形として記録できるという仕組みです。キヤノンの今回のレンズは、このような仕組みを実現したものです。
VRレンズ用の特許か?
このアナモルフィック光学系のレンズですが、長焦点距離方向の像高が6.91mmで、短焦点距離方向の像高が13.11mmとなっています。このレンズの特許をどう読んだらいいのかいまいちよくわからないのですが、像高を単純にアスペクト比だと考えると約1.9:1=17.1:9となりますので、16:9のFullHDや4k解像度と一致します。なので16:9のアスペクト比にあわせたアナモルフィック光学系のレンズと考えるとしっくりくるように思います。
あと、ひょっとしたらVRレンズ用に二つの画像を横に圧縮して保存しようとしている可能性もあるのかなと少し思いました。キヤノンは上記のアイキャッチ画像のように横にレンズが二つ並んだようなVR撮影用のレンズを発売しています。
このレンズの場合、横に二つの画像を並べて記録する必要がありますので、アナモルフィック光学系のレンズを採用すれば効率的に動画を記録することが可能です。
これは、特許の内容についていまいち理解しきれていないので完全に妄想なのですが、いまアナモルフィック光学系のレンズを発売するとしたら、どちらかというとVR撮影目的の可能性のほうが高いのではないかと思うのですが、どうでしょうか?
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